疫病はびこる街で生き残りを目指すロシア産カルトオープンワールドサバイバル『Pathologic 2』トレイラー公開

 オープンワールドサバイバルゲーム『Pathologic 2』のアルファ版ティーザートレイラーが、現地時間8月31日から始まるPAX West開催に合わせて公開された。

 『Pathologic 2』は、疫病により深刻な被害を受けた街を舞台にしたオープンワールドサバイバルスリラーだ。
 プレイヤーは医師としてこの街で12日間を生き残ることを目指し、その過程で父親を殺した人物やこの疫病の原因といわれる双子を探していく。
 崩壊した社会では、一見すればお互いが不利益を被る「Lose-Lose」になるような難しい選択を迫られる。疫病は単純に治せる病気ではなく、プレイヤーはすべてを救うことはできないのだ。

 トレイラーでは崩壊した社会やその街で生きる奇妙な人々が映し出されており、病原菌を焼いて疫病を防ぐためだろうか、ライフルだけではなく火炎放射器を装備した兵士の姿や、奇抜な姿で動物の仮面を被って町を徘徊する人々の姿も見られる。また、オープンワールドゲームらしく敵味方ふくめたさまざまなNPCとの会話シーンや、倒れた人を治療するシーンも描かれている。戦闘では主人公はナイフに加えてライフルも使用しているが、前作同様、戦闘は極力避けるべきものとしてゲームはデザインされているようだ。

(画像はYoutube | Pathologic 2 PAXWest Teaserよりキャプチャ)

 本作はもともと2005年に発売された『Pathologic』のリメイクプロジェクトとしてオリジナルバージョンのデベロッパーであるIce-Pick Lodgeが2014年にKickstarterで開発資金を募り、資金調達に成功したという経緯がある。

 リメイクとして作られていただけに、オリジナルバージョンの『Pathologic』も『Pathologic 2』のゲームプレイと大筋は同じだ。プレイヤーは主人公である3人のキャラクターからひとりを選び、「砂の疫病(Sand Plague)」と呼ばれる疫病で崩壊した街で12日間生き抜くことを目指す。3人のキャラクターは能力やバックグラウンドが異なり、同じ事件をそれぞれ別の視点で見ていくことになる。ゲームは1日にひとつ与えられるメインミッションと、街のNPCから受けるさまざまなサブミッションをこなしながら進む。特にメインミッションの成否はプレイヤーの生死にかかわるが、たとえクリアしなくとも時間は進んでいく。

(画像はPathologic | Pressより)

 そしてこのリメイクバージョンである『Pathologic 2』では、オリジナルの『Pathologic』の持つ雰囲気やストーリー、中核となるアイデアを残しながら現代的なゲームへとアップグレードすることが約束されている。

 まず大きな変更はクエスト。ゲームの持つ雰囲気はそのままだが、不要なものを整理しつつ、さまざまな新しいクエストが盛り込まれている。もちろん、グラフィックは2005年当時のものとは比べ物にならない程のものにアップグレードされている。Ice-Pick Lodgeは「10年後に見ても適切に見えるようなグラフィック」にするとしている。
 また、ゲームプレイはバランスが再調整されている。これはオリジナルバージョンより簡単で生存が楽になるという意味ではなく、単調だった戦闘や簡素だった収集、そしてシステムとして弱かった疫病に侵された街の経済を刷新するということだ。これによりゲーム全体をよりリアルなサバイバルゲームにすることを目標としている。

 街を歩くエキストラとしてのNPCは人間味を増し、より生き生きとした行動をとるようにAIもアップグレードされる。プレイヤーと街の人々をむしばむ疫病は、オリジナルバージョンでは感染と免疫のふたつのパラメータで制御されていたが、本作ではもっと現実的な方法で広がりを見せるという。また、『Pathologic』の英語版は、オリジナルであるロシア語版に比べてひどい翻訳で評価を落とすことになった。リメイクバージョンはローカライゼーションを見直し、社内やネイティブスピーカーの意見を聞くだけでなく、実力のある作家の手を借りて行われる。

 さらにKickstarterではストレッチゴールを達成しており、街にさらなるディテールが加味され、抜け道や隠れ家が追加されることになっている。 

(画像はPathologic | Mediaより)

 Kickstarterの後、2015年に別の作品である『Pathologic Classic HD』が、2005年のオリジナルバージョンのリマスターとして発売される。これにより当初進められていたリメイクプロジェクトは、オリジナルバージョンの設定を引き継ぎながらもまったく新しい作品である正式な続編として、『Pathologic 2』と名前を変更して発売されることになった。なお、2016年に公開された『Pathologic: The Marble Nest』は、本作のプレアルファデモという位置づけだ。

 このように本作を取り巻く状況は少々混沌としているが、リメイクプロジェクトとして約束されたゲームバランスの調整や新たなコンテンツの追加などは、すべてこの『Pathologic 2』に引き継がれている。

※『Pathologic 2』を開発中のIce-Pick Lodgeがかつて手がけた『The Void』のトレイラー。とかく不可思議でダークな世界観を描写することを得意としていることがわかる。

 本作の開発を手掛けるIce-Pick Lodgeは、2005年の『Pathologic』や2009年の『The Void』など、カルト的な人気を誇るゲームを開発してきたロシアのデベロッパーだ。従業員は17名と規模は小さめだが、2005年の『Pathologic』から4本のゲームをPCやPlayStation 4 でリリースしている。

 今回映像が公開された同作のアルファ版は、まず80ドル以上を払ったKickstarter支援者向けに今月中に配布される予定だ。その後45ドル以上を払った支援者に配布され、最終的に公式ページにて登録した人にも配布されるとのこと。『Pathologic 2』は2018年にPCだけでなく、PlayStation 4とXbox Oneでも発売が予定されている。

文/古嶋 誉幸
編集/ishigenn

ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
編集
ニュースから企画まで幅広く執筆予定の編集部デスク。ペーペーのフリーライター時代からゲーム情報サイト「AUTOMATON」の二代目編集長を経て電ファミニコゲーマーにたどり着く。「インディーとか洋ゲーばっかりやってるんでしょ?」とよく言われるが、和ゲーもソシャゲもレトロも楽しくたしなむ雑食派。
Twitter:@ishigenn
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
電ファミのDiscordでこの記事について語ろう!

関連記事

SNSで話題の記事

新着記事

新着記事

連載・特集一覧

カテゴリ

ゲームマガジン

関連サイト

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ