プラモ愛が高まりすぎたゲーマー、遂にリアルで戦闘開始する→大量の資金を遣い、コトブキヤ社員を巻き込んで自作ミニチュアゲームで決戦【写真あり】

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 いま模型界隈で一際注目を集めるメーカーがある。『アーマード・コア』や『スーパーロボット大戦スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS』などのプラモデルを手掛けるコトブキヤだ。

 同社はフィギュアからアニメグッズまで様々な商品を手掛けているが、特に最近話題なのは『フレームアームズ・ガール』だろう。

(画像はコトブキヤ公式サイトより)

 同シリーズはロボットプラモデル『フレームアームズ』を擬人化した美少女プラモデルで、2017年4月にはTVアニメ化を果たし、多くの各模型取扱店で関連商品の完売が相次いだ。

 そんなコトブキヤが『ヘキサギア』という新シリーズを2017年8月にリリースした。コトブキヤのプラモデルはカスタマイズ性が異様に高いが、『ヘキサギア』は“スクラップ&ビルド”をコンセプトにしており、ブロックトイとしても高い完成度を誇っている。

(撮影:ホットケノービ

 具体的には、パーツ+パーツ=ブロック、ブロック+ブロック=フレーム、フレーム+フレーム=素体、素体+装甲&武器=機体という階層に分かれており、構築は六角型の汎用ジョイント群で構成。これにより、自由度の高いカスタマイズを無改造で楽しむことができるのだ。

 本稿は、そんな『ヘキサギア』を使って、アナログゲームの一種である“ミニチュアゲーム”をプレイしてみようという、ちょっと風変わりな企画である。

取材、文/傭兵ペンギンクリモトコウダイ
撮影/ホットケノービ、編集部


当日は、ブルース・リーのモノマネが得意(!)なコトブキヤ営業部・岩崎真吾氏(写真左)と『ヘキサギア』のプロデューサー・亀山直幸氏(写真右)に参加いただいた

なぜゲームメディアがゲームを自作することになったのか

 そもそもの発端は、筆者(以下、傭ペン)と電ファミニコゲーマーの編集者が交わしたこんな会話から始まった。

今度コトブキヤから発売される『ヘキサギア』って知ってます?

組み替えて遊ぶプラモですよね。

電ファミで紹介したいと思うんですけど、どうっすかね?

うちはゲームメディアなんで、ゲーム以外はちょっと……あ! いいこと思いついた。実はアナログゲームの記事を増やしていきたくて、特にミニチュアゲーム【※】をもっと広めたいと思っていたんですよ。

※ミニチュアゲーム
兵士や兵器を象ったミニチュア(模型)を使って対戦する、欧米を中心に大きな市場を持つアナログゲームのひとつ。デジタルゲームでは攻撃の成否などは自動で処理されるが、ミニチュアゲームでは、ダイスを使ってプレイヤー自らがアナログに処理する。

なるほど。『ヘキサギア』でミニチュアゲームを作れば、どっちの紹介もできて一石二鳥なわけか。

そうそう! しかもこのカスタマイズ性ですよ……これってつまり、“俺が考えた最強のロボット”が作れるわけじゃないですか。

(画像はコトブキヤ公式サイトより)

さらに言えば、「ヘキサギア」にまたがる「ガバナー」はアクションフィギュア並のポーズを取らせることができ、全長7cmほどなので扱いやすい……。

(撮影:ホットケノービ

つまり! 相性は抜群ということですよ!! しかもですよ? 普通プラモって作ったら終わりじゃないですか……でもそこにゲームのルールがあれば、まだまだ遊べちゃうんです。プラモに新しい付加価値を付けられると思いませんか?

よし作りましょう!

 

 

 ……かくして我々は、『ヘキサギア』のミニチュアゲームを作ることになったのだ。

 とはいえ、ゲームメディアでプラモを紹介するためにゲームを自作するなど聞いたことがなく、費用も通常の記事以上に掛ってしまう……のだが、

「ゲームメディアでミニチュアゲームがあまり取り上げられていないため、我々がやるべきなんです!」

 

「ミニチュアゲームは敷居が高く、何かフックが必要ですが、タイミングよく『ヘキサギア』という商品がリリースされます!」

 と偉い人に企画書をぶつけたところ、なんとGOサインが出た。

 また時を同じくして、『ヘキサギア』を手掛けるコトブキヤにゲームを作る許可を貰いに行ったところ、「いいですね! ちょうどアナログゲーム的な遊び方もできるように、台座【※】の企画をしていたんですよ」と、プロデューサーである亀山直幸氏から快諾と、全面協力を得て、実現に至ったのだ。

亀山直幸氏

※台座
ミニチュアゲームはミニチュアを動かして遊ぶ関係上、台座があったほうが安定するので遊びやすい。今回は新製品のミニフライングベースのテストショットを使用させてもらった。テストショットなので肌色だが、本来はクリアカラーが販売される。

 ゲーム化に際しては、『デッドラインヒーローズRPG』『ガラコと破界の塔』といったTRPGを手かげている長田崇氏(@Garrotte2000)にデザイン協力を依頼。『ヘキサギア』のプラモデルをユニットと武器に分類し、それらに性能を設定。オリジナルの機体を創造したり、自分だけの部隊を編制してもデータを基に対戦できる設計にしている。

(撮影:ホットケノービ

 また、撮影は「オモ写」でSNSで国内外で話題のオモチャ撮影の名手・ホットケノービ氏(@hotkenobi)に依頼し、一部ではあるが撮影をお願いした。

 「ゲームにかこつければ問題ない!」という発想から始まった本企画だが、無事にゲームのテスト版が完成。コトブキヤ本社でテストプレイを行う運びになったので、『ヘキサギア』とミニチュアゲームの魅力を伝えるべく、ゲームプレイの様子をお届けする。

※クリックすると拡大表示されます

まずはセッティング〜『ヘキサギア』の世界観

コトブキヤ本社の会議室にて、マップのセッティング中

既に結構な迫力ですね……。

あれ、ミニチュアゲームといえば、メジャーを使って距離を測って遊ぶのが一般的ですが、今日はマスでやるんですか?

今回は六角形がモチーフのヘキサギアということでヘクス(六角形)が描かれたマップを採用しました。移動も1マス2マスって計算します。

※今回ゲームに使っている地形の一部は100円ショップ等で手に入るものに加え、立川のミニチュアゲームショップの「B2F Games」さんからお借りした4ground社のMDF製ミニチュアゲーム用テレインを使用している。またマップの印刷は同じく立川のタチキタプリントさんでお願いした。(編集部注)

やっぱり六角形はかっこいいんですよね。

『スパロボ』みたいな感じですね。ちなみにチーム分けはどうしましょうか。

4人いるので、2対2に分かれましょうか。『ヘキサギア』の世界では、「リバティー・アライアンス」「ヴァリアントフォース」という2陣営が対立しているので丁度いいですね。

「リバティー・アライアンス」(写真左)と「ヴァリアントフォース」(写真右)
(撮影:ホットケノービ

2陣営……亀山さん説明をお願いできますでしょうか。

「ヴァリアントフォース」は球最大規模を誇る軍産複合体「MSG」が擁する軍事機関で、再生型エネルギーパック「ヘキサグラム」を最初に生み出した組織です。彼らは人類を情報体に変換し保存する「プロジェクト・リジェネシス」を掲げる人工知能「SANAT」によって支配されています。それに対抗すべく立ち上がった複数企業からなる同盟軍が、「リバティー・アライアンス」です。

なるほど。AI vs レジスタンス的な感じなんですね。では我々は「ヴァリアントフォース」を担当しましょうか。

(撮影:ホットケノービ

ゲームで活躍するユニットを一挙紹介

ゲームを開始する前に、各ユニットを見て行こうと思います。我々「ヴァリアントフォース」側のユニットは……「パラポーン・センチネル」(以下、センチネル)と「ボルトレックス」の2種類ですか。

「パラポーン・センチネル」
(画像はコトブキヤ公式サイトより)

「センチネル」は、MSGの軍事組織「ヴァリアントフォース」に所属する兵士達です。元々は「アーマータイプ:センチネル」と呼ばれるガバナー用の強化装甲服を装着していましたが、戦闘で肉体を損傷していくうちに体を人工物に置換していった結果、体の全てを人工物に置換し意識すらも情報体としてダウンロードされた存在――それが「パラポーン」です。

おや? 何やら色の付いた「センチネル」がいますが……。

装備の一部が赤く塗られているセンチネル……?
(撮影:ホットケノービ

今回使っているキットは、いわゆる素組の状態なんですが、せっかくなんで私の方で塗っておきました!

いつの間に(笑)。一色入れるだけでだいぶ印象が変わりますね。

ちなみに、彼の名前はボグダノフ。味方からも「赤い猛牛」として恐れら……(以下、紙面の都合で省略)

長いわ!!

ミニチュアゲームはこういう“自分だけの部隊”を設定できるのが面白いんですよ!

では「ボルトレックス」も見てみましょう。これが「ヘキサギア」ってやつですよね。

「ボルトレックス」
(画像はコトブキヤ公式サイトより)

そもそも「ヘキサギア」とは、資源が枯渇した未来で旧来の機械にとって変わった動力付きの大型機械です。先ほど出てきました「ヘキサグラム」を介してフレーム同士を組み合わせることで、多彩な機能を得ることができます。ちなみに、搭乗者のことをガバナーと言います。

※「ボルトレックス」と「インパルス」(後述)には、高速走行形態“ビークルモード”と格闘形態“ゾアテックスモード”という2つのモードがあり、駆動系をコンバートすることで変形することができる。「ボルトレックス」を乗りこなすパラポーン・センチネル。(編集部注)
(画像はコトブキヤ公式サイトより)

なるほど、なるほど。

その中でも「ボルトレックス」は、全地形対応を目指して開発された汎用型ヘキサギアです。射撃プラットフォームとして高い信頼性を誇り、性能とコストのバランスに優れています。実は、「ボルトレックス」はリバティー・アライアンスに参加する「アースクライン・バイオメカニクス」という企業が開発・製造を行っていました。しかし、「SANAT」が行った初期の電子戦を防ぐことができずに工場ごと奪われており、その大半がヴァリアントフォースによって運用されています。

恐るべしAI……。というか、設定がプラモデルの域を超えていますよ(笑)。

『ヘキサギア』の設定については私を始め相棒である設計士の桑村が制作していますが、注意しているのはユーザーが自身を投影するにあたって、自分だけのオリジナルストーリーが作りやすいような世界観を目指しました。

機体だけではなく、ストーリーも作ってほしいと。

下地になる部分、例えば用語や陣営のエンブレムなど商品とは直接関わりの無い部分まで作り込むことによって、より深い没入感が得られると考えています。

逆に、オリジナルで楽しむなら細かな設定はない方がいいという方もいそうですが。

そういう方もいるかもしれませんが、キャッチコピーに「スクラップ&ビルドや破壊も創造もすべておまえが決めろ……」という言葉を用意したのは、商品仕様だけでなく世界観についても同様です。

あー、なるほど!

使いたい設定だけ楽しんでもらって、気に入らない設定は無視して自分だけの世界を構築してもらえれば良いと考えています。というわけですので、公式での設定は私たちが考えたオリジナルストーリーなだけなので自由に楽しんでください。

インタビューみたいになってしまいましたが、続いては「リバティー・アライアンス」側のユニットを見ていきましょうか。「リバティー・アライアンス」でいう「センチネル」が、「アーマータイプ:ポーンA1」(以下、ポーン A1)ですよね。

「アーマータイプ:ポーンA1」
(画像はコトブキヤ公式サイトより)

「センチネル」は人だったり機械だったりしますが、「ポーン A1」とは強化装甲服の名称で、中身は生身の人間です。ヘキサギアに搭乗するガバナーの大部分が、この装甲服を着用します。

基本的にはセンチネルと大差なさそうですが、武器が違いますね。

「センチネル」は盾・アックス・ショットガンで、「ポーン A1」はソードとライフルを装備しています。

(撮影:ホットケノービ

「ポーン A1」にも色付きがいますが……。

装備が青く塗られた「ポーン A1」……?
(撮影:ホットケノービ

これも私が塗っておきました。最前線で戦いを指揮しながら様々な修羅場をくぐり抜けてきた古参兵カラベキアンで……(以下、紙面の都合で省略)。

 

ありがとうございます(笑)。そして「レイブレード・インパルス」(以下、インパルス)ですが。

(撮影:ホットケノービ

「インパルス」は強襲用高速戦闘ヘキサギアで、ヘキサグラムに再生不能な負荷をかけて起動する溶断破壊兵器「レイブレード」は、あらゆるものを切断します。ただ、運動性が高すぎるため扱いが困難で、継戦能力にも欠けます……が、その特性を理解した作戦と組み合わせることで、驚異的パワーと圧倒的スピードを発揮します。

さて、一通り紹介が終わったところで、いよいよゲームの開始です。本作では1プレイヤーにつき、ガバナー4、ヘキサギア1体を操ります。

(撮影:ホットケノービ

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