いま読まれている記事

『MOTHER2』英語版は「ユーモアや冗談については、わからない人がいてもいいから、どんどんやろう」という意気込みで翻訳されていた。糸井重里氏と、北米版(EARTHBOUND)の翻訳者による初対談

article-thumbnail-250331t

ほぼ日MOTHERプロジェクトは3月31日、『MOTHER2 ギーグの逆襲(以下、MOTHER2)』を手がけた糸井重里氏と、北米版のローカライズを担当したマーカス・リンドブロム氏による初めての対談「EarthBoundのことば。」の様子を公開した。

本日3月31日より毎日1回ずつ公開され、4月4日公開の第5回まで連載されるとのこと。「ほぼ日MOTHERプロジェクト」公式サイトにて閲覧可能となっている。

「EarthBoundのことば。」は、1994年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『MOTHER2』を手がけた糸井重里氏と1995年に発売された同作の北米版『EARTHBOUND』のローカライズを担当したマーカス・リンドブロム氏が初めて対面し、対談した様子を公開するものとなる。

本日公開された連載第1回では、両者がどのように『MOTHER2』に携わったのかが改めて紹介されるほか、元の文章の面白さを残したままどのようにローカライズしたのかが明かされている。

対談の中でマーカス・リンドブロム氏は『MOTHER2』のシナリオを手がけた三浦昌幸氏と協力し合って翻訳していたと明かし、ユーモアや冗談をどんどん入れ込んでローカライズしていたという。

以下、第1回「EarthBoundのことば。」より一部抜粋。

マーカス
ああ、だからうまく説明してもらえたんですね。
しかも、私もしゃべって、彼がタイピングしたんです!
三浦さんにわからないことを聞くと、
「いやあ、このセリフは、日本人でも全員がわかるわけじゃないよ」
みたいなことを教えてくれて。

糸井
そうですね、そういうところもあると思う。
日本人のなかでも、わかる人にはわかるけど、わからない人もいるだろうなというセリフもあのゲームの中にはけっこう入ってるはずです。

マーカス
それは、ユーモアのことですか?

糸井
そうです、ユーモアのことですね(笑)。

マーカス
三浦さんは、ユーモアや冗談については、わからない人がいてもいいから、どんどんやろうと言ってくださって。
「英語でもどんどんおかしくしていいよ。どんどん変えてたのしくやろう」
と言ってくださいました。

また、第5回までの概要がすでに公開されており、第2回ではゲーム内に登場するとあるセリフ「アルプスのしょうじょ◯◯ジ」を翻訳する際のこと、第3回では流行りの言葉を使わないようにしたことといった話題が展開されるという。

第4回では「ギーグ」や「ポーキー」のつづりの違いや敵キャラクター、「タコ」がなぜ「鉛筆」に置き換わったのかなど、ローカライズにまつわるさまざまなエピソードが。

そして第5回ではローカライズの作業中に生まれたマーカス氏の娘の話、現代のインディーゲームシーンにつながる「マザーライク」についての会話の内容が明かされるとのこと。

糸井重里氏とマーカス・リンドブロム氏の対談は「ほぼ日MOTHERプロジェクト」公式サイトにて閲覧可能だ。

以下、プレスリリースの全文を掲載しています


『MOTHER2』北米版のローカライズを担当したマーカス・リンドブロムさんと糸井重里が初めて話しました。『EarthBound』のことば。本日3月31日より連載スタート。

糸井重里が企画、プロデュースし、シナリオも制作したスーパーファミコン™用ソフト『MOTHER2 ギーグの逆襲』(1994年任天堂株式会社より発売)。この北米版である『EarthBound』(1995年Nintendo of Americaより発売)のローカライズ(英語版の翻訳)を担当した、マーカス・リンドブロムさんと、糸井重里が、2024年の夏の終わりに、はじめて会って話しました。その様子を本日3月31日(月)よりほぼ日MOTHERプロジェクトのページで日本語と英語でお届けします。知らなかったことがいろいろあったようです。

『MOTHER2』糸井重里氏と北米版の翻訳者による初対談の様子が公開_001

日本語:EarthBoundのことば。

https://www.1101.com/n/s/mother_project/marcus_lindblom/index.html

English:The Script of Earthbound

https://www.1101.com/n/s/mother_project/marcus_lindblom_en/index.html

※スーパーファミコンは任天堂の商標です。

掲載予定の概要と公開日時は以下のとおりです。

第1回 1995年のあの日(2025年3月31日午前11時更新)

『MOTHER2』英語版(『EarthBound』)のローカライズを担当したマーカス・リンドブロムさんと糸井重里がはじめて会って話しました。まずは1995年のあの日のこと。

第2回「アルプスのしょうじょ◯◯ジ」は(2025年4月1日午前11時更新)

『MOTHER』ファンには人気の「アルプスのしょうじょ◯◯ジ」のセリフ。これを『EarthBound』ではビートルズの「Yesterday」をつかって見事に翻訳している。しかしじつはこのことばは‥‥。

第3回90年代を感じさせないように(2025年4月2日午前11時更新)

マーカスさんが気をつけていたのは、当時の流行りことばをつかわないようにすること。だからこそ『EarthBound』は長く愛されるゲームになったのかもしれない。

第4回ギーグとポーキーとタコけしマシン(2025年4月3日午前11時更新)

ギーグやポーキーのつづりが違う? 敵キャラクターの名前も? タコがどうして鉛筆に? ローカライズにまつわるさまざまなエピソード。

第5回「マザーライク」へ(2025年4月4日午前11時更新)

連載最終回。ローカライズの作業中に生まれたマーカスさんの娘さんの話。そして現代のインディーゲームシーンにつながる「マザーライク」とは。

©SHIGESATO ITOI / Nintendo ©HOBONICHI

ライター
人生をゲームとインターネットでぐちゃぐちゃに狂わされた炭水化物。 特に『Terraria』と『Minecraft』、『SIREN』。絶対許さないからな。 電ファミではニュースライターとして活動してます。
Twitter:@0_5_m_e

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ