インディーゲームのパブリッシングを手がけるFellow Travellerは、2月7日に発売予定のアドベンチャーゲーム『The Stillness of the Wind』のローンチトレイラーを公開した。
本作は、インディーゲームの販売やダウンロードを行えるプラットフォーム『itch.io』で配信され好評価を受けた無料ゲーム『Where the Goats Are』のフォローアップ作品で、オリジナルのコンセプトをそのままに寒村で独り晩年の時を過ごす老婆の日常を描いている。
プレイヤーが追体験するのは、人々が都市部へ移り住み無人と化した寒村で一人暮らしを続ける老婆のTalma。
ヤギを飼育して乳からチーズをつくったり、ニワトリが産んだタマゴを集めたり、畑を耕して野菜を育てたり、作物を狙う鳥を追い払ったりと、穏やかでありながらも無常の晩年は、自給自足という小さなサバイバルの繰り返しだ。
彼女が唯一言葉を交わすのは、定期的に都市部からやってくる行商人のみ。ヤギの乳から作ったチーズをはじめ、手持ちのアイテムを家畜の飼料や作物の種、ショットガンの弾といった物資と交換してくれる。
また、行商人は都市部へ移住した家族や友人からの手紙も届けてくれる。田舎暮らしを過去として懐かしむ彼らの言葉は、現在として生きる彼女にどう響くのか。プレイヤーが言葉に触れるのはこの時だけである。
静かな晩年をどう過ごすのかは、完全にプレイヤーの自由だ。雑務に追われるもよし、あてもなく砂漠をさまようもよし、過去の回想に浸るもよし。何をして過ごそうと夜の帳は下り、そして陽はまた昇る。
しかし、その先には必ず終わりが待っている。そこにあるのは、誰もがいずれ振り返るであろう人生と喪失というテーマだ。
老後シミュレーター『The Stillness of the Wind』は、Steamおよびitch.ioでPC向けにリリースされるほか、Nintendo Switch版とiOS版も発売される。作品のコンセプトを手軽に体験してみたいユーザーには、無料版の『Where the Goats Are』をプレイしてみることをおすすめする。
ライター/Ritsuko Kawai