いま読まれている記事

30年以上前に発売された『DAIVA』シリーズがパッケージで復刻。複数のプラットフォームで異なる物語が描かれたSFゲーム意欲作

article-thumbnail-190304d

 D4エンタープライズは、2003年に発売した『DAIVA CHRONICLE』に新たな特典を追加して、『ACTIVE SIMULATION WAR DAIVA CHRONICLE RE:』として発売することを発表した。価格は税別9801円で、発売日は2019年9月。

 また合わせて、D4エンタープライズがT&E SOFT、クリスタルソフト、システムサコムなどから発売されたゲームの権利を取得したと発表した。

 1986年から87年にかけてT&E SOFTが発売した『DAIVA』シリーズ。ウォー・シミュレーションとアクション・シューティングが並存してあり、当時は「アクティブ・シミュレーションゲーム」と題されていた。本作の最大の特徴は、全7作品がそれぞれ違うプラットフォームで展開され、ストーリーがしっかりと関連性を持っていたこと。プラットフォームは、PC-8801mkIISR、X1、MSX、ファミコン、PC-9801VM/VXなど多岐に渡り、現在でもオリジナルの形でプレイするのは非常に困難なゲームだ。

30年以上前に発売された『DAIVA』シリーズがパッケージで復刻。複数のプラットフォームで異なる物語が描かれたSFゲーム意欲作_001
(画像はProject EGG | ディーヴァより)
30年以上前に発売された『DAIVA』シリーズがパッケージで復刻。複数のプラットフォームで異なる物語が描かれたSFゲーム意欲作_002
(画像はProject EGG | ディーヴァより)

 それが2003年に全機種版がすべて収録されて『DAIVA CHRONICLE』として、D4エンタープライズ(当時はボーステック)が運営するプロジェクトEGGから発売。マニュアルの復刻や、「T&Eマガジン」に掲載された開発裏話をPDFなど、多くの特典を追加してパッケージ販売された。しかし現在では中古では5万円、新品在庫でも20万円近く値段がつくなど、価格が高騰しており入手が困難となっている。

30年以上前に発売された『DAIVA』シリーズがパッケージで復刻。複数のプラットフォームで異なる物語が描かれたSFゲーム意欲作_003
(画像はProject EGG | DIVA CHRONICLEより)

 今回、『DAIVA CHRONICLE』が装いも新たに『ACTIVE SIMULATION WAR DAIVA CHRONICLE RE:』として発売される。もともと『DAIVA CHRONICLE』自体がこだわわりの込められたパッケージだったが、今回はシールの復刻、高画質化、チラシ資料の収録数の増加、ミニポスターの復刻、リバーシブルジャケットなど、さらこだわり抜かれた一品となるようだ。

30年以上前に発売された『DAIVA』シリーズがパッケージで復刻。複数のプラットフォームで異なる物語が描かれたSFゲーム意欲作_004
(画像はProject EGG | ハイドライドより)
30年以上前に発売された『DAIVA』シリーズがパッケージで復刻。複数のプラットフォームで異なる物語が描かれたSFゲーム意欲作_005
(画像はProject EGG | 夢幻の心臓IIより)

 またD4エンタープライズは昨日3月3日に設立15周年にあたり、合わせてT&E SOFT、クリスタルソフト、コスモスコンピューター、システムサコム、キャリーラボのゲームの権利を取得したと発表した。

 同社が運営するプロジェクトEGGでは、アクションRPGの確立に重大な役割を担ったT&E SOFTの『ハイドライド』、国産RPGの先駆的作品であるクリスタルソフトの『夢幻の心臓』シリーズ、ノベルゲームの先駆作ともいえる「ノベルウェア」シリーズや、女性向けゲームの先駆作といえるシステムサコムの『メルヘンヴェール』など、多くがゲームがすでに配信はしているが、正式に権利を取得したことによって、プロジェクトEGG主導で多岐に渡る展開が望めそうだ。

 この権利の取得に伴い、他プラットフォームへの移植・リメイク、音楽CDなどのグッズ展開などを積極的に行うとしており、『ACTIVE SIMULATION WAR DAIVA CHRONICLE RE:』などのように、パッケージが豪華特典を付加して発売することもあるだろう。なかなか敷居が高いレトロPCゲームだが、今回の権利の取得によってより身近になるに違いない。プロジェクトEGGのさらなる発展に期待したい。

ライター/福山幸司

関連記事:

「レベルを上げて物理で殴る」の素晴らしさをゲームデザイナー視点で語ろう。ドラクエで学ぶ「RPGメカニクス」の3大メリット【ゲームの話を言語化したい:第四回】

我々は「感動の時代」を生きている。ゼルダ“以外”のアクションRPG史【ゲーム語りの基礎教養:第四回】

ライター
30年以上前に発売された『DAIVA』シリーズがパッケージで復刻。複数のプラットフォームで異なる物語が描かれたSFゲーム意欲作_006
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ