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恐怖を超えた”不安”を追求したゲーム『UN:Me』は「嫌…嫌ぁ!!」と燃えゆく少女の叫びが辛すぎる。ホラー耐性MAXで挑むも、魂を消す「罪悪感」に完敗

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ゲームで人を殺す感覚には慣れている——つもりだった。

誰かを倒すゲームに触れ続けていると、人は無感情に人を殺す瞬間を積み重ねていく。FPSでも、ADVでも、それは変わらない。ホラーゲームだって例外ではないはずだった。

だが『UN:Me』で、筆者はもう二度と人を殺したくないと思った。たった18分の試遊で、「罪悪感」に押しつぶされたのだ。

恐怖を超えた

ついさっきまで「家族」について会話をしていた彼女が、エレベーターの中で燃えていく。彼女を殺したのは、紛れもなく自分だ。泣き叫び、「嫌……嫌ぁ!!」と懇願する彼女を、ただ見ていることしかできない

まだ何も聞けていないのに。まだ話したいことはたくさんあったのに。まだ、君のことを何も知らないのに。

恐怖を超えた

もう、後戻りはできない。

本作は、主人公である少女の中に宿る4つの魂と対話を重ね、その中から“本当の体の持ち主”を探し出していくアドベンチャーゲームだ。

第一印象は奇妙で不思議な“ホラーゲーム”だった。だが、「ホラー耐性MAXだし」と高をくくっていた筆者は、『UN:Me』「罪悪感」に敗北し、その世界観に魅了されていった。

そんな本作は、本日9月17日から21日まで幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2026」にて、日本初の試遊出展を実施。今回は先行して体験できる機会をいただいたわけだが、この記事では、筆者が翻弄されていくその顛末を紹介していこう。

執筆/つばきマン
編集/ishigenn


■4つの異なる魂と「対話」し、彼女たちを知る

舞台となるのは、学級崩壊した教室や保健室が点在する「精神の迷宮」。プレイヤーはこの中を探索しながら、“4つの魂”との「対話」を試みるために、それぞれの魂にまつわるアイテムを探していく。

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4つの魂は探索中につぎつぎと入れ替わっていく。性格はそれぞれ異なり、何とか平静を保っているような一番の魂や、常時不安そうな三番の魂、肝が据わりまくっている四番の魂など、同じ顔のはずなのに、表情も、纏う空気もガラッと変わるBGMまで変化することもある。

そういった「細部」からも、筆者はそれぞれの魂の内情を探っていく。この時点では、彼女たちへの感情移入はほぼなかった。さてさて、どんなジャンプスケアが待っているかな?と、的外れにも身構えてプレイを続ける。

そんな中、それぞれの魂に関するアイテムを見つけ、対話をする機会を得た。4つの魂たちは全員記憶を失っているため、たとえば「家族のことを思い出せますか?」と尋ねても「はい、なんとなく」というあいまいな回答が返ってきたりする。

恐怖を超えた

強気な四番の魂に「友人はいますか?」と質問すれば「いねーよ。多分」とぶっきらぼうな返答。なぜここまで他人を遠ざけて、孤独を選ぶ? そしてなぜ、保健室のナースをこうも敵対視している?

涙を流す一番の魂にハンカチを手渡せば、「大丈夫大丈夫。なんか出ちゃったやつ」と軽くあしらわれる。母の死を悲しんでいるようだが、そんな母との楽しい思い出を、なぜ覚えていない?

恐怖を超えた

彼女たちの言葉や立ち振舞に、「なぜ?」「どうして?」という好奇心が、掻き立てられていく。対話を重ねるほど、それぞれの魂が抱える“弱み”がふとした瞬間に顔を出す。意味深な魂たちの素性を考察するうちに筆者の感情移入は高まっていった。

■4つの魂から「どの魂を消すか」を選択

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マップを探索しアイテムを収集、そして対話を重ねていくと、ある時点でプレイヤーは「誰を残し、誰を消すか」を選ぶことになる。

ここで画面はそれまでの三人称視点から、唐突に一人称視点へと切り替わる。もう逃げられない、選ぶのはプレイヤーであるお前——そんな現実を突きつけられたような感覚だ。

机の前には「Ⅰ」と書かれた手帳、「Ⅲ」と書かれた書籍、「Ⅳ」と書かれたノートがある。大きさも厚みも種類も違うこれが彼女たちを表す人生のノートなのかもしれない

恐怖を超えた

消す魂を選ぶ。会話を重ねた誰かを殺すなんて、とてもできないはずなのに、消去法的に「魂Ⅲ」を消すことを脳が勝手に決めていた。理由は単純で、その子のことをまだよく知らなかったから。だから、もし別の質問をしていたら、この子を生かしていたかもしれない——「自分のせいでは?」と思えてくる。

筆者が選んだ「Ⅲ」と書かれた書籍は、ちりぢりと跡形もなく燃えていった。

恐怖を超えた

そして訪れたのが、冒頭のエレベーターのシーンだ。逃げ場のない密室で燃えていく彼女を、ただ見ているしかない。「嫌…嫌ぁ!!」という叫びに、応えることはできない。あの瞬間、画面の中の少女ではなく、コントローラーを握る自分自身が”殺人者”に思えた

恐怖を超えた

■それでも、全部のルートを見たいと思ってしまう

短い試遊を終えたあと、罪悪感に押しつぶされながらも、「全部のルートを見たい」と思ってしまっている自分がいた。まだ触れていない魂が、いったいどんな“知りたくなる理由”を隠しているのか——今、それが一番気になっている。

攻略のための情報収集のはずが、いつのまにか個人的な興味にすり替わっていき、彼女たちへの感情移入にも繋がる。本作の本質はそこであり、ホラー耐性が試されるような作品ではなかった。試されていたのは、“その人に向き合った責任”に耐えられるかどうかだ。

『UN:Me』は、Nintendo Switch 2、PS5、Steamにて2027年に発売予定。9月17日〜21日に幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ2026」でも試遊が可能だ。筆者が消してしまった魂Ⅲの、その後に待っていた物語や、違う選択をしていたら見えたはずの結末は、ぜひ読者の目でたしかめてみてほしい。

ライター
ゲームハードは昭和から令和まで、年齢以上に多方面のゲームに囲まれながら脚本家/シナリオライターとして生きてきたゲーマー文人。ノベルゲーから格ゲー、FPSまで自分がプレイせねば気が済まない性分で、ホラゲーは見るのが趣味。学生時代に新人アニメ脚本家としてテレビに出演。その後チームで自主制作などを行う。シナリオライターとしては、Youtubeにて総再生数2500万回を記録している。【Xアカウント:@tubaki_MAN_7974】
編集者
ニュースから企画まで幅広く執筆予定の編集部デスク。ペーペーのフリーライター時代からゲーム情報サイト「AUTOMATON」の二代目編集長を経て電ファミニコゲーマーにたどり着く。「インディーとか洋ゲーばっかりやってるんでしょ?」とよく言われるが、和ゲーもソシャゲもレトロも楽しくたしなむ雑食派。
Twitter:@ishigenn

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