『ポケットモンスター』シリーズを題材にしたマンガ『ポケットモンスターSPECIAL』(以下、ポケスペ)のKindle版がキャンペーンを期間限定で開催している。
既刊64巻(通巻版)が50%還元となっており、仮に全ての巻をまとめて買った場合、約18000ポイントが還ってくる。セールは9月8日正午まで。
(画像はAmazon紹介ページより)
本作はタイトル通り、ポケモンを題材にしたマンガだが、なんと言っても“既刊64巻”が織り成す大河ドラマのように壮大な物語が特徴。あの“ギエピー”でおなじみの穴久保版『ポケットモンスター』に次ぐ長期連載作だ。
原作ゲームの新作が発売される度、本作は主役となる登場人物や舞台(地方)が異なる新章が開幕する。今回セールの対象になっている通巻版だけでも「13章分」というボリュームを楽しむことが可能。
また、全ての章で世界観が共通しているため、異なる章の出来事が新章の展開に影響を及ぼしたり、過去の章に登場したキャラクターが再登場するといった描写も多い。似た構成の長期連載作として『ジョジョの奇妙な冒険』などの例が、ファンから挙がることもあるようだ。
本日8月8日はポケSP最初の主人公、「戦う者」レッドの誕生日です!
— ポケットモンスターSPECIAL公式ツイート (@pokesp_special) August 8, 2025
目指せ!究極のポケモントレーナー!!#ポケSP #レッドの誕生日 pic.twitter.com/dblnJWCfOK
本作はポケモン関連作としては珍しく、登場人物に誕生日設定が存在することをはじめ、ポケモンの世界観を再解釈した作品としても、非常に独特な味付けがされている。
「ポケモン」というコンテンツが原作というより、原作ゲーム『ポケットモンスター』シリーズを原作にしているため、他媒体では省略されがちなゲーム独自のシステムをマンガに落とし込む描写も少なくはない。

そういった原作再現を行いつつ「一部のジムリーダーが悪役になっている」「主人公が国際警察の捜査官&敵組織の元団員」「そもそも主人公が原作に登場しないオリジナルキャラクター」など、大胆すぎるアレンジを加えている。
また、他のポケモン関連作では見ない方向性でハードな展開や描写も特徴。悪役との戦闘では「ポケモンが出せないようにモンスターボールが部分的に破壊される」「そもそもポケモンではなくトレーナーに攻撃が行われる」などの描写が挟まることもあり、この世界ではポケモンだけではなく人間側もフィジカルを強く求められるようだ。
このような空気感で陰謀や事件が作中で起きるため、ポケモンという世界観では珍しい人死描写や吐血描写が直接的に挟まれる上に、初期は特に顕著だったがポケモンも真っ二つになったりバラバラになったりする。
ポケモンでそこまでやって良いのか心配になるレベルでリアルな作品だが、だからこそ人とポケモンが一体となって巨悪に立ち向かう手に汗握るバトルや、気概に溢れる濃厚な物語が際立ち、読者の心を長年にわたって掴み続けている。
『ポケスペ』は常に作風がハードというわけではなく、ギャグや日常シーンも挟まれるため、ポケモンの世界観を身近に感じられる作品と言ってよいだろう。筆者は第7章(ダイヤモンド・パール編)を強めにオススメしたい。
本日6月6日は「志す者」パールの誕生日です!
— ポケットモンスターSPECIAL公式ツイート (@pokesp_special) June 6, 2025
幼馴染みのダイヤモンドとの漫才コンビ、また見たいですね!#ポケSP #パールの誕生日 pic.twitter.com/ZlV639LjMq
なお、本作は各章の連載方法が(詳細は省くが)非常に複雑化しており、単行本のリリースを「通巻版」「先行版」の2種類で行うという特殊な方式を採用している。
今回セール対象になっているのは「通巻版」となっており、最後の既刊である第64巻では第13章(オメガルビー・アルファサファイア編)を展開中。次巻の第65巻で第13章はフィナーレを迎える予定だが、記事執筆時点で発売の目処は立っていないようだ。
ややこしいポケスペ連載状況やコミックス発売形態の解説(2024年のダイヤはぴば落書きをもとにしています)。
— 山本サトシ (@satoshi_swalot) December 27, 2024
通巻版最新刊65巻は発売日未定です。
通販サイトなどに表記されているのは仮の発売日ですので延期、または早まる可能性もあります。
発売日確定次第、当アカウントにて発信いたします。 pic.twitter.com/kF1hTzTU45
その先の物語を描く第14章(サン・ムーン編)、第15章(ソード・シールド編)、第16章(スカーレット・バイオレット編)は先行版がリリースされているため、気になる場合はそちらを購入する選択肢も存在する。
ただし、基本的には通巻版が内容としては完全版という説明もあるため、壮大な通巻版のボリュームをゆっくり味わいながら新刊の発売を待つ選択肢もある。
どちらにせよ第11章(ブラック2・ホワイト2編)までは先行版が存在しないため、そこを読み終えてから検討するのも良いだろう。
ルビーが主人公の1人であるORAS編フィナーレとなる通巻版65巻、こちらのやりたい構想は昨年末にすべて監修に出していて、その結果を待っている状況です。それを反映してからでないと実作業に入れないので、サファイアの誕生日にも発売は間に合わないかなあ。 https://t.co/zBUaovTjYU
— 山本サトシ (@satoshi_swalot) July 2, 2025