8月29日でのサービス終了を告知していた匿名質問サービス「Peing-質問箱-」は23日、一転して事業譲渡によりサービスを継続することを発表した。
今回の決定により、8月29日以降もアカウント情報や投稿内容、設定等はすべて引き継がれたまま、従来通りのURLでサービスを利用できる。
【重要】事業譲渡&サービス継続のお知らせhttps://t.co/nfc56Clw72
— 【公式】Peing-質問箱- (@Peing_net) August 24, 2025
※すいません、URL間違っていました。 pic.twitter.com/wn3jT77Agw
新たな運営元は、東京都内に拠点を置く小規模なシステム開発会社だという。同社はサービス終了の知らせを受け、「多くの方に愛されているサービスの終了はあまりにもったいない」と感じ、元運営会社に働きかけたことで今回の事業譲渡が実現した。
なお、譲渡先の社名は、サービス内に存在するアダルト広告などコンプライアンス上のリスクを考慮し、現時点では非公表としている。
皆様には混乱をお招きしましたこと謹んでお詫び申し上げます。
— 【公式】Peing-質問箱- (@Peing_net) August 23, 2025
現状、インフラ費用だけで毎月50万円近い赤字が出ている状況ですので、まずはインフラの最適化や非効率なコードの見直しを早急に行う必要がある状況です。
(その状態でもなんとか運営を続けられていた元会社さんを尊敬です)
(2/3)
また、公式Xに登場した「中の人」によれば、サービスはインフラ費用だけで毎月50万円近い赤字を抱えている状況だという。サーバー負荷の高さが主な原因であり、その背景には現在のシステム全体の設計や、3TBにも及ぶ肥大化したデータベースなどの技術的な課題が存在する。
今後はこの赤字構造を解消するために、早急にインフラの最適化や非効率なプログラムの見直しに着手するとしている。具体的には、データベースの整理や、負荷の高い箇所をより処理性能の高いプログラムへ部分的に置き換えることなどを計画しており、サービスの安定化とユーザビリティの向上を目指す方針とのこと。
あわせて、技術的な内容を投稿する公式Xアカウントも新たに設置されている。
「Peing-質問箱-」は、2017年11月に個人開発者のせせり氏によって公開されたサービス。Twitter(現X)と連携し、手軽に匿名の質問を募集できる仕組みが支持され、リリース後わずか1ヶ月で月間2億ページビューを達成するなど爆発的に流行した。
しかし、急激な利用者数の増加により個人での運営が困難となり、これまでに複数回の事業譲渡が行われ、最終的にはDigital monkey株式会社の運営のもとでサービスが提供されていたが、8月15日にサービス終了が発表されていた。