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期待のロボゲー『メカフォース』が目指したものは“マジンガーが登場する『A.C.E.』”! 最初は『戦場の絆』的だったが、爽快感を求め『ガンダムVS.』方面へ。そこに『鉄騎』的な要素も加えつつ、ジャンルとしてはローグライトに

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巨大なロボットを駆り、過酷な戦いを通してドラマティックな物語を描く「ロボットもの」。ゲームやアニメはもちろん、実写に漫画など、様々なメディアで用いられ、根強い人気を博しているジャンルのひとつだ。

今もロボットが出てくる作品は数多い。しかし、ロボットの存在を中心的に扱う作品ばかりではなく、特に昨今は近未来やSF的な戦争や闘争を描く作品が増えており、「世界観を演出する兵器のひとつ」という形に納めたものが目立っている。

そのため、俗に「スーパーロボット」と呼ばれるカテゴリーの作品は、このジャンルの中でも減少傾向にあり、スーパーロボット好きには厳しい時代が訪れていた。だが一方で、ファン個々人の熱量は高く、かつての名作を愛でながら新たな作品の登場を待ち侘びている。

現状の売れ線ではなく、しかし確実にファンもいる「スーパーロボット」は、作り手にとって対象数が読みづらく、手が出しやすいジャンルとは言えない。そのため、ゲーム業界だけ見ても、スーパーロボットと呼ぶにふさわしい作品はごく一部だ。

しかし、そんな向かい風もどこ吹く風と、スーパーロボットを題材としたVRアクションゲームを発表し、製品版のリリースに向けた開発が現在進んでいる。その名も、『メカフォース』。2023年4月にはいち早く、Meta Questシリーズ向けの試遊版も登場し、一部のロボット好きの間で話題となった。

決して主流とは呼べないスーパーロボットを、この令和の時代になぜ選んだのか。そこにどんな意気込みや熱意が込められているのか。あえて逆風に挑んでいるようにも見える『メカフォース』により深くせまるべく、開発を行っているMing Studio代表のソン・イハン氏に話を伺った。

『メカフォース』インタビュー:目指したものは“マジンガーが登場する『A.C.E.』”_001
ソン・イハン氏

文/臥待弦


「ロケットパンチを自分で撃ちたい!」、その願いを叶えるべく始まった開発

──まず最初に、これまでの経歴や『メカフォース』開発のきっかけなどを、自己紹介を交えつつ教えてください。

ソン・イハン氏(以下、ソン氏):
『メカフォース』を鋭意開発中のMing Studioで代表を務めているソン・イハンです。メンバーも含めてですが、このMing Studioを立ち上げる前は、NETEASEという会社でVRやスマホ向けのゲームを作っていました。『ポケモンクエスト』などにも関わっています。

──その頃はNETEASEに籍を置いていたソンさんやほかの方々が、Ming Studioを立ち上げたのはなぜですか?

ソン氏:
当時、「Oculus Quest 2」(現 Meta Quest 2)が発売され、世界中で話題になっていました。その盛り上がりを見て、「これはチャンスだ」と感じました。そして、やはり自分たち──Ming Studio創業当時の4人──で考えたオリジナルのIPで勝負したいと考えたのが、Ming Studio設立のきっかけです。

──Ming Studio設立後、すぐに『メカフォース』の企画が決まったのでしょうか。それとも、候補となる企画はいくつかありましたか?

ソン氏:
今も人気の高いシューティング(※FPSやTPS)なども考えましたが、そういった銃や魔法で戦うゲームはもう沢山ありました。なので、多くの人がすでに手を付けているものではなく、「自分たちが見たいもの」を選びました。

──人気があるからと安易に選ぶのではなく、「オリジナルのIPで勝負したい」という気持ちを重んじたんですね。

ソン氏:
私も含めたスタッフたちは、全員アジアや日本のゲームやアニメが大好きです。そこで、今までになかったアジア的なゲームに挑戦したいと考えました。そしてMing Studioは、技術面に自信があるので、様々なジャンルの中でも作るのが難しいアクションゲームに挑戦しようと。

──好きという気持ちと技術への自信を元に、アジアや日本的な題材のゲームに絞っていったんですね。そこから、いわゆるロボットものに決まった理由は?

ソン氏:
ここからは私が好きなゲームの話も交えますが、『スーパーロボット大戦』や、フロム・ソフトウェアさんの『アナザーセンチュリーズエピソード』(以下、A.C.E.)シリーズなどがまず外せませんね。特に『A.C.E.』シリーズに熱中したんですが、自分が学校を卒業する頃には続編の音沙汰がなくなり、すごく寂しい思いをしました。

──ロボット系のアクションゲームは、時代と共に数が絞られてしまった印象はありますね。『A.C.E.』シリーズのような作品は、フォロワーも少ないですし。

ソン氏:
そうなんですよ。今となっては、こういうゲームがなかなかなくて。だったら、自分で作ろうかなと思いまして(笑)。

──なるほど(笑)。オリジナルで勝負したいという想いと共に、「こういうゲームで遊びたい」といったユーザー側の気持ちもあったんですね。

ソン氏:
はい。そうした経緯から、「リアルなコクピット視点で戦いを体験できる、スーパーロボット的なアクションゲームを作りたい」と目標が定まり、『メカフォース』の開発に繋がりました。

──『A.C.E.』シリーズに焦がれた青春時代を過ごしたと先ほど伺いましたが、かつてプレイしたロボットゲームの影響は、『メカフォース』に直接表れていますか?

『メカフォース』インタビュー:目指したものは“マジンガーが登場する『A.C.E.』”_002

ソン氏:
『A.C.E.』シリーズには、リアルから『真ゲッター』のようなスーパー系まで、様々なロボットが登場しました。ですが、マジンガー系はいないんですよね。そこで『メカフォース』では、マジンガーを彷彿とさせるような要素を盛り込みたいと考えました。自分としては、それが本作で一番体現したかった部分です。

──具体的に、その一例を教えてください。

ソン氏:
マジンガー自体は『スーパーロボット大戦』などに登場していますが、アクションゲームの中で自分の手で直接操作するゲームってなかったんですよね。自分で操作してロケットパンチを撃つ、とか。それに、ルストハリケーンやブレストファイアーも出したいじゃないですか。

──マジンガー的な必殺技を自分で操作して撃つ、という要素にこだわられたんですね。

ソン氏:
ですので、『メカフォース』の開発に入ってから一番最初に作ったのが、ロケットパンチを撃つシステムでした。

──それほど、ロケットパンチが撃ちたかったと。その熱意、力強く伝わってきます。

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ライター
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