『Quake』のMod開発者から本職のコーダーの道へ進んだリッチ・ホワイトハウス氏は、ロボット掃除機「ルンバ」の走行データから『DOOM』のマップを自動生成するスクリプト「DOOMBA」をリリースした。数百ものモデルや画像、アニメーションフォーマットをプレビューし変換するツール「Noesis」上で利用できる。
つまり「DOOMBA」を利用すれば、あなたの家を自動で『DOOM』のマップに変換できるということだ。
DOOMBA: Turn your Roomba's Clean Maps into DOOM maps! https://t.co/FEgu03Nx5u #doom #DOOM25 @romero @ID_AA_Carmack pic.twitter.com/OmDL2CJuXw
— Rich Whitehouse (@DickWhitehouse) December 24, 2018
ホワイトハウス氏は「ルンバ980」しか所有しておらず、他のシリーズや型番のルンバでのテストは出来ていないという。おそらく動作するのは、カメラと各種センサーを駆使したナビゲーションシステム「iAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーション」を利用し清掃したルームデータを生成できる「ルンバ900」シリーズになると思われる。
なお、このルームデータの生成システムは、「顧客のルームデータを他社に提供する可能性」があると販売するiROBOTが発表し、物議を醸すこととなった。そんな騒ぎをよそに、ホワイトハウス氏はそれを利用して『DOOM』のマップを作り出すという奇想天外なアイディアを思いついた。
「DOOMBA」を利用するにはまず「Noesis」をダウンロードし、「DOOMBA」スクリプトを手動でコピーする必要がある。ソフトは同じLANネットワーク内に接続されたルンバを自動的にスキャン、ルンバからパスワードを入手する方法が指示される。認証をすませば、ルンバを使って部屋のデータを取得できる。
データを取得した後はゲームのパラメーターを設定し、『DOOM』用マップが自動的に生成される。
ホワイトハウス氏が「DOOMBA」の制作を思いついたのは11月のことだったという。「ルンバ900」シリーズに搭載されたカメラを用いてマッピングおよびナビゲーション情報を記録する「vSLAM」技術から、どのようなデータを取得できるか興味を持ったという。
また今年は『DOOM』25周年の記念すべき年であり、氏が信奉する「ダークロード」への奉仕の絶好の機会として、「DOOMBA」を捧げることにしたそうだ。そして同時に、タチの悪い冗談として人々を悩ますことができるだろうとしている。
ホワイトハウス氏は、このツールが無意味だと感じる人もいるだろうとしながら、「ダークロード」がそういう人々は地球から一掃し、永遠の地獄の炎の中に閉じ込めるだろうと確信していると書いている。
クリスマスに自宅を地獄にしたい方、あるいは年末の大掃除から目を背け、部屋から地獄のモンスターたちを掃除したいと考えるルンバユーザーの方は、ぜひこの「DOOMBA」で自宅を地獄に変えてほしい。
文/古嶋誉幸