ユーザーの意見に共通するのは、長い目線での想いの表明
――冒頭で石田さんからもありましたが、それぞれユーザーの意見や評価というのはどのようにとらえ、反映されているのでしょう?
富澤氏:
僕の場合は、発売前から矢面に立ってコミュニケーションをさせていただいたという責任上、SNSで直接やり取りをすることもありました。すべてをやり出すと破綻してしまうというのも事実としてあるので、SNSとのいい関係値の持ち方なんかも別のタイトルのときから10年くらい試行錯誤しています。
たくさん失敗もしましたし、余計なことを言ってしまって謝ったり、言いたいことがあっても勢いで答えずに10秒くらい待って考えたり(笑)。
やり取りをさせていただく中で、ユーザーさんの意見の表明というのはいちばん貴重なものとして受け止めています。ただ、25年来のファンの方と『アライズ』でひさしぶりにテイルズに触れた方、そして『アライズ』で初めて「テイルズ オブ」をプレイした方では、評価していただいた部分や不満に思っている部分も違うんですよね。それは前提が違うのでどうにもならない。
共通しているのは、長い目線で、あたたかい気持ちで言っていただく意見が本当に多かったこと。「いますぐ開発を中止して発売し直せ」なんて言う人はほとんどいなくて。先々に向かって「こう思いましたよ」という、「よかったことはよかった」とちゃんと言ってくださる方も多いので、そういう意味では心やすらかに意見を見させてもらえています。
石田氏:
そうですよね。ゲームが映画や漫画と明らかに違う点は、プレイヤーが能動的にやるタイプのエンターテインメントで、その体験していく中での触り心地は大事にしたいと思っています。そこはより多くの最大公約数の反応や意見を参考に作ったほうが気持ちのいいものを作れるはずなので、そのリサーチは欠かさず、自分もアップデートする必要があると思っています。
平田氏:
そういう意味では、今回ユーザーのみなさんからいただいているさまざまなご意見は素直に受け入れ今後の開発に必ず活かしたいと思っています。それを踏まえてこの座談会の記事が載るころには「ゲームテンポの向上」を目的とした修正パッチを配信させていただいているはずです。
「ダッシュ機能」や「バトル高速モード」の追加や「悪魔合体時のスキル継承」「エネミー出現頻度」などを調整し、ダンジョン探索がより快適になる他、「悪魔合体時のスキル継承の緩和」「新規仲魔を4体追加」しているので、ぜひアップデートの上、遊んでいただけるとありがたいです。
全世界同時発売を前提とした全方位向けの開発がスタンダードになる
――今回は2作品とも「全世界同時発売」でしたが、そのあたりがゲームつくりに与える影響はいかがでしょうか?
石田氏:
自分は初めての経験だったのですが、発売前から海外からの意見もリアルタイムで聞こえてくるのが新鮮でした。海外のファンは日本とは少し状況が違って『ペルソナ5』からアトラスのゲームに入った方がけっこう多く、注目するポイントや反応が国内とはまた違うんです。ただそこはどちらか一方だけ聞くというものでもないので、どう応えていくべきかは今後も含めての課題だと強く感じています。
富澤氏:
すごくよくわかります。海外のユーザーさんからの意見は前提がぜんぜん違う。でもひとつのタイトルで盛り上がろうとしてくださっているし、いい雰囲気ではありつつも開発者的には悩みますよね。
それまでのタイトルは我々も1年くらいかけて国内・海外という順番で作っていたんですけど、海外のユーザーさんの立場になってみると、情報がどんどん流れてきてしまう中で1年後にストーリー系のRPGを心から楽しめと言われても難しいですよね。ですから、全世界同時発売は必然かと思っています。
石田氏:
全方位に配慮してつくっていくのは慣れるまですごく息苦しいところはあったのですが、「これはもうスタンダードで意識しなきゃいけないことなんだな」という覚悟が決まってからはあまり気にならなくなりました。
富澤氏:
僕らもそのあたりの意識のアップデートはこの5年の開発の中で訪れましたね。
香川氏:
『ソウルハッカーズ2』は最後までプレイしたのですが、アトラスさんのほかの作品よりも遊びやすくなっていると感じました。どちらかというと、新しいユーザーさんがここから入ってきて、さらにほかのアトラス作品をプレイするという、入口となるタイトルだと感じて。そういったことは意識されていたのでしょうか?
石田氏:
たしかに、狙いとしては、新たなユーザーを意識してアプローチしたところがかなり多いです。第1作が出たころはテクノロジーに対する警戒心みたいなものが強く、テクノロジーを使って人間の醜い本性が暴かれる「人間って残念だよね」といった話が当時のトレンドだったと思うんです。
でも今回はそれを逆転させ、テクノロジーは身近にあるもので、テクノロジーが人間の解決できない問題を解決していくような話のほうがポジティブで、いまの世代にはより受け入れやすいのではないかと考えたんです。
物語においては、倒すべき敵にはその相手を倒すことに対する納得性は大事だと思うんですけど、敵対するものどうしが「9違うけと1同じ」で、その「1」によって結束できるストーリーのほうが時代に合っている気がしました。またそれは世代問わず刺さる部分ですから、新旧のユーザーさん、両方にアプローチできるだろうと思いました。
『アライズ』にも似た構図だと思うところがありまして、これは「時代なのかな」と。敵対するものどうしがチームを組まざるを得ない状況になっていたり、倒すべき存在が仲間になったり、向こうには向こうの事情がある、みたいな。
そういうことを無視して、敵として倒して先に進んでいくのは、絵がリアルになっているからかもしれませんが、飲み込みづらくなっている感じがします。そういった点では、絵のリアルさは作るものを難しくしていると思うことがありますね。
富澤氏:
ユーザーが想像する余地がだんだんなくなってきていますよね。
石田氏:
そこに真正面から向き合ったのは『The Last of Us』ですよね。ただ、『ソウルハッカーズ2』の場合はああはいかない。キャラクターの心の触れ合いや交流を描きつつ、その裏では家族もいるだれかを倒すストーリーだったりするので、プレイヤーには「つらいことをしてる」ということを感じさせないようにしなければならないと思っています。でもそこのバランスはやはり難しくて。
香川氏:
たしかに前作はハードボイルドで、あの時代だからこその作品だったと思います。
富澤氏:
ストーリーや敵との関係性の立て方は「テイルズ オブ」シリーズも悩みます。勧善懲悪でもない、正義と正義のぶつかり合いもずっとやっている。次作ではどういう置きどころでやるのがこの時代にフィットするのだろう、というのは『アライズ』のときもかなり議論しました。
RPGなら敵にも敵の事情があって、倒すときはいくばくの苦しみもありながら倒すというのがひとつのよさでもありますよね。でもゲームとしては気持ちよく倒されてほしいというところもある。そのバランスは毎回悩みますね。主人公側も敵側も悩ましい。
石田氏:
『アライズ』は相対するものどうしがパーティーを組むところから始まるじゃないですか。「バディものとしてこのままふたりでもおもしろいのでは?」と感じました。
富澤氏:
「テイルズ オブ」シリーズはスキット【※】でめちゃくちゃしゃべるので、パーティーの中に複雑さを持たせても融和すると信じていました。いままでのシリーズよりもシリアスな会話が多くなっています。気持ちよくストーリーに乗ってもらうというのは目指したところではありました。
※スキット
アニメ絵で顔のアップや立ち絵が表示され、キャラクターたちの会話が繰り広げられるシステム。ギャグ要素を含んだコメディからシリアスな内容まで、シーンによってさまざま。
伝統を思い切ってアップデートすることで生まれる新しい価値
平田氏:
今回スキットでおもしろい運用をされていますよね。漫画みたいにコマ割りが入って。どういう発想でああいった形になったんですか?
富澤氏:
これは取捨選択の最初期の話でもありまして……。
「テイルズ オブ」シリーズの伝統として、紙芝居のように2D絵を並べて劇をさせるのがこれまでのスキットだったのですが、ユーザーさんはおそらく2D絵ではなくフルアニメーションを見たいんですよね。
3Dモデルでキャラクターを楽しんでいたのに、いきなり2D絵のキャラが前を向いて劇が始まるのは、僕も開発に入ったばかりのころは、伝統芸能の歌舞伎や能を見ているような違和感があって。
確実によさはあるけど、いまの時代に合っていないフォーマットだと感じたので、今回は3Dでやることを決めました。キャラクターが同じモデルのまま劇を始めることでより多くのお客様に受け入れてもらえるはずだと。
スキットがあるからこそキャラを好きになってもらえていると思うので、スキット自体は残したかったんです。表現は変えつつも3Dへと進化したスキットを納得していただきたいという一念で3D化を推進させました。結果的にいままでにない価値となっていて、なんとか受け入れてもらうべく変化させた好例でしたね。
平田氏:先ほどユーザーが想像する余地がだんだん少なくなってきていると仰ってましたけど、3D化で、これまでは「これで良いんだ」としてきたところの折り合いをつけるのが難しくなってきていますよね。
香川氏:
もともと昔からやっているスキットは、一緒に旅をする仲間と「道中でどんな会話がされているんだろう」というところから生まれたものでした。2Dでキャラクターが会話することで表現力がアップされていたんです。ところが現在は3Dの技術が上がったことで表現の幅が広がり、2Dと3Dの取捨選択が行われました。
これまでのスキットはバックに黒い画面があり、次元が違うところで会話している感じになっていたんですが、そもそも道中の会話なので「その場感」を出したかったんですね。そのため『アライズ』ではできるだけその場で会話しているようにしようと背景をぼかす演出も入れています。
富澤氏:
昼夜の変化もつけ、そこも含めて統一感が出ました。そのとき行われている会話に見えるということは大事にしたかったので、カメラの設計を提案してもらえたときは「これでいける……!」と思いましたね。
平田氏:そんな経緯があったんですね。
カメラ切り替えでコマ割り形式にした事で、スキット全体のテンポ感が上昇したように感じました。
香川氏:
スキットは会話劇のパターンなので、もともとは比較的簡単に作れるイベントだったんです。でも今回はコマ割りのある3Dにしたことで、イベントを作るくらいの日数がかかってしまいました。
現在はグラフィックのクオリティが上がり、昔と違ってストーリーにボリュームを割けなくなっている印象があります。RPGはそこがかなりきつい。抑揚というか、起承転結すら描くことも大変になってきています。どこの会社も同じだと思いますが、そこだけを作ることに必死にならないといけなくなってきた時代なんでしょうね。
石田氏:
たしかにNPCの会話などをカジュアルに増やせる時代は終わってしまいましたね。昔は、説明がうまくいっていないところの補強やイベントが起こる前振りみたいな役割として置くことも多かった気がします。
気軽に作れるものではないと思いますが、スキットの仕組みはよくできているなといつも感じていました。日本のゲームっていろんな見栄えのものがうまい具合にキメラ感として成立している文脈もありますので、表現をそこまで統一する必要はないんじゃないかなと個人的には思います。
僕はバストアップ描写を使うことにも抵抗はないんですけど「視点が変わらないままイベントが起こってほしい」という意見もあって、どう折り合いをつけていくかは自分の中での課題でもありました。
香川氏:
メインストーリー上はシリアスな展開を描きつつも、スキットでキャラクターのパーソナルなところを描くというのは、先ほどのキメラ感として「テイルズ オブ」シリーズの特徴になっているのかなと思います。
石田氏:
そこは海外になると体験ベースだから、シームレスに作りたいという気持ちが強いのかもしれないですね。さっきまで野良で歩いていた人が地続きで滑らかにイベントモーションに切り替わりながら目の前で演技し始めたりとか。そこのこだわりは本当にすごい。海外では「滑らかに地続きである」ことが大事で、そこで評価のポイントが分かれたりしますね。
香川氏:
そういったゲームに慣れたユーザーさんがオープンワールドではないゲームを触ったときに「古臭い」みたいな評価になってしまうんですけど、そこをいちばんうまくやっているのがアトラスさんだと思うんです。『キャサリン』とか『ペルソナ』とか、すごく参考にさせていただいています。
富澤氏:
UI も含めてアトラスさんはすごいなと思います。すべてをシームレスに没入感だけでやってしまうと洋ゲーのようになってしまいますから。ワールドワイドでやっていこうと考えるとオープンワールドのような没入感も無視できないですし、『アライズ』でも『ペルソナ』はすごく参考にさせていただきました。JRPGを楽しんでいるユーザーさんに自分たちも提案していかなきゃと思います。
海外にもJRPGファンはたくさんいらっしゃることは理解しているので、日本から出るタイトルをメーカーに限らず待ってくれているはずだと思いながら「ここは大同団結でいくべきだ」なんて勝手に考えたり(笑)。
香川氏:
僕はJRPGのよさを最近すごく感じています。オープンワールドのゲームが増えてきて珍しくなくなってしまった中で、「誰でも楽しんで遊べる」とか「仲間たちがいる」みたいなところはすごくJRPGらしいなと。もちろんそこに慣れていないユーザーさんをどう取り込んでいくかは課題ではあると思うんですけど、良さ、らしさを全て削ってまでチャレンジすることは少し違うのかなと。
平田氏:
『ソウルハッカーズ2』の開発初期のときにスタッフから「キャラクターの会話劇をやりたい」という意見があって。よくよく話を聞くとまさに「スキット」から着想を得た会話劇なんですよね。
香川氏:
それはうれしいですね(笑)。僕は『ソウルハッカーズ2』のキャラクターを深掘りできるパーソナルイベントがおしゃれだと思いました。食事の会話劇も個性的で、本編の進行ではぜったい話題にならないキャラクターの素顔が見られますよね。
石田氏:
一方で、「わからなさ加減」も大事だと思うこともあります。説明がないからこその魅力というか、余白というか。このあたりは好みの問題になってしまうかもしれませんが、キャラクターの素性をどこまで明かすべきかはかなり悩みました。
香川氏:
「テイルズ オブ」シリーズはキャラクターを描くことが「らしさ」のひとつになっているので、『アライズ』は敵キャラクターをもう少し深堀りしたかった気持ちはあります。僕はキャラクターを深掘りすることに慣れているので、背景が描かれているとうれしいですね。
富澤氏:
時代のせいもあるかもしれませんが、肌感としてちゃんと説明しないとなかなかついてきてもらえなくなっている印象があります。とはいえ、説明が長ければいいというものでもないので、そこを本当にどう簡潔にキャラクターに愛着を持ってもらうかが大事で。
昔は語らないことでの「行間」がいいと思っていましたし、あまり語られすぎると野暮だという感覚の人も多かったと思うんですけど、時代が変わってきている感覚はありますね。
石田氏:
思い入れを持てないと放棄されちゃいますから。
富澤氏:
いろんなエンタメがある中でゲームの楽しみ方もこれからまた変わっていくのかもしれないですけど。
簡単な操作でうまい具合にアクションしているように見えることが目標
平田氏:
おうかがいしたいことがひとつあって。今回『アライズ』のバトルがすごく気持ちよかったです。いままで以上に臨場感があるというか、自分自身がそのバトルに参加しているような感覚で。
「テイルズ オブ」シリーズはいわゆるコマンドRPGではないところのよさを掘り下げていると思うんですけど、もしかしてアクションゲームになるのかなという気もしていて……。目指しているところはあるのですか?
香川氏:
おっしゃるとおり、もともとはターン制のようなやり取りをしていたのですが、技のあとの硬直時間があるため、そのあいだにガードするところから少しずつアクション性が上がっていきました。ただ、時代の変化とともに、その「ターン制っぽさ」が単純に「煩わしさ」になってしまい、思い通りに動かないことへの違和感が増えてしまったんです。
ユーザーさんはほかのゲームでレスポンスのよいゲーム体験を味わっているので、『アライズ』でもそこを高めていこうと意識をした結果としてあのシステムになりました。RPG として誰でも簡単な操作で楽しめるという部分は目指しているところです。
富澤氏:
僕はいままでアクションゲームをプロデュースしていたので、レスポンスのよさはより多くの人にアプローチできる部分だと思っています。そういう話を香川さんとそんなに深くはしていなかったのですが、作りたかった方向性が一致していたので「リニアモーションバトル」という名前も『アライズ』では使用していません。
アクションゲームであったら避けられない攻撃は基本的にないはずなので、「ちゃんと予測できる」というところがこれまでのタイトルと変わった部分でもあり、『アライズ』の評価を支えていただいているひとつの大きな部分だと思います。
香川氏:
個人的には『ベヨネッタ』や『ニーア オートマタ』など、プラチナゲームズさんのゲームで攻撃モーション中でも回避できるシステムを見た瞬間、「まずいな」と思いました。
富澤氏:
キャンセルできてなんぼ、な時代になってきた、と。
香川氏:
『アライズ』では途中でシステムを変えることは難しかったんですけど、できる限り違和感がないように調整しました。
富澤氏:
やりたいことがどんどん増えていくのでボタンが足りなくなっていきますよね(笑)。
香川氏:
コントローラーにもうちょっとボタンを増やしてくれないかな(笑)。
──続編を作るということ、JRPGというジャンルについてなど、メーカーの垣根を越えて語り合っていただきましたが、いかがでしたか?
石田氏:
開発の歴史や文化・体制などもちろんかなり違っているとは思うのですが、本質的に悩んだり迷ったり、目指していきたい部分などは近いんだなと感じました。また全世界に向けて発信するという意味では我々はまだまだ力及ばずな部分はあるのですが、ユーザーの皆さんに楽しんでいただけるJRPGをお互いに作っていけるといいなと思います。
平田氏:
JRPGを作り続けてきて、我々はコマンドRPGをひたすら作り続けてきましたが、バトルのこともいろいろ聞けて参考になりましたね。
香川氏:
僕はアトラスさんのファンなので今回ウキウキで参加させていただきました(笑)。ファンの目線でお話できたこともうれしいですし、お互いいろいろ悩みながら開発しているところで、いっしょにJRPGを盛り上げていきたいなと。今回の取材をご縁に、今後共有しながらやっていきたいですね。
富澤氏:
JRPGをどんどん尖らせていきたいですね。お互いの次回作で本当になにかいっしょにできる取り組みが実現するといいなと、プロデューサー的な意味では思いました。なかなか次回作の話はお互いできないかもしれませんが(笑)、いっしょに戦っていきたいですね。
一同:
ありがとうございました。(了)
歴史が長いコンテンツでは、変わらないことを願う保守的な意見と、新しいものを求める革新的な意見がどうしても混在する。なぜなら、どちらもそのコンテンツに対する期待があるからこその意見であり、答えがないからだ。
しかしながらブランドの規模を拡大させるためには、新規ファンを呼び込むことが大前提であり、そのためには時代に合わせて「進化」させる必要がある。
「テイルズ オブ」チームが「グミ」というシリーズにおいて当たり前だったアイテムに対しても手を伸ばして見直すほど、開発者はシビアな取捨選択を迫られていた。勇気ある決断を繰り返したことで、『テイルズ オブ アライズ』は「時代を反映したシリーズ最新作」の代表的なタイトルとなった。
一方で、『ソウルハッカーズ2』もキャラクターに重きを置き、「主人公が饒舌にしゃべる」というこれまでにないチャレンジやシナリオを時代に合わせるなど、進化を遂げている。
平田氏の言っていたように、ゲームは映画や漫画と異なる能動的なエンターテインメントであるため、SNSやコミュニティでの声が大きくなりやすいのかもしれない。それでも、ユーザーからの意見・反応を真摯に受け止め、常に未来への「挑戦」と「進化」を意識している4人の姿が印象的だった。
全世界同時発売がスタンダードになりつつあるゲーム業界で、どのようにJRPGが進化していくのか、どのように評価されるのか? これからが楽しみである。