『Tokyo 7th シスターズ(以下、ナナシス)』が3年ぶりの夏ライブを開催する。
ライブ名は「DIVE TO YOUR SKY!!」。開催の地は幕張イベントホール。8月17日、18日の2日に渡って、計45名の声優が登場する。
ライブ開催に際して、『ナナシス』を運営するDONUTSさん主導のもと、作中に登場するアイドルユニット“CASQUETTE’S”メンバーを演じる、末柄里恵さん(川澄シサラ役)、優木かなさん(浅見ミワコ役)、大地葉さん(鳳チャチャ役) 、齋藤綾さん(二川ミミ役)へのインタビューが企画、実施された。
『ナナシス』に登場するアイドルの中でもとくに際立つ「大人の魅力」を持った4人。ステッキを使った豪華絢爛なパフォーマンスと、大人の魅力が満載の衣装で演出するステージは、まさに上質なショータイムそのものだ。
そんなユニット“CASQUETTE’S”のメンバー4人のクロストークを、このたび電ファミニコゲーマーにて掲載させていただくことに相成った。
今年でライブ初出演から6年目を迎える彼女たちに、ユニット発足当初を振り返ってもらいつつ、これまでの活動を通しての思い出を語ってもらった。
取材・文/柴田捺美 Shibata Natsumi
撮影/古本麻由未 Komoto Mayumi
「ロック全開じゃなくて、大人っぽいコンセプトで安心しました(笑)」
──ナナシスは今年で10周年、CASQUETTE’Sは6年目を迎えました。結成が決まった時の感想を教えてください。
大地葉(以下、大地):
私は最初「何人かでユニットを組む」とだけ知らされていたので、ドキドキしていました。何人組で誰と組むんだろう、って。
優木かな(以下、優木):
ね。私は「ミワコさんがデビューする」と聞いていたので、「ナナスタメンバーの中で、まだデビューしてない子は……?」って、一緒に組むメンバーを予想して遊んでいました。
ただ、なんとなく「ミワコさんは大人っぽいコンセプトで来るんじゃないかな?」とは思っていたかな。
齋藤綾(以下、齋藤):
ミワコさんは家庭教師をしているから、ストーリーの中では小さい子どもたちと関わる場面も多いじゃないですか。 だから「大人と子ども」みたいなユニットも考えられたよね。
大地:
たしかにそれも有り得たけど、ミワコさんといえばやっぱりロックでくるのかなと思った!
優木:
そうそう! ミワコさんはハードロックやグラムロックが大好きだから、楽曲も「うおー!」みたいな激しい曲調だったらどうしようかと思っていたんだ。演じる側はちょっと大変だな、って(笑)。
いざユニットのテーマを聞いたら「淑女たちの強さと可愛らしさ」で、曲も大人な雰囲気を押し出していたからちょっと安心しました。
末柄里恵(以下、末柄):
そうだね。私の場合、いざCASQUETTE’Sのメンバーが分かった時、「この4人でどんな曲を歌うんだろう?」ってさらに疑問が深まったよ。
「ナナスタの中では大人組だから、ちょっとセクシーな路線なのかな?」と予想していたら、「SHOW TIME」みたいにきらびやかな楽曲で、びっくりしたのを覚えています。
4人で自主練習することも。回を重ねるごとにパフォーマンスが美しく
──CASQUETTE’Sといえば、ステッキを使った豪華絢爛なパフォーマンスも魅力的です。
大地:
そうなんですよ。ライブの時、必ず私たちだけヘッドセットを付けてステッキを持っているんです。
齋藤:
なかなか新しいよね。ナナシスのライブの中では、初めての試みだったんじゃないかな?
優木:
ライブの時はヒールが高い靴を履くことが多いから、最初は「ちゃんと踊れるかな、ターンできるかな?」って不安でした。ステッキの扱い方も、慣れるまでは大変だったよね。
4人のステッキが別々の方向を向いていると見栄えが良くないから、その角度とか振り下ろすタイミングを合わせるようにたくさん練習したんですよ。
齋藤:
最初に出演したライブでは、とにかくパフォーマンスするだけでいっぱいいっぱいだったけど、回数を重ねるごとにステッキの角度や指先の動きまで気を配れるようになったよね。
末柄:
成長したね。でも、初めから息は合っていたのが大きかったんじゃないかな? 最初のライブで「この4人だったら、いろいろ乗りきれるんじゃないか」とワクワクしたのを覚えています。
優木:
そうだね。レッスンを頑張ってきたのはもちろんだけど、お休みの日にも4人でスタジオを借りて自主練習していたもんね。「ライブに向けて、もうちょっとこの振り付けを練習したい」って、自発的に集まって。
大地:
大体かな氏(優木かな)が「もし練習したい人いたらおいで!」って提案してくれて、気づいたらみんな集まってるよね。
──自主練も! 向上心が素晴らしいです。CASQUETTE’Sは2018年秋の4thライブから出演していますが、これまでのライブでハプニングはありましたか?
優木:
大きなハプニングはなかったよね。毎回ステッキを落とさないかヒヤヒヤしていますが……。
末柄:
私、ライブ中ではないのですが本番前のリハーサル中にステッキ落としたことがあったかも……。
齋藤:
そういえば、あった気がする。でもそれは仕方ないよ!
末柄:
リハーサルだから何事もなかったけど、本番でもし客席の支配人さんたちの方に飛んでいったら……大変だったね。
大地:
その後のパフォーマンスも、ステッキが無いと振り付けが成立しなくなっちゃうよね。みんながステッキを回している中、一人だけ虚無を回すことになっちゃう(笑)。
末柄:
個人的なものを一つ思い出したのですが……。2回目のライブで、私だけ振り付けを間違えちゃったことがあるんです。
頭の高さまで上げた腕を下ろす振り付けが何回かあって、それを4人が一列に並んだ状態でやるんですけど、最後だけゆっくり下ろすんですよ。その時に私、何を勘違いしたのか、すごいスピードで下ろしちゃって! みんなとタイミングが合わなくなっちゃって、ごまかすためにもう1回上げて下ろしたんです(笑)。
優木:
大丈夫。きっと誰も違和感に気付いてないよ。
齋藤:
うんうん。ライブを観ていた支配人さんは、きっと「そういう振り付けなのかな?」って思ったはずだよ(笑)。
「実はミワコさんの眼鏡は、毎回違うんです」衣装に隠された秘密とは……
──ライブ衣装についての思い出も伺います。前回のライブ衣装で特に好きなポイントはどこですか?
齋藤:
メンバーそれぞれの個性に合わせて胸元の装飾とかスカートのデザインが違っていて、見比べてすごく楽しかったです。
大地:
みんなけっこうスカートの丈が短くて、“攻めた”衣装だったよね。私は普段ロングスカートを履くことが多いので、ナナシスのライブ時だけ膝上を解禁するんです(笑)。
いつもかわいい衣装を作ってくれて、スタッフさんたちにはすごく感謝しています。「着こなせるように頑張ろう」ってライブへのモチベーションもさらに上がるんですよ。
優木:
ナナシスのライブって、まるでファッションショーを見ているかのような気分になるよね。各キャラクターや声優さんの個性に合わせて、衣装を“似合わせにいってくれている”印象があります。
齋藤:
本当にね。デザインもそうだし、私たちがパフォーマンスをしやすいような工夫がされているのもすばらしいんですよ。手袋の手のひら側をよく見ると、ステッキがすべらないように凹凸がついているんです!
──客席の支配人からは見えない、細かいところまでこだわりが詰まっているのですね。
優木:
ステッキといえば、実際にライブで使うものが完成するまで、傘を使ってレッスンしていたよね(笑)。出来上がったものを初めて手にした時、思わず「軽い!」って驚いちゃった。
大地:
あれは筋トレだったよね(笑)。
優木:
よく漫画の戦闘シーンで「そろそろ本気を出そうかな」って腕につけていたオモリを外す表現があるけど、まさにそんな感じだったよね(笑)。
末柄:
だね(笑)。そういえばミワコさんの眼鏡って、毎回同じデザインなの?
優木:
実は、微妙に変わってるんですよ!赤色で、上のフレームがないデザインのものは同じなのですが、毎回マイナーチェンジしているんです。
大地:
そうだったんだ、違いを見つけるのが難しそう(笑)。
優木:
前に1回だけ、一部と二部で1日目と2日目で眼鏡だけ違うときがあって。みんな気付くかな?って思ったら、気づいてくださってる方がいてびっくりしました。
──そんな裏話があったのですね。それでは、これから着てみたい衣装はありますか?
末柄:
チャチャさんがいるからというわけではないのですが、個人的には着物とか和風な衣装が興味あるかも? CASQUETTE’Sらしい大人な魅力が引き立つ気がします。
大地:
いいね〜!
齋藤:
ゲームのカードでは、そういう衣装あったもんね。和服っぽいデザインで扇子を持っているイラストの。
──いつか、CASQUETTE’Sがステッキじゃなくて扇子を持つ日が来るかもしれませんね。
齋藤:
今のうちに扇子の扱いも慣れておいた方がいいかもしれませんね(笑)。
長時間のライブも楽しめちゃうのが、ナナシスの魅力?
──衣装の他に、ナナシスの魅力は?
優木:
やっぱりライブと曲が魅力的。自分が出演する前から何回か観に行っていたのですが、正直、こんなにライブが長くて、いろんな曲をしっかりと聴けるコンテンツは初めてで!
最近はいろいろな作品も増えましたが、最初の頃は「ライブが長いといえばナナシス」みたいな印象がありました。
時間としては長いけど、「濃密すぎて体感時間は一瞬だった」という支配人さんがたくさんいらっしゃって。楽しくてあっという間に終わっちゃうんですよね。いろいろなユニットが次々に登場するから、まるでフェスを観ているみたいで。
末柄:
わかる!(笑)
齋藤:
あと個人的には、ナナシスは支配人さんとの交流が積極的なところも魅力的だなと思います。コラボカフェを開催していたり、2019年には衣装の展示会があったり。
──つい先日も、サンリオキャラクターズとのコラボカフェを開催していましたね。
末柄:
それで言うと、個人的にナナシスは“アイドル”の枠にとらわれすぎないイメージがあります。未来の新しいアイドルのかたちがすごく考えられて表現されているんじゃないかな。
例えば「セブンスシスターズ」と「AXiS」は声優としては同じメンバーですけど、ユニットのコンセプトもキャラクターの魅力も全く異なりますよね。あと、「コドモ連合」が「SEASON OF LOVE」として成長した姿が見れたり。いままでにないかたちで作品をつくり上げていて、すごく新しいなと思います。
──ありがとうございます。最後に、今回のライブに来てくれる支配人さんに向けて末柄さん、優木さん代表してメッセージをお願いします。
末柄:
今年ナナシスは10周年を迎えたということで、初期から追ってきてくださった支配人さんにも、今回初めてライブに来てくださる支配人さんにも、CASQUETTE’Sの新しい一面と変わらない部分をお見せできたらいいなと思っています! 一緒に楽しんで、CASQUETTE’Sを作っていきましょう。
優木:
支配人の皆さんはよくご存じだと思うのですが、とにかくCASQUETTE’Sは仲が良いグループで、ステージ上でも楽屋でもわちゃわちゃしています(笑)! 今回のライブでも、4人ならではの雰囲気や面白さを感じていただけたら嬉しいです。