2027年に生誕40周年を迎えるカプコンの人気アクションゲーム『ロックマン』。
数ある派生作品の中で、最古参にして元祖に当たるのが、ナンバリングでは11ものシリーズ作品が展開されている「無印」だ。その無印シリーズの新作として発売されるのが『ロックマン: デュアル オーバーライド』である。
本作はナンバリング表記を外したタイトルが物語るように、過去作のお約束に捉われない、数多くの挑戦的な試みが成された作りを最大の見所としている。
また、本作では2010年発売の『ロックマン10 宇宙からの脅威!!』から実に約17年ぶりに、ロックマンの兄に当たるロボット「ブルース」も参戦。
そのアクションも「ブルースシールド」なる盾を活用した技に象徴されるように、「ロックマンと基本性能が一緒で、大きな弱みを持つキャラクター」という過去作のイメージからの脱却が図られている。
このブルースであれば「たまにはヒーローするのもいいものだな。」の決め台詞も映えると実感したほどだ。
電ファミはこのたび、本作のプロデューサーを務める南谷洋行氏、ディレクターの生田真也氏、そしてアートディレクターを務める石原雄二氏と小牧信介氏へのグループインタビューの機会を得られた。

いずれも過去の『ロックマン』シリーズに参加した経歴のあるクリエイターで、南谷氏は『ロックマン9 野望の復活!!』と次作の『ロックマン10 宇宙からの脅威!!』に、生田氏は『ロックマン7 宿命の対決!』と知る人ぞ知る『ロックマン』シリーズ唯一のレースゲーム『ロックマン バトル&チェイス』に参加した経歴がある。
石原氏、小牧氏のおふたりは『ロックマンDASH』『ロックマンエグゼ』『流星のロックマン』シリーズなどにデザイナーとして参加。ちなみに、このおふたりは無印『ロックマン』シリーズにも参加されている。
今回のインタビューでは、gamescomでの発表を経てのユーザーの反響からキャラクターデザインにまつわる秘話、約17年ぶりの再登場となるブルースの今作における立ち位置、テクニカル系のキャラクターへと一新した狙いなど、さまざまな質問をぶつけさせていただいた。
ほかにも、ロックマンとブルースの使い分け、ストーリーにおけるブルースの関わりの度合い、そして気になるブルースの新たなデザインについてもインタビューではお伺いしている。
過去作では基本、スポット出演に留まっていたブルースがどんな進化を遂げたのか気になっている『ロックマン』シリーズのファンは、ぜひ読んでいただきたい。
※インタビューは他メディアとの合同でおこなわれました。
トゥインクルガールは「これまでの『ロックマン』シリーズのユーザーさんとも違うユーザーさんたちにも響いたらいいな」と思ってデザイン。想像以上の反響に、開発チームもニッコリ!
──先月のgamescomから今回の東京ゲームショウへの出展に至るまでの間、新しいボスの「トゥインクルガール」やブルースの参戦決定といった大きな情報が相次いで発表されました。それらの発表に対する、ユーザーさんからの反応はどうでしたか?
生田真也氏(以下、生田氏):
ものすごい手応えを感じています。特にトゥインクルガールはロックマンらしくない部分がありつつも、ちゃんとロックマンらしいキャラクターを出しているということで、想像以上の反応がありましたね。
石原雄二氏(以下、石原氏):
発表後にユーザーの皆さんからイラストが次から次へとあがってきまして……。
小牧信介氏(以下、小牧氏):
ファンアートをいっぱい描いていただきまして、すごく受け入れられているということを実感しています。
──やはりトレイラーを出す前はユーザーの皆さんからどんな反応が来るのか、ドキドキされていたのですか?
生田氏:
はい。今回はチャレンジした部分が結構あると思っていましたので、どんな反応が来るのかはドキドキでした。
ただ、トゥインクルガールは開発チームのスタッフの中でもすごくいいデザインだと好評で、初めてイラストがあがって来た時にはチームの全員から「いいね!」がドーンと送られてきたほどなんです(笑)。
今回はロックマンの頭身が上がっていて、少しカッコイイ形でデザインしていただいています。その流れからトゥインクルガールというキャラクターもデザインしましたので、それがまずチームの中でも評価が良かったですし、一般のお客さんにも同じように受け入れられているんじゃないのかな、という手応えを感じていますね。
🎆【新たな8大ボス:トゥインクルガール】🎆
— ロックマンシリーズ公式 (@ROCKMAN_UNITY) September 5, 2026
元気いっぱいで、かわいらしい見習いエンターテイナーロボット「トゥインクルガール」がステージオン!✨
色鮮やかな花火を自在に操り、華やかでありながら激しい攻撃でプレイヤーを追い詰める!#ロックマン #ロックマンDO pic.twitter.com/ZXuZ3BELe1
小牧氏:
今回はこれまでの『ロックマン』シリーズにはなかった新しいデザインラインが入っているんです。トゥインクルガールですと、太もも周りのラインですね。
そういう今までの『ロックマン』シリーズのボスのデザインではやったことがなかったデザインの試みをやっているんですけど、そういったところもスムーズにユーザーの皆さんに受け入れてもらえているのかなと捉えています。
石原氏:
これまでの『ロックマン』シリーズのユーザーさんとも違うユーザーさんたちにも響いたらいいなと思ってデザインしましたので、「ああ、割とうまくいっているかな……」と思っています。
生田氏:
ブルースに関しても今回、近距離タイプの攻撃がメインになっているんですけど、まだそれを発表する前、一番最初にブルースの登場を予告するPVを公開した時から、ユーザーの皆さんの間で色んな考察がされていたんですね。
「これは盾を使った攻撃をするんじゃないのか?」「近接タイプになるんじゃないの?」とか、ネット上で色んなお話が飛び交っていたんです。まさしく狙い通りではあったのですけど、ユーザーの皆さんも私たちと同じイメージを持たれていると知れたのはすごく嬉しかったですね。
今回のブルースは“被ダメージ増加”の特徴を撤廃。「いい意味でテクニカル」、やりこむことで真価を発揮する魅力的なあり方を追求
──ブルースは『ロックマン10』から実に17年ぶりの再登場となりますが、再登場自体は本作の企画段階から決まっていたのですか?
生田氏:
一番最初の頃から決まっていました。今回は「ロックマンとは違う遊びをさせたい」という狙いがありまして、同じステージを遊んでもロックマンとブルースそれぞれで全く違った体験ができるというものをぜひ実現したいと考えていたんです。
そのことから戦い方がブルースの場合は近接戦のシールドを使った技になっていて、ロックマンの場合、ボスを倒すと得られる特殊武器もブルースに新しい攻撃を追加するシールド技にするという工夫をしています。
あと実はロックマンとブルースとでは、ステージ内の敵配置のセットも違っています。そういったところも意図的にやっていまして、本当に二度遊べて歯応えがあるものというものをしっかり設計して目指しました。
──今回のブルースの先行体験では、3種類のシールド技を使うことができましたが、あれらは最初から使える固定技になるのですか?
生田氏:
いえ、そうではありません。最初から使える技はシールドブーメランの1種類だけになります。残る「ライジングシールド」と「シールドジェット」の2つの技に関しては、ボスを倒してから入手する技となります。
ボスから得られる技については、ほかにも通常の攻撃がさらにパワーアップするというものもあります。全部で8体いるボスを倒すことによって、どんな技がゲットできるのかについても楽しんでいただければと思いますね。
──ブルースもオーバーライドが使えますが、その時の強化状態はロックマンと同じになるのでしょうか。
生田氏:
同じではないですね。ブルースの方が攻撃力が高めです。通常攻撃の射程もちがいますし、最大チャージで使える技も『ロックマン&フォルテ』を遊ばれた方にはご存知の「ビッグバンストライク」になっているという特徴がありますね。
ロックマンは近距離から遠距離も対応できるバランス型となるのですが、ブルースはどちらかと言いますとインファイト型で、自ら接近して戦うのを基本とするというところで、高火力な攻撃を出せるという点でメリハリを付けています。
──ロックマンよりもダメージを受けやすい、または過去作にあったように被ダメージ量が大きいみたいな特徴もなく?
生田氏:
はい、そういった特徴はありません。また、ブルースの技はコマンド入力で出せるようになっています。ロックマンはメニュー画面を開いて武器を選択してから使う形ですが、ブルースはその必要もなく、いつでも連続して技を出せますので、より攻撃的なアクションを楽しんでいただけます。
ただ、逆にそのままだとインファイトが強すぎる部分もありますので、「オーバーヒートゲージ」が貯まると技が使えないという制約を設けています。それを考慮して排熱、クールダウンの動作を挟んで次の戦闘に移っていくという、そういった遊びのテンポ感において、今回はロックマンとの違いを明確に分けています。
小牧氏:
テクニカルだけど、決してネガティブではない……という感じですね。やり込めば使いこなせるようになる面白さが詰まったキャラクターになっています。
生田氏:
流れるようにシールド技を出して、その後にクールダウンでプシュッと排熱するという、この一連の動きが今回のブルースの特徴かなと思っています。
小牧氏:
キャラクター的にも、ブルースには動力炉に問題があるという設定が古くからありますので、それを活かして、「技を使いすぎるとオーバーヒートになるからちゃんと排熱してね」としています。
デザインとキャラクターとしての設定、そしてゲームの遊びがちゃんとリンクしたものというのを、今回のブルースでは狙っています。
──「コマンド入力で技を出せる」と言いますと、対戦格闘ゲームのような複雑な入力がイメージされる側面もありますが、実際の操作はどういった形になっているのでしょうか。
生田氏:
シンプルに遊んでほしいという思いが強くありますので、複雑な操作は要求しない作りにしています。
それでいて、アッパー(ライジングシールド)をキャンセルしてからスライドするみたいな高度な動き方もできるようにしています。シンプルな操作で様々な技を出してもらいつつ、それらを組み合わせる遊びを楽しんでほしいというのが基本になりますね。
──過去作では共通してあった、ブルースの特徴である「被ダメージ量の大きさ」が今回はないとのお話ですが、これはどういった狙いから撤廃されたのでしょうか?
生田氏:
これまでの『ロックマン』では、ロックマンと同じ特殊武器をブルースでも使えるようになっていましたが、今回はそこを変えたいという思いがあったんです。
要はブルース自身をあまり弱体化させず、ポジティブに、積極的に攻撃してほしいというものがありました。
設定的に「ブルースだから体力が少ない、ダメージが大きい」みたいな部分は守る必要もないかなと思っていたことから、今回はロックマンと対等で、戦い方が違うというところを表現しようと、現在の形になりました。
──今回のブルースは近接タイプということで、『ロックマンX』シリーズのゼロを思わせる部分があります。シールドの技を考える際、過去作の技と性質が被ってしまうかも、といった心配や苦労はありましたか?
生田氏:
あまり「過去作のこれに似ている」とかは意識しませんでしたね。基本的には「シールドに色んな機能を持たせたい」という考えがありましたので、たとえばアッパーカットで上方に攻撃するとか、シールドそのものを投げるであるとか、そういった工夫をしています。
今の段階では他の技については言えないのですけど、まずはバリエーションを用意したいと思っていました。
「バランスの良い近接攻撃ができるキャラクターを描きたい」「そのための武器を用意したい」という思いから、今のお披露目している技が作られていった形です。
最初に「盾を使って色んな攻撃をする」というのを決め、色んな技を用意することができましたので、ボスを倒すとどんな技が使えるようになるのか、どのような使い方ができるのかといったを楽しんでいただければと思います。




