シングルキャンペーンにほかのプレイヤーが乱入! 新たな力を手に入れたDoom Slayerの敵はAIだけじゃない。新システムを多数導入した『DOOM Eternal』血みどろのゲームプレイ映像を徹底解説

 Bethesda Softworksは、アメリカのダラスで開催されたQuakeCon 2018の基調講演にて、id Softwareが開発する新作『DOOM Eternal』のゲームプレイ映像を初公開した。

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 『DOOM Eternal』は2016年に発売されたFPS『DOOM』(2016年発売)の続編。前作に引き続き、プレイヤーはDoom Slayerとなって地獄のデーモンたちとの戦いを繰り広げることになるのだが、今回の映像を見る限りでは前作をはるかに超える暴力性を身につけているようだ。

 基調講演では開発者によって武器やモンスターのコンセプトアートやシステムが紹介され、さらに本邦初公開となるゲームプレイ映像がお披露目となった。
 ゲームプレイ映像では地獄と化した地球を舞台にしたマップ「Hell on Earth」と、まだ生き残った人間も残っている戦艦内を舞台にしたマップ「Phobos」が紹介されている。


さらなる激闘の予感。新たなデーモンと「Destructible Demons」システム

 『DOOM Eternal』では、前作には登場しなかった複数のデーモンが新たに追加されている。
 1990年代の『DOOM』シリーズからはおなじみのZombiemanを筆頭に、『DOOM II』に登場したクモ型のデーモンであるArachnotronPain Elemental、そして『DOOM』にも登場したMancubusは新たな姿が紹介された。

 本作でシリーズ初登場となるデーモンは、プレイヤーにとって強敵になると説明されているDoom Hunter、そしてまるでDoom Slayerのようなアーマーを身にまとったMarauderと呼ばれるデーモンの2体。

右手には赤い刀身の斧、左手にはスーパーショットガン。緑色のアーマーを着込んだ姿はDoom Slayerを彷彿とさせる。
(画像はYoutube | DOOM Eternal ? Official Gameplay Revealより)

 その姿からもわかるように、Marauderには面白い設定が用意されているそうだ。開発者によれば『DOOM Eternal』に登場するデーモンの総数は前作の2倍にもなるという。

 また、新たに「Destructible Demons」と呼ばれるシステムも追加されている。その名のとおり、ダメージを与えることでモンスターの外見が痛々しく傷ついていくシステムだ。
 『DOOM』でもダメージによってCacodemonの腕が欠損するといった演出を限定的に見ることができたが、これがさらにゲーム全体を支えるものとて大きくアップグレードされている。

 ゲームプレイ映像では、部位破壊によって敵の行動パターンが変わっているようには見えないが、基調講演で紹介されたコンセプトアートではArachnotronの巨大な主砲が破壊されている姿を確認することができる。

背中についている大砲が欠損している。
(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 GameInformerのインタビューによればこのシステムは見た目が変わるだけでなく、コンセプトアートどおりモンスターの攻撃パターンを制限でき、戦略的にも重要な要素になっていると解説されている。

会場から湧き上がる歓声。さらに暴力的に進化したDoom Slayer

 「Hell on Earth」冒頭では、Doomslayerがヘルメットをかぶるファンにはなじみ深いシーンから始まり、前作では見られなかった左手に取り付けられた伸縮する巨大なナイフが披露される。
 右手に握られている武器は”誇りある戦闘のスペシャリストなら誰でも持っている”スーパーショットガンだ。

 特に目を引くのはスーパーショットガンに取り付けられた「Meat Hook」だ。敵に打ち込むことで一直線にそこまで移動したり、空中に浮かぶ敵に打ち込んで空を飛ぶように移動することも可能だ。最初にその能力を披露した瞬間、QuakeConの会場からは大きな歓声が沸き起こった。

至近距離で絶大な威力を発揮するスーパーショットガンに一気に距離をつめるためのフックを取り付ける。こんな悪魔的なことを考えついた開発者はデーモンに一体どんな恨みがあるのだろうか。
(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 このMeat Hookや、新たに導入された地上空中を問わずに連続して最大2回行えるダッシュ、マップに配置されたポールを使った移動、そして『DOOM』からおなじみのダブルジャンプを組み合わせることで、プレイヤーは前作以上に多層的になったマップを三次元的に自由に移動できるようになるだろう。
 また、ダッシュが導入されたことで前作の不満のひとつだったデーモンに接近されたときの緊急回避がない点が解決され、さらに戦闘を深化させる要素となることが予想される。

 スーパーショットガンだけではなく、『DOOM Eternal』に登場する武器は前作から多くの武器が引き続き登場しているが、大小さまざまな変更が加えられている。大きな変更が加えられたことがわかるのがバリスタショットガンだ。
 バリスタは前作ではガウスキャノンと呼ばれていた武器だが、爆発性の弾丸を発射できるようになっている点が変更されている。ショットガンは前作同様、爆発性の弾丸を発射するMODのほか、弾丸を連射するMODが新たに採用されて、より凶暴性を増している。
 ヘビーアサルトライフルは今作ではヘビーキャノンに置き換えられているが、ズームで攻撃力が増すなど、基本的には同じ用途の武器に見える。ほかの武器と同様、MODが変更されているのかもしれない。

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより。)

 ロケットランチャーとプラズマライフルは前作からデザインが変更されていることが確認できる。特にプラズマライフルは1990年代の『DOOM』シリーズに近しい変更となっており、古参ファンはニヤリとしていることだろう。
 このほかにもショットガンの弾丸やHP回復アイテムなどのモデルも、1990年代の『DOOM』で使用されたモデルとよく似たものに変更されていることがわかる。

 新たに肩に取り付けられたキャノン砲は、前作ではフラググレネードやホログラムのようなリチャージ可能なガジェットから置き換えられたようだ。
 ゲームプレイ動画ではグレネードランチャーだけではなく、火炎放射器として敵を焼き尽くす様子を見ることができる。

(画像はDOOM Eternal公式サイトより)

 新要素はこれだけではない。グローリーキルは腕に取り付けられたナイフによってさらに残酷さを増している。
 デーモンの胸から頭を切り裂き、首をはね、袈裟懸けにまっぷたつにする。新たなグローリーキルが披露されるたびに、QuakeConの会場からは大きな歓声が沸き起こっていた。

 また武器として使用できるかどうかは不明だが、Phobosマップでは戦艦に設置された巨大なレーザー砲「BFG10000」が披露されている。
 余談だが、Phobosマップでは戦艦を守るBFG10000に比べると小さめな砲台も見ることができ、『QUAKE II』や『QUAKE 4』で登場したBIG GUNによく似た姿に懐かしさを感じるファンもいるかもしれない。

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 ゲームプレイ映像の最後では、『Doom3』とその拡張版から約15年ぶりに姿を現したArch-vileが登場し、『DOOM』でハイデン博士に奪われた大剣The Crucibleを持ったDoom Slayerが斬りかかるシーンで終わっている。

 The Crucibleは若干デザインに変更が加えられており、剣には新たにDoom Slayerを示すルーンが刻まれていることが確認できた。

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 Eurogamerのインタビューでは、The Crucibleがボス戦のような限定的な場面でしか使えないのか、あるいはゲーム中どこかで自由に使えるようになるのかという質問に対し、開発陣は詳細を濁しながらも「満足のいく方法で使うことができる」と答えている。

新たなマルチプレイ要素判明。シングルキャンペーン中にほかのプレイヤーが襲い掛かる

 Hell on Earthマップのラストシーンでは「INVASION」と表示され、プレイヤー名のタグが表示されたデーモンたちが登場する。
 『DOOM Eternal』では、ほかのプレイヤーがデーモンとして襲い掛かってくる、『Dark Souls』の「闇霊」のようなシステムが新たに搭載される。

 プレイヤーはシングルプレイキャンペーンをプレイするにあたり、単独、あるいは複数で「Slayer Hunt Party」を組んで、ほかのプレイヤーのシングルプレイキャンペーンを侵略することもできる。
 ほかのプレイヤーに邪魔されたくなければ、このシステムを使わずにゲームを遊ぶこともできる。おそろしきデーモンとなってDoom Sayerの前に立ちふさがるのか、あるいはDoom Slayerに狩られるか弱いデーモンとなるのかは、プレイヤーの腕次第といったところだろうか。

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 Eurogamerのインタビューではさらに、このシステムは『DOOM Eternal』の体験を台無しにする要素ではなく、ゲームの体験をよりエキサイティングにするものだと開発陣は説明している。
 プレイヤーにはできる限りこのシステムを切らずにゲームをプレイしてほしいそうだ。たとえば、ただゾンビが徘徊しているだけの廊下が、このシステムによってどこにモンスターが隠れているかわからないスリリングな体験へと変わるという。

 なお、マルチプレイはシングルプレイキャンペーンへの侵入だけではなく、ほかのものも開発中であるとも答えている。
 詳細は明らかにされてはいないものの、思うようにプレイヤーを獲得することができなかった『DOOM』のマルチプレイ対戦モードとは違ったものを用意するということだ。

力だけじゃない。会場を笑わせたちょっとダークなコメディ要素

 「Phobos」マップは『DOOM』では数少ない、まだ生きている人類が登場する宇宙戦艦内の姿が披露されている。映像はDoom Slayerが艦内の指令室のような場所を歩くところからスタート。印象深いのが、ゲーム内にいる船員たちの驚きようだ。
 一様に主人公を見ては怯える姿からは、少しコメディ的な雰囲気すら感じる。特にカードキーを持ったクルーは、今後カードキーを首から下げることはやめようと思ったことは想像に難くない。 この一連のシーケンスには会場からも笑い声が聞こえた。

このシーンを見たファンは主人公がいつカードキーを首ごと引きちぎるかドキドキしながら見ていたのではないだろうか。
(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 ほかにも「Hell on Earth」マップでどこからか聞こえてくる「Remember, ‘demon’ can be an offensive term. The preferred term is mortally-challenged.」(覚えておいてください。「デーモン」という言葉は差別用語になりえます。「mortally-challenged」と呼ぶのが好ましいです。)というアナウンスでも観客からは少しばかりの笑い声が漏れていた。

気になる要素はまだまだ多い。ゲームプレイ映像から見えた新要素、SnapMap、そしてDLC

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 ゲームプレイ映像で気になったのはマップの右上に表示されたDemonic Coruptionメーターだ。

 これに関しては特に言及されていない。ただのマップ進行度を示す物に過ぎないのか、あるいはもっと深いシステムになるのかもしれない。

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 上の写真にあるアイテムは、死亡した際に瞬時に復活できるエクストラライフだ。『DOOM』のアーケードモードで取り入れられたアイデアだが、専用のモデルが用意されてシングルキャンペーンに登場するのは本作が初めてになる。

 1度死んだらゲームオーバーになる『DOOM』のアーケードモードでは、エクストラライフは持っていればチェックポイントからやり直すことができた。
 『DOOM Eternal』では、このアイテムを手に入れればゲーム内で死亡してもチェックポイントからの復活とはならず、その場ですぐに復活できるようだ。

2016年に発売された『DOOM』のSnap Map。

 なお『DOOM』のマップエディタであるSnapMapは、『DOOM Eternal』では現時点では導入が予定されていない。
 Q&Aセッションにてid SoftwareのMarty Stratton氏はSnapMapが本当に好きだとしながらも、ファンからあまり評価されないことも理解しており、SnapMapの代わりに要望の多かったシングルプレイDLCに力を入れていく予定だと伝えている。

 また音楽は『Wolfenstein: The New Order』『Killer Instinct』、そしてもちろん『DOOM』で音楽を担当したMick Gordon氏が引き続き担当する。Gordon氏はVGRでのインタビューで前作を踏襲した曲作りが重要だと答えている。

新たなロケーションも登場。新たなエンジンが描く「DOOM ユニバース」とは

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 「我々はただ『DOOM』というゲームを作っているのではなく『DOOM』という世界を作っている」と基調講演で紹介されたこの青と灰色の世界は、これまでの『DOOM』では見られなかった雰囲気のマップだ。
 Eurogamerのインタビューでは質問者の「もしかしてここは……地獄の反対?」という質問に対し、「この場所は実際に『DOOM Eternal』をプレイして確認してほしい」と開発陣は答えている。そしてただひとつ言えることは、ここは地獄ではないそうだ。

 GameInformerのインタビューでは、ゲームには平均的なプレイヤーが何を感じるかというAストーリー、そしてなぜあのキャラクターはこういう話をするのだろうかといった全体を通しての文脈を設定したBストーリーがあると説明し、『DOOM』という世界を作るとはどういうことかを説明している。
 『DOOM』ではゲーム内に散らばるコーデックスでバックグラウンドやストーリー、つまりBストーリーを補強していたが、すべてのプレイヤーがそれを探し回るわけではなかった。世界を構築するのであればプレイヤーを今までにない場所へと連れていくことが必要だとし、『DOOM Eternal』ではAストーリーの強化に力を入れるという。

 たとえば、新たに追加された武器であるバリスタは見た目はボウガンのようで、SFな見た目をしたものが多い『DOOM Eternal』の武器の中では少しレトロな外観をしている。「この武器はどこで作られ、そしてプレイヤーがその作られた場所に行くことはできるだろうか?」。
 バリスタを見てそういった感想をプレイヤーが抱く。ただ素晴らしいコーデックスを作るだけではなく、武器、デーモン、ロケーションといったプレイヤーの目にするものが世界に深みを与え、エキサイティングな経験を作るという。

※これらを描く新エンジンid Tech 7は、id tech 6と比べて10倍のジオメトリーを描くことができる。『DOOM(2016)』で使用されたid tech 6では、グラフィックスAPIをOpenGL 4.5かVulkanから選べたが、id Tech 7ではVulkanのみがサポートされるという。

 これまでにない新たなロケーションも公開され、『DOOM』ユニバースという壮大な話が行われる中、筆者はひとつ気になるものを発見した。
 下記のスクリーンショット画面中央上部のデーモンの姿をかたどったようなレリーフだ。

(画像はYoutube | DOOM Eternal Official Gameplay Revealより)

 思えば今回発表された『DOOM Eternal』で追加される過去の『DOOM』シリーズからのモンスターは、Arch-vileやPain Elemental、Arachnotronなど『DOOM II』にて登場したものが多かった。新たな姿となったMancubusも、鎧に身を包んだ前作までの姿ではなく、ほとんど裸で『DOOM II』を強く意識した意匠になっている。
 『DOOM』でも姿を見せていたが、もしかすると『DOOM Eternal』では『DOOM II』に登場したこのアイコンによく似た“アイツ”と戦うことがあるのかもしれない。

 『DOOM Eternal』の対応プラットフォームはPC/PlayStation 4/Nintendo Switch/Xbox One。前作では後日移植という形になったNintendo Switchバージョンも初めからリリースが予定されている。
 Nintendo Switchは前作同様、Panic Buttonが移植を担当し、30fpsで動作することを目標としている。ほかのプラットフォームは60fpsが目標だ。

 発売時期は残念ながら発表されなかったが、こんな素晴らしいゲームプレイ映像を見せつけられてしまうと否応なく期待が高まる。今後発表される続報を心待ちにしたい。

文/古嶋 誉幸
編集/ishigenn

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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
編集
ニュースから企画まで幅広く執筆予定の編集部デスク。ペーペーのフリーライター時代からゲーム情報サイト「AUTOMATON」の二代目編集長を経て電ファミニコゲーマーにたどり着く。「インディーとか洋ゲーばっかりやってるんでしょ?」とよく言われるが、和ゲーもソシャゲもレトロも楽しくたしなむ雑食派。
Twitter:@ishigenn
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