開発中の新作『毒姫カンタレラ -Dominion of Qualia-』がSteamに登場している。
本作は、個人ゲーム開発者の坂本昌一郎氏が手がけるダークオカルト・ポストアポカリプスRPG。「異形を殺し、喰らい、使役せよ」という強烈なコンセプトのもと、「大静寂」と呼ばれる未曾有の厄災によって滅びた世界を舞台に、選択と犠牲を重ねながら運命を塗り替えていくループ構造の物語が描かれる。
物語の中心となるのは、記憶を失った少女・アルカ。彼女は正体不明の双子、アリスとテレスによって、終わりなき死のショウ「殺戮アワー」へと否応なく巻き込まれていく。
人類の生存が許された唯一の地である巨大構造体「塔」には、8つのクオリア汚染領域「Dominion of Qualia(D.O.Q)」が広がり、それぞれを「八顛倒」と呼ばれる存在が支配している。異形と狂気が巣食う領域を制圧し、塔の頂点に立つ「騙り姫マリーツィア」を屠ることが、本作の大きな目的となる。

ゲーム進行は探索順が完全に自由で、8つのD.O.Qのどこから攻略するかはプレイヤー次第。攻略順によって遭遇する敵や仲間、戦略は大きく変化するほか、ボスである「八顛倒」とは戦闘だけでなく、交渉や同盟、裏切りといった選択も可能となっている。場合によっては、騙り姫マリーツィアと手を結ぶという禁忌の選択肢も用意されているという。
システム面では、残機制とループ構造を組み合わせた設計を採用。探索に失敗すると残機が減少し、尽きればゲームオーバーとなるが、キャラクターの成長や獲得したスキル、能力は引き継がれる。最短ルートの追求やノーデスクリア、周回を重ねて極限まで鍛えるなど、プレイヤーごとの戦略性が問われる内容だ。

登場する異形キャラクターは170体以上におよび、倒した異形は仲間として使用できる。仲間となった異形は“存在値(EX)”を持ち、HPが0になるたびにEXが減少。EXが尽きると完全に消滅する一方、他の異形を喰らうことでEXを回復できるなど、生存と犠牲を天秤にかける選択が常に迫られる仕組みとなっている。
ビジュアル面では、日向悠二氏、シガタケ氏、ReDrop氏、HACCAN氏、CARNELIAN氏ら40名以上のイラストレーターが参加。音楽面でも、伊藤賢治氏、桜庭統氏、菊田裕樹氏、目黒将司氏をはじめとする10名以上の作曲家がバトルミュージックを担当し、日本RPGシーンを彩ってきたクリエイター陣が名を連ねている点も特徴だ。

『毒姫カンタレラ -Dominion of Qualia-』は現在開発中。Steamストアページでは作品概要やスクリーンショットが確認でき、リリース時期および価格は未定となっている。今後の続報に注目したい。
