世界最大の海賊版サイト「BATO.TO(xbato.com、bato.to、mangapark.ioなど計60サイト)」の運営者が中国で刑事摘発されたことが明らかになった。一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構 (以下、CODA)が伝えており、NHKなどでも報道されている。
CODAによると、運営者の男性は50か国以上の言語に翻訳した日本マンガなどを権利者に無断で配信していたとして、中国上海市公安局による家宅捜索を受けたという。男性は拘留を経て現在は保釈されているものの、これらサイト群を運営していたことを認めており、今後起訴される見通しだ。
公安はすでに男性のパソコンを押収しており、サーバーの解析や運営実態、運営に関与していた関係者の情報などについて捜査を進めている。なお、運営されていたサイト群は、拘留後も証拠保全の観点から一時的に稼働が続けられていたが、1月19日までにすべての閉鎖が確認された。
2025年11月19日、CODAの告発により、世界最大の漫画海賊版サイト「BATO. TO」の運営者が中国で刑事摘発されました。男性はサイト群すべての運営を認めており、その後1月19日までに60サイトすべての閉鎖が確認されました。https://t.co/S2nvHlnpVS
— コンテンツ海外流通促進機構(CODA) (@CODA_2002) January 29, 2026
「BATO.TO」は2014年に開設された投稿型の海賊版サイト。供述によれば、運営者は世界中からのアクセスで、多い月には40万元(約800万円)を超える広告収入を得ていたそうだ。さらに異なるドメインを使用して大量の類似サイトを同時運営しており、2022年10月から2025年10月までの合計アクセス数は約72億にものぼるという。
被害の例をあげると、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、スクウェア・エニックスの作品が1000作品以上も閲覧可能になっていた。これらの企業からCODAに刑事事件化の要請が行われ、サイバーセキュリティ専門家と連携した調査や、中国の調査会社の協力を経て、公安局への刑事告発にいたったとのことだ。
また「BATO.TO」に投稿されていた無許諾の翻訳漫画の多くは、マンガをスキャンして文字を消し翻訳を埋めこむ、いわゆる「スキャンレーション」によるもの。スキャンレーショングループと呼ばれるチームによって組織的に制作され、インターネット上で世界中に拡散されることが問題視されている。
特に近年、日本マンガやアニメの人気の高まりとAI技術の普及によって、無許諾翻訳のマンガによる被害は深刻化しているそうだ。「BATO.TO」はその主要な流通拠点のひとつとされており、CODAは今回の刑事摘発を有効な抑止につながる画期的な事例と受け止めているとしている。
