11月14日、Steamでの販売が停止されていたローグライト・サバイバルゲーム『MISERY』がストアに復帰し、販売が再開された。ストア復帰を記念し、『MISERY』のサポーターバンドルが週末限定で50%割引となるセールが実施されている。
『MISERY』開発元のPlatypus Entertainmentは、GSC Game Worldとの「誤解」が解消されたためと発表している。
『MISERY』は、最大5人での協力マルチプレイに対応したローグライト・サバイバルゲームだ。核災害後の架空の国家「ザスラヴィ共和国」を舞台に、プレイヤーは民間軍事会社の一員として隔離地域を探索。異常現象や変異生物の脅威に抵抗し、空腹や精神力などのステータスを管理しながら生き延びていく。
本作は11月8日、『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの開発元であるGSCからDMCA(デジタルミレニアム著作権法)侵害の申し立てを受け、Steamストアから削除されていた。Platypus Entertainmentは当時、申し立て内容を「事実無根」として全面的に否定。異議を申し立てる姿勢を示していた。

異議申し立て後、今週水曜日にGSCの弁護士チームから連絡があり、協議の結果、問題は解決に至ったという。開発元は、当初のDMCA申し立てで主張された世界観や設定、キャラクターなどに関する、GSCの持つIPへの侵害はなかったと改めて強調している。
その一方で、GSC側は当初の申し立てでは言及されていなかった2つの具体的な問題点を指摘した。一つは、開発初期のプロジェクトから意図せずファイル内に残存していたヘリコプターの3Dモデルであった。このモデルはゲーム内でプレイヤーが目にする形で使用されてはいなかったが、指摘を受けてファイルから完全に削除された。

もう一つの問題は、ゲーム内で使用されていたギターのメロディであった。開発元の友人が制作したというカバー曲の中に、GSCが独占的なライセンスを所有する楽曲がいくつか含まれていたという。GSCのオリジナル音源ファイルを使用したわけではなかったが、GSCの要請にもとづき、該当する楽曲はゲームから削除された。
加えて、GSCは『S.T.A.L.K.E.R.』へのオマージュとして含まれていたイースターエッグなどの削除も要請し、開発元はこれに同意して削除した。

開発元は、GSCのアセットを盗用した事実はなく『MISERY』は独自のIPであると主張。さらに、今回の問題はDMCA申し立ての前にメールなどで連絡があれば、大きな騒動になる前に解決できたはずだと指摘している。販売停止による返金の続出で経済的な打撃は大きかったものの、コミュニティの支援によって開発は続行可能であるとしている。
またPlatypus Entertainmentはコミュニティに対し、今回の騒動を受けてGSCのゲームに行われたネガティブなレビューについて、それがゲーム内容自体と関係ないのであれば取り下げるよう要請している。
