河出書房新社は、『ビジュアル図鑑 オカルト大全』を価格5390円(税込)で、9月29日より発売することを発表した。
ヘルメス主義、薔薇十字団、神智学、フリーメイソン、そして悪魔崇拝の要素など、広範かつ神秘的な組織や活動を包括する言葉「オカルト」。本書『ビジュアル図鑑 オカルト大全』は、その歴史や内容を古代エジプトから現代までたどり、200点を超える貴重な図版とともに詳細に解説するビジュアル図鑑である。
本書は「西洋オカルティズムの起源」「占い」「儀礼と典礼」「チャームとタリスマン」「呪いと呪術」「秘密結社」「パワースポットと聖地」といった7章65項目から成り、オカルトの根底にある信念や実践を深く掘り下げていく。魔術や魔導書、占星術、秘儀、悪魔学、護符、錬金術、呪い、秘密結社、さらにはストーンヘンジやセイラムのような聖地に至るまで、人類が築いてきた神秘の全貌を明らかにしている。
また、研究者による本格的な内容で資料性が高く、初心者から専門家まで幅広く活用できる構成となっている点も特徴だ。シンボルや地図、写真、古代文書など、歴史的に貴重な資料が多数収録され、難解な定義や思想もわかりやすく解説されている。
黒ミサや悪魔崇拝、呪いなど、黒魔術に関する記述も多く含まれており、動画や漫画、イラスト制作などの創作資料としても役立つ1冊となっている。
『ビジュアル図鑑 オカルト大全』は、9月29日より発売中だ。
以下、プレスリリースの全文を掲載しています
【“オカルト”とは何か?】古代エジプトから現代まで、人類が生んだ神秘のすべてをこの一冊に!『ビジュアル図鑑オカルト大全』、9月29日発売。
魔術、魔導書、占星術、秘儀、悪魔学、護符、錬金術、呪い、秘密結社、パワースポット──。その全貌を明らかにする。
河出書房新社
2025年9月29日 08時00分
株式会社河出書房新社(本社:東京都渋谷区 代表取締役:小野寺優)は、『ビジュアル図鑑 オカルト大全』(税込定価6930円)を2025年9月29日に発売します。
ヘルメス主義、薔薇十字団、神智学、フリーメイソン、そして悪魔崇拝の要素など、広範かつ神秘的な組織や活動を包括する用語として、一般的に使用されている言葉「オカルト」。本書『ビジュアル図鑑 オカルト大全』は、古代エジプトから現代まで、その歴史や内容を200点超の貴重な図版とともに詳細に解説するビジュアル図鑑です。
本書では「西洋オカルティズムの起源」「占い」「儀礼と典礼」「チャームとタリスマン」「呪いと呪術」「パワースポットと聖地」の7章65項目にわたって、オカルトの根底にある信念や実践について深く掘り下げます。そして、魔術、魔導書、占星術、秘儀、悪魔学、護符、錬金術、呪い、秘密結社、パワースポットなど、人類が生んだ神秘の全貌を明らかにします。
■本書の特長
1. 研究者による本格的な内容で、資料性の高さも圧倒的。初心者から専門家まで。
2. シンボル、地図、写真、古代文書など、歴史的にも貴重な資料が満載。
3. 難解な定義や思想もわかりやすく解説。
4. 黒ミサや悪魔崇拝、呪いなど、人気の高い黒魔術に関する記述も多数。
5. 動画、漫画、イラストなどの作画、創作資料としてもおすすめ。
■本書について(P.12〜13)
本書『オカルト大全』は、チグリス川とユーフラテス川の間の地、メソポタミアから始まり、古代世界との関連でシュメール、アッシリア、アッカド、バビロニアの各帝国として定義される順番で、西洋オカルティズムの探求を開始する。ここから古代エジプト、そして古典時代のギリシャ、ローマに移る。これらの地中海文化と中東文化は、互いの魔術的信仰と実践、さらには宗教において大きな影響を与え合った。本書では、これらがどのように影響を与え合ったのかについて言及している。
その後、ケルト、アングロサクソン、北欧の魔術的な実践に進む。本書では錬金術のほか、現代オカルティズムの主要な原動力の2本柱である占星術とヘルメス主義など、中世ヨーロッパのその他のオカルト信仰体系や実践についても考察する。ここから占い、儀式と典礼、チャームとタリスマン(talisman:護符)、呪い、秘密結社と聖地に関する章が続く。
これらの章では、歴史的なオカルト実践の基礎の一つを形成する呪文と精霊召喚の書である、魔導書について見ていく。テンプル騎士団(12世紀)、地獄の火クラブ(18世紀)、黄金の夜明け団(19世紀)などの神秘主義的な結社も探索する。そして、現代ドルイド教の本拠地となっているストーンヘンジや、現代のウィッカの本拠地の一つ、米マサチューセッツ州セイラムなどの場所を訪れる。ここではさまざまな地理的場所における個々の実践、またはグループの例を見たうえで、相互参照することができる。本書は、歴史的および現代的なオカルト実践の概要を提供し、より詳細な研究を開始するための出発点を形成することを目的としている。
ギャラリー
本書には、文中で取り上げた慣習や信仰の一部を視覚的に参照できる写真やイラストが含まれている。画像には有益かつ説得力があり、オカルト界の著名な人物の肖像画、美術品や遺物、シンボル、エンブレム、書籍のギャラリーなどが含まれている。
遺物
本書には、古代エジプトやギリシャのアミュレット、ブードゥー人形、呪いの板、魔術関連品など、関連性のある魅力的な遺物の画像が掲載されている。
引用儀式のテキスト、歴史的布告の一節、古代の呪い、詩などからの引用は、議論されている時代、場所、人々、習慣に同時代的な文脈を与える。
タイムライン
各記事にはタイムライン(年表)が付いており、本文で説明した出来事を示し、年代的な目安を提供する。ページ右のタイムラインで示した全体のタイムスケールは、前5000年から後2000年(現代)までだ。0年をタイムライン上に濃い色の点で示すが、これはタイムスケールが変更される時期も示す。紀元前の各点は250年間隔、紀元後の各点は50年間隔である。金色の点は、記事に取り上げている期間を強調表示している。円〔サークル〕のアイコンは、本文中で論じた出来事を示す遺物または絵画に直接接続されている。
■「オカルト」について(「序章」より)
「オカルト」という言葉は何を意味するか?
「オカルト(Occult)」という言葉は、「秘密」または「隠された」を意味するラテン語のオックルトゥス(occultus)に由来する。これは魔術(Magic)や超常現象など、現在、私たちが理解している科学の範囲外にある現象を指すために使用される。16世紀のヨーロッパでは、この言葉は占星術、錬金術、自然魔術、魔導魔術を表すものとして、きわめて幅広く使用されていたが、19世紀になるまでに、啓蒙主義の原則により魔術的な実践の多くが科学に置き換えられ、「オカルティズム」という用語は、特に神秘的な団体や、個々の魔術実践者の活動を指す、より狭義なものとして使用され始めた。「オカルティスト」という用語は、呪文を唱えたり自分の命令に従わせて精霊を召喚したり、といった超自然的な手段で現実を変えようとする人々に適用され、多くの場合、黒魔術や悪魔崇拝の実践など、邪悪な意味合いを伴うようになった。今日のオカルトは、幅広く多様なジャンルであるが、西洋では多くの秘教団体が、すべてのオカルト実践の基礎となる秘密の哲学の存在を主張している。
現在、「オカルト」という言葉は、ヘルメス主義、薔薇十字団、神智学、ウィッカ、19世紀の黄金の夜明けヘルメス教団の活動としての魔術、現代復興主義者のドルイド教徒とフリーメイソン、そして悪魔崇拝の要素など、広範かつ神秘的な組織や活動を包括する用語として、一般的に使用されている。また、エリファス・レヴィ、アレイスター・クロウリー、ウィリアム・グレイ、コリン・ウィルソン、ダイアン・フォーチュンなどの作家の作品も取り上げられる。これらの人物はさまざまな時期に、こうした組織のメンバーだったが、オカルトをテーマにしてフィクションとノンフィクションの両面で、独立的に作品を執筆した。こうした集団や個人が抱いている信仰は、ギリシャ哲学、エジプトの宗教、ケルト、アングロサクソン、ヴァイキングなどの信仰や魔術の実践に基づいた古代世界に由来している。本書の過程を通じて、これらのアイデアとその影響を探っていくことにする。
■目次
序章/本書について
第1章 西洋オカルティズムの起源
メソポタミアのオカルティズム/エジプトの魔術/古代ギリシャの魔術/ギリシャ語魔術パピルス/ヘルメス主義魔術/ローマ帝国の魔術/ケルト魔術/アングロサクソンのオカルティズム/北欧のオカルティズム/カバリズム/錬金術/中世および近世の魔女と魔女術
第2章 占い
エジプト占星術/ギリシャ占星術/手相占い/ルーン占い/ルネサンス占星術/タロット/ウィジャボード/ダウジング/ペンデュラム/スクライング
第3章 儀式と典礼
エジプトの儀式/ギリシャの儀式/ローマの儀式/サクソンの儀式/ルネサンスの儀式/黒ミサ/セレマ/黄金の夜明け団の儀式/ブードゥー/サタニズム/ウィッカの儀式
第4章チャームとタリスマン
チャーム、アミュレット、タリスマンの起源/対応説/エジプトのアミュレットとチャーム/ギリシャのアミュレット/ローマのアミュレット/サクソンの蛇石/魔導書/エリザベス朝のアミュレット
第5章 呪いと呪術
エジプトの呪い/バビロニアとアッシリアの呪い/ギリシャの呪い/ローマの呪い/サクソン人とヴァイキングの呪い/魔女のボトル/悪魔学/ブードゥー人形
第6章秘密結社
テンプル騎士団/薔薇十字団/フリーメイソン/地獄の火クラブ/黄金の夜明けヘルメス教団/神智学協会/東方聖堂騎士団/初期のウィッカ
第7章 パワースポットと聖地
エーヴベリー/ストーンヘンジ/ギザのピラミッド/グラストンベリー/サーペント・マウンド/ブロッケン/セイラム/ニューオーリンズ
用語解説/索引/図版クレジット
■本文より
左下:キンブリ族の女預言者が人を生贄にしている。ヨハネス・シェル『ゲルマニア』より(1891年) 右上:ウォーデン(オーディン)はアングロサクソンの王たちの祖先とされた。『サクソン人の最初の到着について』より。大英図書館Cotton Calogul A.viii f. 29r(1099〜1128年) 右下:ゲルマン、初期アングロサクソンのブラクテアテ(金貨形ペンダント。レイクンヒース近郊アンドリー・コモンで出土)。大英博物館(6世紀)
左下:O・フォン・コルヴァン『アレクサンドリアの図書館』(19世紀) 右:『錬金術師』ウィリアム・フェッツ・ダグラス(1855年)
左:「ラ・ヴォワザン」ことカトリーヌ・モンヴォワザ(17世紀の版画) 右下:アンリ・ド・マルヴォスト『ギフールのミサ』。ジュール・ボワ『悪魔主義と魔術』より(パリ、1903年)
左:有罪判決を受けた魔女、ルイザ・マブリーの火刑(フランス、18世紀頃)
■著者紹介
リズ・ウィリアムズ(Liz Williams)
ケンブリッジ大学で歴史と科学哲学の博士号を取得。現在、英グラストンベリーを拠点とし、魔術関連ビジネスの共同経営を行うとともに、英「ガーディアン」紙に異教と科学哲学についての記事を寄稿、米の異教ニュースサイト「The Wild Hunt」の在英特派員も務める。著書に、英国のペイガニズム(異教主義)の歴史を書いたMiracles of Our Own Making、異教の結婚式に関する著作Modern Handfastingがある。
■訳者紹介
辻元よしふみ(つじもと・よしふみ)
翻訳家、服飾史・軍事史研究家。陸上自衛隊需品学校部外講師。早稲田大学卒。訳書『第三帝国全史』(全2巻)、『バルバロッサ:最前線のドイツ兵が見た独ソ戦』など。辻元玲子との共著に『軍装・服飾史カラー図鑑』など、監修・共訳書に『ビジュアル図鑑魔導書の歴史』『写真でたどる麗しの紳士服図鑑』『古代ローマ帝国大図鑑』などがある。テレビ出演も多数。
辻元玲子(つじもと・れいこ)
歴史考証復元画家(ヒストリカル・イラストレーター)、陸上自衛隊需品学校部外講師。桐朋学園大学音楽学部演奏学科卒業。ドイツ国立ミュンヘン音楽・演劇大学特別課程修了。日本で数少ないユニフォーモロジー(制服学)と歴史復元画の専門画家。辻元よしふみとの共著、共訳書は上記。
■書誌情報
書名:ビジュアル図鑑オカルト大全
著者:リズ・ウィリアムズ
訳者:辻元よしふみ、辻元玲子
仕様:A4変型判(246×190ミリ)/上製・角背/本文256ページ/オールカラー
初版発売日:2025年9月29日
定価:5390円(本体4900円) ISBN:978-4-309-22959-1
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309229591/
出版社:河出書房新社