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米半導体大手Micron、消費者向けのメモリ・SSD事業から撤退を決定。29年続いた「Crucial(クルーシャル)」ブランドが終了へ。AI主導によるデータセンター向けの需要が爆発的に拡大していることを受け、今後は成長著しい企業向け分野へ注力する方針に

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米半導体大手マイクロン・テクノロジーは日本時間12月4日、同社の消費者向けメモリおよびストレージ製品ブランドである「Crucial(クルーシャル)」の事業から撤退する方針を明らかにした。

この決定の最大の要因は、昨今の急速なAI普及に伴い、データセンター向けのメモリやストレージ需要が爆発的に拡大していることにある。同社は限られた生産能力と経営資源を、より需要が急増し成長著しい企業向け分野へ集中させるため、一般市場からの撤退という大きな決断を下した。

米半導体大手マイクロン、一般消費者向けのメモリ・ストレージ事業から撤退を決定。「Crucial(クルーシャル)」ブランドが終了へ_001
(画像はAmazonの商品ページより)

今回の決定に伴い、日本を含む世界各国の小売店やオンラインストア、家電量販店などを通じて行われてきた一般消費者向け製品の販売は順次終了する。同社の発表によると、市場への製品出荷は2026年2月まで継続される予定だ。

撤退完了後もパートナー企業との連携は維持され、これまでに販売された製品や今後出荷される製品に対する保証サービス、ユーザーサポートは引き続き提供される。

米半導体大手マイクロン、一般消費者向けのメモリ・ストレージ事業から撤退を決定。「Crucial(クルーシャル)」ブランドが終了へ_002
(画像はAmazonの商品ページより)

マイクロン・テクノロジー幹部のスミット・サダナ氏は、今回の決定について、より大規模かつ戦略的な顧客への供給体制を強化するための困難な判断であると説明し、29年間にわたる顧客やパートナーへの感謝の意を表した。

同社はこの方針転換により、中核となる企業向けおよび商用セグメントに注力し、事業構造の最適化を目指すとしている。また、この事業判断によって影響を受ける従業員については、社内での配置転換を通じて対応する意向を示している。

昨今のメモリ・ストレージ市場では、生成AIの普及に伴う半導体の需要増や生産調整の影響により、DRAMやNANDフラッシュメモリの取引価格の高騰が続いている。世界的な大手メーカーである同社が一般消費者市場から撤退し、産業用途へ供給能力を完全に振り向ける動きを見せたことは、今後の市況や一般ユーザーの購買環境にも少なからず影響を与える可能性がある。

ライター
物心ついたころからFFとドラクエと共に育ち、The Elder Scrolls IV: オブリビオンで洋ゲーの沼にハマる。 ゲームのやりすぎでセミより長い地下生活を送っていたが、最近社会にリスポーンした。 ローグライクTCG「Slay the Spire」の有志翻訳者。
Twitter:@Gre_zzz

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