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Steamに導入されている「ゲーム内強制広告の禁止」ルールが海外報道で大きな話題に。“無理やり視聴させる動画広告”や“画面を広告で隠す行為”はダメ、開発者向けのガイドページ上でOK/NGの例を紹介

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PCゲーム・ソフト販売プラットフォーム「Steam」の運営元・Valve社の導入している「ゲームプレイを制限したり、視聴報酬を与えたりするゲーム内広告の禁止ルール」が海外コミュニティで大きな話題となっている。

本トピックはLinux/SteamOSで動くゲームの情報を提供する海外キュレーター「GamingOnLinux」から発信され、Eurogamergamesrader+などの海外大手メディアが報じている。

Steamの「ゲーム内強制広告の禁止」ルールが海外報道で大きな話題に。無理やり視聴させる動画広告や、画面を広告で隠す行為はダメ_001

報道によると、今回話題となっているルールはSteam公式の開発者向け情報ページ「Steamworks ドキュメント」に記載されており、Steamでサポートされているものとサポートされていないものの区分がいくつかの例とともに紹介されている。

該当ページによれば、Steamではゲーム内の一部に適切なコンテキストで実在のブランドや製品などを登場させる「プロダクトプレイスメント」や、複数の企業・レーベルが絡むバンドルパックの販売やセールを共同開催する「クロスプロモーション」が可能となっている。

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(画像はSteam『JUDGE EYES:死神の遺言Remastered』より)
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(画像はDJMAX RESPECT V – NEXON PACKより)

また、Steamでは外部のページ上に埋め込めるストアウィジェットや、アクセス数・購入数などのデータを計測できる「UTMアナリティクス」も必要に応じて利用可能だ。

一方、海外で話題となっている「サポートされない広告」の項目には下記のような旨の内容が記載されている。

・開発者は、プレイヤーがゲームを遊ぶために広告の視聴やアクセスを要求したり、ゲームプレイを広告の背後で制限したりするなど、有料広告をゲームのビジネスモデルとして利用すべきではありません。
ゲームのビジネスモデルが他のプラットフォームでの広告に依存している場合、Steamでそのゲームをリリースするにはそれらの要素を削除する必要があります。 選択肢としては、買い切り型の「有料アプリ」に切り替えるか、またはゲームを無料プレイにして、マイクロトランザクションやダウンロードコンテンツ(DLC)を通してアップグレードオプションを販売することを検討してください。

・開発者は、ゲーム内で広告を見たり、広告にアクセスしたりすることでプレイヤーに報酬を与えるなど、価値を提供する方法として広告を利用すべきではありません。

・開発者は、Steam 機能へのアクセス料を他の開発者に課してはいけません。これには、セールページ、バンドル、ストアページ、フランチャイズ(シリーズ)ページなどが含まれます。

Steam関連の統計データを独自に収集・分析する外部データベースサイト「Steam DB」は今回報道されたルールについて、少なくとも2020年ごろには有効となっており、最近になって個別のガイドページが作成されたと指摘している。

Valve has created a dedicated page describing that in-game ads or ad-based revenue models are not allowed in Steam games. This has been reported as a new policy, but this has been the case for at least 5 years as seen on the pricing page, there just wasn’t a separate page.

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— SteamDB (@steamdb.info) 2025年2月10日 19:43

本トピックの報道を受けて海外ソーシャルニュースサイトのReddit上では肯定する意見に多くの同意票が集まっているほか、実際に広告の要素を取り入れたゲームをさかのぼっていこうとする様子が見られた。

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(画像はXbox Store『Doritos Crash Course』より)

なかには、「アプリストアのランキング上位を狙い、費用を回収する」目的で無料プレイ形式を選び、ゲーム内広告・ルートボックス(ガチャ)を用いる作品が増えた結果、「有料タイトルが売り込みにくいものになっている」とモバイルゲーム業界の構造を指摘する意見も出ていた。

すでにSteam上では、さまざまなモバイルゲームのPC版が世界各地のスタジオから配信されているが、Valve社は他プラットフォームでの広告に依存していた作品の代替策として、買い切り形式への変更やゲーム内購入/追加コンテンツの販売を提示しているようだ。

ライター
2019年11月に電ファミへ加入。小学生の時に『ラグナロクオンライン』に出会ったことがきっかけでオンラインゲームにのめり込む。コミュニケーション手段としてのゲームを追い続けている。好きなゲームは『アクトレイザー』『新・世界樹の迷宮2』『GTFO』など。
Twitter:@fuyunoyozakura

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