現実に近い舞台だからこそ、現実ではあり得ない体験が楽しめる。「アジアの現代都市」の作りこみにかけた開発チームの情熱
──『無限大ANANTA』といえば都市の表現の作りこみがすごいと話題ですが、なぜこんなに都市をリアルに作りこもうと考えたんですか?
Ash氏:
『無限大ANANTA』では、プレイヤーが「あんなことをしてみたい」と想像を膨らませ、それを実現できるような舞台にしようと考え、プレイヤーに馴染みのある現代的な都市を作ることにしました。
ですが、だからといって現実そのままの世界ではつまらないので、「カオス」という現実には存在しない要素を取り入れています。このゲームでは「カオス」やキャラクターの存在を通じて、プレイヤーに“現実ではあり得ないような体験”をしてほしいと思っています。

──『無限大ANANTA』で描かれる街並みは、秋葉原や幕張を彷彿とさせるような、日本人の我々にも馴染みのある雰囲気が印象的です。どのような想いで、こういったアジア風の街並みを作ることに決めたのですか?
Ash氏:
いま世に出されている「都市ゲー」の多くは、ロサンゼルスやニューヨークのようなアメリカの都市をモチーフにしているものが多いと感じています。アジアを舞台にした都市ゲーはまだまだ少ないので、「アジアの現代都市感」のあるゲームを我々の手で世界に送り出したいという想いがありました。
また、『無限大ANANTA』の開発チームには日本のアニメが好きなメンバーも多いので、そういった「二次元の世界」のイメージを実現し、世界に届けたいという気持ちもあるかもしれません。


──具体的に、開発の過程で影響を受けた作品などはありますか?
Ash氏:
開発チームにはアニメや映画、アクション系の映像作品が好きなメンバーが多いんですが、アクションといえばやはりジャッキー・チェンの映画の影響は大きいです。
日本の作品で言うと、『チェンソーマン』や『呪術廻戦』などが挙げられます。映画で言うなら『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ですね。
──アクション映画に影響を受けたというところで言うと、TGS2025の試遊で体験できたカーチェイスのシーンなどはすごかったですね。

Ash氏:
アクションのムービーシーンなどは、プレイヤーがアニメや映画の「カッコよくて楽しい部分」を自分の手で体験できるようにと考えて作っています。カーチェイスのシーンで言うなら、追ってくる車のタイヤを撃って横転させたりとか。遊びながら「これこれ、こういうのがやりたかった!」と思ってもらえるとうれしいですね。


──最近のゲームのアクションは派手なエフェクトや演出を用いたものが多いですが、『無限大ANANTA』のキャラクターの戦闘スタイルはなかなか硬派ですよね。キャラクターのアクションについても何かコダワリがあるのですか?
Ash氏:
『無限大ANANTA』のバトルは現実ではあり得ないようなものでありつつも、パンチを受け止めたり、攻撃をギリギリで回避したりといった、「人間らしい反応」を意識してアクションを作っていますね。ゲームプレイにおいては、プレイヤーが最低限の操作でこういったアクションを楽しめるように設計しています。
また、このゲームでは1つの戦い方にこだわらず、ステージに合わせて色々な戦い方ができるようにしています。ジャッキー・チェンの映画のように、その辺のものを拾って武器にしたりもできますよ。


──TGS2025の試遊版では海の中の島のようなマップを見ることができましたが、このマップも今後広がっていくのでしょうか?

Ash氏:
プレイヤーが探索できるマップは、今後もどんどん広げていく予定です。新しい街や新しい国も追加して、プレイヤーが色々な都市を楽しめるようにしていきたいと考えています。都市によって異なる特別な遊び方も用意していきたいですね。


──『無限大ANANTA』はどのくらいの規模のチームで開発されているんですか?
Ash氏:
700人から800人くらいですかね。1つの拠点で、みんなで開発しています。
──ちなみに、そんな数百人をまとめるAshさんは今おいくつなんですか?
Ash氏:
平成生まれとだけお答えしておきます(笑)。開発チームも大体平成生まれです。
──最後に、リリースを待ち望む日本のファンにコメントをお願いします。
Ash氏:
今回、TGSという日本のイベントでこのような場を設けられたことは本当に嬉しく思っています。『無限大ANANTA』では、今までに体験したことのないゲームを皆さんにお届けしたいと考えて、今も開発を進めております。
『無限大ANANTA』の開発はまだ初期段階ですが、私としても、皆さんの期待に応えられるように、できるだけ早く完成したゲームをプレイヤーの皆さんにお届けすることを目標として頑張っていくつもりです。多分、そんなに長くはならないと思います……!

──楽しみにしています!本日はありがとうございました。(了)