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韓国産ゲームの日本運営って、ぶっちゃけ何が大変なの? 「男主人公がまさかのオネエ化」「止まらないむちむちキャラ攻勢」──『カオスゼロナイトメア』運営に訊いた“ローカライズ奮闘記”

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日本運営チームって実際にどんな業務をしているの?

──先ほど「開発と運営が一体となって動く」というお話がありましたが、そもそも日本運営チームは、どのような業務を担っているのでしょうか。

李氏:
私たち日本運営チームの仕事はかなり幅広くて「ひと言で説明できない」というのが実情なんです。

それでもあえて分類するなら「開発段階からの参画と提案」「日本市場向けの運営設計」「翻訳および表現の品質管理」、そして「ユーザーコミュニケーション」という4つの大きな役割になるかと思います。

1.開発段階からの参画と提案
韓国の開発スタジオと連携を行い、日本市場の嗜好に合わせた仕様や演出について、開発初期から積極的な議論と提案を行う

2.日本市場向けの運営設計
日本の文化や季節感を分析し、日本市場で信頼を獲得するための運営施策やコミュニケーション戦略を立案

3.翻訳および表現の品質管理
言語の直訳を避け、ニュアンスや温度感を含めたローカライズを実施。日本市場において違和感のないサービスを提供

4.ユーザーコミュニケーション
SNSの運用や公式生放送など、企画立案からディレクションまでを日本側で主導し、継続的なエンゲージメントの向上を図る。不具合やトラブルが起きた際の対応も日本運営チームの役割

──とくに日本運営チームならではの難しさや、苦労を感じる場面はどこですか?

李氏:
間違いなく、何らかの問題が起きたときに「日本のユーザー」と「韓国の開発チーム」の間に立たされる瞬間ですね。

不具合や仕様への不満が一気に噴き出したとき、日本のユーザーはゲームに対する期待値がとても高い分、私たちからの説明が足りなかったり対応が遅れたりすると、すぐに強い不信感へと変わってしまいます。

一方で、開発スタジオは韓国にあるため、すべての問題が即座に解決できるわけではありません。このとき、私たち日本運営チームは、ユーザーさんの怒りや不安を正面から受け止めつつ、同時に開発側へは「状況の深刻さ」や「日本のユーザーの感情の温度感」まで正確に伝える役割を担います。

正直、この板挟み状態が一番消耗しますね……。表ではユーザー対応を行いながら、裏では深夜まで開発とやりとりをして、原因の切り分けや修正の優先順位を調整し続けるんです。

──生きた心地がしなさそうですね……。

李氏:
それに、日本市場特有の難しさとして「沈黙が許されない」という点もあります。たとえ調査中であっても「今何が起きていて、何を確認しているのか」をきちんと伝え続けないと、状況はさらに悪化してしまいます。

かといって、簡単な言葉で済ませてしまうと「誠実さが足りない」と受け取られてしまう。この発信のバランスをとるのには、本当に神経を使います。

──本当に胃が痛くなるお話です。

李氏:
ただ、その分、トラブルを乗り越えたあとに「ちゃんと向き合ってくれた」や「この運営なら信頼できる」という声をいただけたときは、それまでの苦労が一気に報われます。

私たち日本運営チームにとって一番キツい瞬間は、同時に「一番価値が問われる瞬間」でもあると思っています。

他社在籍時代に学んだ「顧客第一」の姿勢

──ユーザー視点からすれば「包み隠さず今起きていることを伝えてほしい」と思うものですが、情報を開示しきれない運営側のハードルとは何なのでしょうか。

李氏:
恐らくですが、情報を開示することで「ユーザーからどのような反発を招くか予測できない点」が最大のハードルになっているのだと思います。

自分たちが発信した情報によって、コミュニティ全体の反応がどう転ぶかわからないわけです。その恐怖心が沈黙に繋がる理由として大きいのではないかと。

『カオスゼロナイトメア』日本運営インタビュー:韓国産ゲームの日本運営って、ぶっちゃけ何が大変なの? _016

──理屈ではわかっていても、正面から伝えるのはかなり勇気がいることですよね。

李氏:
トラブルの多くは運営側のヒューマンミスに起因するものです。ユーザーも私たち運営チームも同じ人間ですから、そこには当然、感情の波があります。

ただ、ユーザーの不満が高まっている状況下で「ミスを認めて具体的な対応策を提示する」のか、それとも「詳細な発信を避ける」のか。ユーザー側の立場に立ってみれば、絶対に前者のほうがいいに決まっています。

もちろん私たちに恐怖心がないわけではありません。ただ、過去の経験から、正面からきちんと伝えたほうが最終的にいい結果に繋がることが多いんですよね。

現在でも、トラブル発生時には深夜であってもプロデューサーや韓国本社の責任者と緊急で打ち合わせを行い、可能な限り迅速に情報を開示できるように心がけています。

──とはいえ、情報をすぐに出すとなると、裏側では事実確認などですごくバタバタしそうですね。

李氏:
本当に難しくて時間がかかるのは「それに沿った補填をどうするか」や「修正による技術的な副作用がないか」の検討であって、状況を開示すること自体のハードルはそこまで高くありません。

ゲームの存続に関わるような超重大な問題であれば協議に時間をいただくかもしれませんが、通常のヒューマンミスであれば、包み隠さず早めに伝えたほうがいいと思います。

『カオスゼロナイトメア』日本運営インタビュー:韓国産ゲームの日本運営って、ぶっちゃけ何が大変なの? _017

──李さんがユーザーに対してそこまで情報の開示を徹底する背景には、何かきっかけがあったのでしょうか。

李氏:
じつは、他社に在籍していた際、とても大切にされていた教えがあるんです。

それは徹底した「顧客第一」の姿勢です。「お客様が存在しなければ、我々のビジネスは決して成立しない」という大前提のもと、①原因の究明、②迅速な一次報告、③対応策の二次報告、④修正と補填の実施、⑤真摯な謝罪……この5つの対応サイクルを、当時の私はデスクの横に貼って日々仕事をしていました。

その環境で学ばせていただいたからこそ、今でも「お客様の不安を一秒でも早く解消するのは当たり前のこと」という感覚が染み付いているんだと思います。だからこそ、トラブルが起きたときでも情報をオープンにすること自体に、躊躇がないのかもしれませんね。

──個人の感覚として躊躇がなくても、いざ組織として動くとなると本国のストップがかかりそうですが、そのあたりは動きやすい環境なのでしょうか。

李氏:
そうですね。そこは韓国本社のトップと太いパイプがあるのが大きいです。現場からの提案が経営層へダイレクトに届き、即座にゴーサインが出る組織体制が整っています。

ただ、具体的な対応の仕方については、開発側と意見が割れることもあります。そこを納得させるためのコミュニケーションにはかなりのパワーが必要なので、そこが難しさと言えば難しさですね。

しかし、「ここで対応が遅れれば、日本のユーザーは離れてしまいます」と伝えると、開発側もほとんどのケースで納得してくれます

私としては、日本の最前線でユーザーと直接向き合っているスタッフの判断こそが正しいと信じています。だからこそ、彼らの生の声を最大限に本国へ届けていきたいんです。

1日中プレイする猛者も? 運営チームも驚いたユーザーの熱量

──少し話題を変えまして、リリース後にユーザーのプレイ状況を見て「こんな風に遊ばれるとは!」と、運営チームの予想を裏切るような驚きはありましたか?

前田氏:
想像以上に、長時間プレイしてくださる方が多い点ですね。

『カオゼロ』は、遊ぼうと思えば無限に遊べるコンテンツ設計にはなっているのですが、それを加味しても本当に長時間プレイされる方が多くて驚かされました。

李氏:
スマートフォン向けのゲームだと、1日のプレイ時間としては30分から45分くらいが一般的ですよね。

でも『カオゼロ』の場合は、本当に1日中と言っていいほど、ずっとプレイしてくださる方がちらほらといらっしゃるんですよ。

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──1日中ですか!? それは運営としても驚きですね。

前田氏:
たとえば、YouTubeで配信されている方の中には、5時間くらいぶっ通し配信される方がいるなど、本当に長時間遊んでくださっていました。信じられないくらい驚きましたね。

また、VTuberイベントの際にも、5時間、6時間と長時間配信してくださった方もいらっしゃって……。運営として感謝の気持ちでいっぱいになりました。

──みなさんそれだけ長時間プレイして、どのようなことを楽しまれているのでしょうか。

前田氏:
もっとも時間を占めているのは、キャラクターの研究ですね。

『カオゼロ』には「カードヒラメキ」というシステムがあり、ひとつのカードが5種類の効果に変化します。そこに「神ヒラメキ」という特殊なシステムも加わると、組み合わせはそれこそ数えきれないほどになります。

そうしたゲーム性もあって、カタログスペックだけでは本来の強さを判断しきれません。そのため、キャラクター単体での性能や、他キャラクターとのシナジーなど多くの研究が行われています。

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──以前、開発プロデューサーを務めるキム・ヒョンソク氏も「ひとりのキャラで50時間以上は楽しめる」とおっしゃっていましたね。

前田氏:
興味深いのが、そうして研究が進むにつれて、キャラクターの評価がガラッと変わっていく現象が起きているんです。

リリース当初はユーザーさんの間で“外れ枠”扱いされていたルークなんかは、その代表例ですよね。今では研究が進んで、強さが広く認知されています。

ほかにも、リリース直後はなかなか日の目を見なかった「ヴァンガード」という職業が、2026年1月14日に実装された「ナージャ」をきっかけに再び研究され始めました。

キャラクターの登場によって既存キャラクターの新たな可能性が模索されていくのは、これぞゲームの醍醐味だなと、いちゲーマーとしてもワクワクしてしまいますね。

──そういう背景があるからこそ、先ほどおっしゃっていたような「1日中プレイする」「長時間配信する」といったプレイスタイルに繋がってくるわけですね。

前田氏:
おっしゃる通りです。YouTubeでの配信はもちろん、X(旧Twitter)の投稿でも「ご飯を食べるのを忘れていた」「気が付いたら深夜だった」「徹夜してしまった」といった声がけっこう流れてきました。とくにリリース直後は、その傾向が顕著でしたね。

ときには、こちらが心配になるレベルで遊んでいただいている方もいらっしゃって、公式生放送で「あまり無理はしないでくださいね」と呼びかけたくらいです(笑)。

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編集者
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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