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『メタルギア』シリーズの魅力を今だからこそ語りたい! 当時は他人事として流していた物語も、18年の時が経つと考え方がけっこう変わる

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「戦争は変わった」

敵に見つからないように隠れながらステージを進む「ステルスアクション」という独自のゲーム性から人気を集め、現在でも多くのファンに愛され続けている『メタルギア』シリーズ。

1987年に発売された『メタルギア』から始まった一連の物語は、“メタルギアサーガ”と呼ばれ、そのボリュームの大きさとクオリティの高さは、ゲーム史の中でも屈指のものとなっています。

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この“メタルギアサーガ”の時系列上での完結作にあたるのが、『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』(以下、MGS4)であり、この作品は2008年に発売され、大きな反響を呼びました。

そして、『MGS4』の発売から時が流れることおよそ18年、2026年になった今年、この『MGS4』が現行機やPCで遊べる『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』が発売されます。

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このコレクションには、『MGS4』の他に、PSPで発売されて人気を集め、その親しみやすいゲーム性からファンも多い『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』(以下、MGSPW)のHDバージョンも収録されています。

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これにより、前回のマスターコレクションである『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1』とあわせれば、外伝的作品を除く“メタルギアサーガ”のほぼすべての物語を体験できるようになったため、今までシリーズに触れたことのない方にも手を伸ばしやすい作品になりました。

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今回、このマスターコレクションで『MGS4』と『MGSPW』をおよそ15年ぶりにプレイして再確認したのは、「重厚なストーリー」と「中毒性の高いゲームシステム」の面白さでした。

このふたつの要素は、『メタルギア』というゲームシリーズの核となるものであり、これらの要素を中心に、マスターコレクションに収録されたそれぞれのタイトルの魅力について、可能な限りネタバレを排除してお話していきたいと思います。

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文/DuckHead
編集/柳本マリエ


“メタルギアサーガ”最終章。重厚すぎるストーリーに酔いしれる『MGS4』

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『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』のひとつめの収録タイトルは、2008年にPS3で発売された『MGS4』です。

本作の主役は、オールド・スネーク。その名前が示している通り老いたスネークで、初代『METAL GEAR SOLID』(以下、MGS)の主人公であるソリッド・スネークその人です。

シリーズにあまり触れたことがない方には、『大乱闘スマッシュブラザーズ』(以下、スマブラ)シリーズに参戦しているスネークと紹介するのが分かりやすいでしょうか。

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このオールド・スネークは、『MGS』や『スマブラ』のときの姿と比べると、信じられないくらいに年老いてしまっています。

しかし、本作で描かれているのは、ソリッド・スネークが「プリスキン」と名乗り若々しい姿を見せていた『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY』(以下、MGS2)から、わずか5年後の世界で、彼の実年齢は40代前半といったところ。
ここまで年をとってしまうほどの時間は経っておらず、彼以外のキャラクターはここまで見た目は変わっていません。

実は、オールド・スネークは、原因不明の老化現象に襲われており、余命はせいぜいもって1年と言われている、普通であればただ立っていることすら困難な状態なのです。

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『MGS4』の発売当時、オールド・スネークのこの背景を聞いたときに、かなりショックを受けたことを記憶しています。カッコいいジジイキャラは大好物なのですが、私が求めているのは、こういう老い方じゃないんですよね……。

「俺は普通の人間じゃない」と語るオールド・スネークが、死にかけの老体に鞭打ってでも挑む最後のミッション、それは、スネークのかつての上官であり『MGS』では共に潜入作戦を遂行したロイ・キャンベルから依頼された、リキッド・オセロットの暗殺です。

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リキッド・オセロットとは、『MGS』シリーズ全体を通じての超重要キャラであるリボルバー・オセロットに、『MGS』でスネークが戦った“兄弟”、リキッド・スネークの意識が憑依した人物。彼は、蹶起(けっき)を起こし、彼らの“親父”であるビッグボスが唱えた理想郷、「戦士が唯一、生の充足を得られる世界」を作ろうと目論んでいます。

この事実を知らされたオールド・スネークは、リキッドとの決着をつけて過去の因縁を清算すべく、戦地にひとり潜入する……というのが、本作のあらすじです。

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さて、私の思う『MGS』シリーズの魅力のひとつが、「ストーリーの面白さ」です。

『MGS』シリーズは、どのタイトルをとってもストーリーのクオリティが非常に高く濃厚なゲーム体験を味わうことができるのですが、中でも『MGS4』は、ストーリーにかなりフォーカスされている作品で、その魅力が最大限に発揮されている作品だと感じます。

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『MGS4』は、1987年に発売された初代『METAL GEAR』から続く、“メタルギアサーガ”と呼ばれる壮大なストーリーの最終章であり、これまでに発売されてきたシリーズ正史作品を時系列順に並べたときの最終作にあたる作品です。

そのため、『MGS4』のストーリーはかなりのボリュームで、ムービーシーンだけを抜き出してみても、長編映画の上映時間を余裕で超えています。
この長時間にわたるストーリー体験を生み出すことができるのは、ゲームというコンテンツだからこそ。『MGS』シリーズは、表現の形としてゲームを最大限に活用していると感じます。

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また、『MGS4』のストーリーは、そのボリュームの大きさとともにシリアスさが強いことも印象的です。
言うまでもなく、他のナンバリングタイトルもシリアスなストーリーではあるのですが、『MGS4』は、それらとは一線を画しているレベルで、段違いに話の内容が重いものとなっています。

ゲームを進め、物語が大きく展開していく中で、もともと満身創痍だったオールド・スネークの身体はさらにボロボロになっていき、プレイヤーの心は、ジリジリと太陽で少しずつ焼かれていくかのような辛く苦しい感覚に襲われます。

どれほど傷ついたとしても、進み続けるスネークを見ていると、「もういい。もうやめてくれ。」「誰かスネークを止めてあげてくれ。」という気持ちになってきて、あまりの辛さに思わず画面から目を背けてしまったシーンがあったほどです。

いくらボロボロになったとしても、命があるあいだに絶対に成し遂げたいことがスネークにはある。『MGS4』では、登場するキャラクターたちが各々の信じる「SENSE(意志)」を貫く姿が描かれ、プレイヤーの心に熱いものを訴えかけてきます。

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ひたすらに、重く、辛く、苦しい……。

そんな『MGS4』のストーリーを、さらに奥深く心動かされるものにしてくれているのが、各キャラクターを担当している声優さんたちの名演技です。

『MGS』シリーズは、洋画吹き替え声優好きとしてはたまらない豪華声優陣が物語を彩っており、各作品を初プレイしたときのことを振り返ってみると、声優さんたちの熱演を聞きたいがためにゲームをプレイしている瞬間が何度もありました。

かなり重大なネタバレになってしまうため、多くは話せませんが、『MGS4』は物語のラストでのオールド・スネークととあるキャラとのシーンが本当に素晴らしく、シリーズの中でもトップクラスに好きな場面です。
当時、『MGS4』は何周か遊んだのですが、このシーンを見たいという気持ちが、周回プレイの原動力のひとつでした。

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また、『MGS4』は、物語の冒頭もかなりの名シーンで、シリアスさとスネーク役の大塚明夫さんの名演技が凝縮された場面になっています。

「戦争が日常化した近未来、何処かのありふれた戦場」という最初の字幕で一気に目を奪われ、悲しさ・寂しさ・激しさなどのさまざまな情感が乗っかったBGMが鳴り響く中、スネークが何度も発する「戦争は変わった」という痺れるセリフ。
わずか数分間のムービーシーンではありますが、ここで完全に心を鷲掴みにされ、「買って良かった……」と感じたことを今でも覚えています。

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そして、世界情勢やプレイヤーの環境によって、同じストーリーを見ているはずなのに、抱く感想が大きく変わるというのも、『MGS』シリーズの面白いポイントです。

実際、発売後すぐに『MGS4』をプレイしたときと、それから18年経ち、自分の状況も世界情勢も大きく変わった中で久々にプレイした今回とでは、心に残っている感情は大きく違っていました

発売当時はどこか他人事で聞いていた話も、今回のプレイではかなり真に迫っているような感覚があり、「ひょっとすると、世界がこうなるのも時間の問題かもしれないぞ……」という気持ちになりました。
これは『MGS2』のストーリーなどでも言われていることではありますが、SNSやAIが発達してきたことで、メタルギアの世界に時代が追いついた。そんな印象があります。

恐らく、今日からさらに18年経ってから『MGS4』をプレイしてみたら、そのときの感想もまた変わってくるはずです。

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また、『MGS4』は“メタルギアサーガ”の最終章であるため、シリーズファンにはたまらない演出やストーリー展開がさまざまな場所で見られます。

中でも特に『MGS』を意識した演出は数多く、とある場面で『MGS』でスネークが無線で交わした印象的な会話がどこからともなく聞こえてくるという演出を喰らわされたときは、とんでもなく感動的な気持ちになりました。

シリーズ最終章『MGS4』の発売を聞きつけて、慌ててお小遣いを貯めて『MGS』をプレイした私からしても、胸が熱くなり心が踊ったのですから、『MGS』からリアルタイムでシリーズを追い続けていたファンの方からすると、そこにはとんでもない感動があったのではないでしょうか。

時間という調味料を含めて、あの感動を100%受け取ることができたという事実に、いちファンとして羨ましさすら感じるほどです。

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重さとエモさがある『MGS』シリーズのストーリーですが、このシリーズを語る上で忘れてはいけないのが、ネタ無線会話です。

「重くてシリアスなストーリー展開」というゲームの魅力から考えると、場違いにも思われるかもしれませんが、ネタはメタルギアで決して欠かすことのできない要素のひとつ。信じられないくらい重いストーリーの直後に、信じられないくらい軽いネタ会話を聞けるということが、シリーズの魅力と言っていいでしょう。

こういったネタ要素は、往々にしてバランスが難しいもので、上手くやらないと、キャラの魅力やストーリーへの没入感が損なわれてしまうというデメリットが発生しがちだと、色々なゲームをプレイして感じます。

その点、『MGS』シリーズはネタの塩梅が絶妙で、シリアスシーンはシリアス、ネタシーンはネタといった感じで完全に別物として楽しめますし、ネタだと思って見ていた何気ない笑えるシーンが後の伏線だったりすることもあって、油断ができません。

さらに、『MGS』シリーズのネタ要素が素晴らしいのは、ネタシーンが入ってくることによって、キャラの魅力が損なわれるどころか、超人的な意志を持ち、どこか人間離れして見えていた伝説の英雄たちの人間味が垣間見えて、彼らのことがもっと好きになってしまうということ。

たとえば、相棒であるオタコンから教えられたパスワードを正しく入力できずに、自分の記憶力の低下にショックを受けたオールド・スネークの気力ゲージが一気に減ってしまったシーンでは、「あのスネークも、こういうのでショック受けるんだ」と、笑いと同時に妙な親近感もわいてきました。

常に冷静で、淡々と自らに課せられた運命と戦っているようにみえるスネークも、自分たちと同じ人間なんだという気持ちとともに彼に対する感情移入が強まり、このことがストーリーへの没入感をも生み出しているのです。いいセンスだ。

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また、『MGS』シリーズのネタの中でも印象的なのが、いわゆる「メタネタ」です。

これは、ゲームの中のキャラクターたちが、自分がゲームの中のキャラクターであることを意識した発言をしだしたり、プレイヤーに向かってゲーム用語を使ったヒントを投げかけたりするといったネタ要素で、ものによってはメタネタ無線会話がゲームの攻略法に直結していることもあります。

かなりシリアスの分量が多い『MGS4』にも、しっかりとメタネタが用意されているのですが、問題なのは、そのネタが初代『MGS』を意識したものであるということ。

初代PSにあった、ゲームディスクの入れ替えシステムを引き合いに出して「PS3はひとつのディスクで遊べるから、入れ替えが必要なくなったね」という趣旨の発言が飛び出すネタがあるのですが、あれから18年の時が流れ、DLゲームやアプリゲームが主流になった今になって見てみると、「ゲームディスクって……伝わるのか……?」と、別の意味で感傷的な気持ちにさせられました。老兵は黙して去るのみ。

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さて、ここまで『MGS4』の核であるストーリーについてお話をしてきましたが、本作のステルスゲームとしての面白さについても少し触れておきましょう。

『MGS』シリーズは、敵に見つからないように行動する「スニーキング」が基本になりますが、本作が印象的なのは、戦場の最前線での潜入任務に挑む場面があるということ。

スネークは独立した勢力として、目的の達成のために戦場を潜り抜ける必要があり、最前線にいる他の兵士たちは、全員が敵でも味方でもない状態。戦闘自体が無意味というなかで、思いっきり頭の上を銃弾が飛び交っている戦場を突き進んでいくことになります。

いつものシリーズでは、通り道にいて邪魔な敵は眠らせたり気絶させたりして進んでいくわけですが、戦場の最前線ともなると、眠らせようと麻酔銃で狙っていた敵兵が、他の兵士の放った銃弾によって勝手に倒れていくというのが恐ろしいところ。

目に映る人間たちが次々と倒れていくという阿鼻叫喚のカオスな状況は、他のシリーズタイトルではほぼお目にかかれない光景で、かなりの新鮮さがありました。
……これだけカオスなら、誰もこっちなんか見てないだろという気持ちで大胆に移動していると、めっちゃ見つかるので注意しましょう。

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伝説が壮絶に終わる、数々の任務を達成してきたスネーク最後のミッションを描いた『MGS4』は、これまでシリーズを楽しんできたファンへの贈り物のようなタイトルであり、『MGS』シリーズのナンバリングタイトルを順にプレイしてから遊んでいただきたい作品です。

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ライター
レトロゲームから最新ゲームまで、面白そうだと感じた家庭用ゲームを後先考えず手当たり次第に買い漁る男。500を越えてから、積み上げたゲームを数えるのは止めました。 ディズニーアニメ・お笑い・音楽・漫画などにも広く浅く手を伸ばし、動画投稿者としても蠢いています。
Twitter:@DuckheadW
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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