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Ubisoft、『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂』リメイク版を含む6タイトルの開発を中止へ。複数のスタジオを閉鎖し、レイオフなどコスト削減策を加速。大規模な構造改革を実施し、ジャンル別特化の運営体制も発表

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Ubisoftは1月21日、大規模な組織の構造改革を発表し、スタジオの閉鎖やレイオフ、人員体制の見直しを含むコスト削減策を加速させることや、『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂』リメイク版を含む計6タイトルの開発中止を明らかにした。

あわせて、未発表タイトル1本を含む7つのタイトルの発売延期や、特定のジャンルに特化した新たな運営モデルへの移行が公表されており、同社は組織と事業の両面で抜本的な再建を図ることとなる。

組織の再編については、すでに海外メディアなどでも報じられているとおり、1月初旬にハリファックスのモバイルスタジオ、およびストックホルムのスタジオが閉鎖されたことが明らかになった。そのほか、アブダビ、RedLynx、Massiveといった各拠点でも人員配置の適正化が進められているという。

今後も厳格な採用抑制を継続しつつ、戦略的な優先順位に基づいて一部のスタジオを選択的に閉鎖するなど、さらなる再編が行われる見通しだ。

開発中のプロジェクトにおいては、品質基準と市場での競争力を重視した結果、計6つのタイトルが開発中止となった。2020年に発表された『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂』リメイク版に加え、未発表タイトル4本(新規IP3本を含む)、モバイル向けタイトル1本が含まれる。

今回の中止決定および開発方針の変更に伴い、同社は約6億5000万ユーロ(約1200億円)の特別損失を計上する。この巨額の損失計上が響き、2025-26年度の非IFRSベースの営業損益は、約10億ユーロ(約1850億円)の赤字となる見通しが示された。

開発中止と並行して、進行中のプロジェクトについてもスケジュールの見直しが行われた。未発表タイトルを含む7つのゲームについては、品質をより高め、長期的な価値を最大化するために開発期間の延長が決定されている。

Ubisoft『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂』リメイク版含む6作品を開発中止。運営を「Creative House」に再編_001
(画像はUbisoftのIRニュースより)

これらの変革を支える基盤として、新たな運営モデル「Creative House(クリエイティブ・ハウス)」が発表された。5つの各ハウスがオープンワールドやシューター、ファンタジー、カジュアルなど特定のゲームジャンルに特化し、開発から販売戦略までの一貫した権限と損益責任を負う。意思決定を分散化させることで、プレイヤーの期待に素早く応え、クリエイティブ分野における主導的な地位を取り戻す狙いがある。

クリエイティブ・ハウス1(Vantage Studios):既存の大規模フランチャイズの拡大に注力し、年間10億ユーロ規模のブランドへの成長を目指す。(主要ブランド:『アサシン クリード』『ファークライ』『レインボーシックス』

クリエイティブ・ハウス2:競争型および協力型のシューター体験に特化。(主要ブランド:『ディビジョン』『ゴーストリコン』『スプリンターセル』

クリエイティブ・ハウス3:ライブサービス体験の運営。(主要ブランド:『フォーオナー』『ザ クルー』『ライダーズ リパブリック』『ブロウルハラ』『スカル アンド ボーンズ』

クリエイティブ・ハウス4:没入型のファンタジー世界と物語主導のユニバースに特化。(主要ブランド:『Anno』『マイト&マジック』『レイマン』『プリンス オブ ペルシャ』『ビヨンド グッド アンド イービル』

クリエイティブ・ハウス5:カジュアルゲームおよびファミリー向けゲーム市場。(主要ブランド:『ジャストダンス』『Idle Miner Tycoon』『Ketchapp』『ハングリーシャーク』『Invincible: Guarding the Globe』『UNO』『ハズブロ』関連タイトル)

Ubisoftは、今回発表された一連の施策を、長期的な再建に向けた決定的な転換点と位置づけている。ポートフォリオの再編は短期的には財務面へ大きな影響を与えるものの、組織の効率化と経営資源の集中を通じて、持続可能な成長と収益性の回復を目指す方針だ。新たなフェーズへと移行する同社が、再び強固な事業基盤を築けるかが注目される。

ライター
物心ついたころからFFとドラクエと共に育ち、The Elder Scrolls IV: オブリビオンで洋ゲーの沼にハマる。 ゲームのやりすぎでセミより長い地下生活を送っていたが、最近社会にリスポーンした。 ローグライクTCG「Slay the Spire」の有志翻訳者。
Twitter:@Gre_zzz

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