TwitterやYouTubeといった私たちが日常的に使っているサービス上で、物語がリアルタイムに展開されていくSNSミステリー「Project:;COLD」の最新作『Project:;COLD 1.8』が3月からスタートした。
「Project:;COLD」とは、現在進行系の未解決事件の目撃者となり、バーチャルキャラクターや他のネットユーザーと協力しながら事件の解決を目指す、視聴者参加型のリアルタイムミステリーだ。
2020年11月から実施された『Project:;COLD 1』では、女子高生6人組が13日周期に謎の死を告げていく、というショッキングな物語が展開。プレイヤーはその事件の目撃者となり、彼女を救うために約3ヵ月間、謎解きや考察を駆使して事件を紐解いていき、2021年2月7日に事件の解決とキャラクターたちの救出に成功する。
「Project:;COLD」はプレイヤーの行動がキャラクターや物語に影響を与え、物語の登場人物の一人として“物語に介入”することができるのが特徴で、作中の時間軸と現実世界の時間が完全に一致している。その物語は人生で一度しか味わえないとされており、それゆえに話題となり、謎解き勢や考察勢などが10万人規模で集結した。
そして待望の最新作『Project:;COLD 1.8』が3月からスタートしたわけだが……今回は前回とは趣が異なるようだ。
簡単に言うと、『Project:;COLD 1.8』は現実世界を舞台とした架空の事件を、自分の手で実際に調査できる、まるで推理ゲームのようなミステリー作品だったのだ。
※電ファミニコゲーマーを運営する株式会社マレは「Project:;COLD」の制作に携わっており、本稿は『Project:;COLD 1.8』の魅力をもっと知ってもらいたい、という想いからできた自社タイアップ記事です。
今回は「すでに起こってしまった事件」を調査・解決する
前作『Project:;COLD 1』では、「女子高生たちが謎の事件に巻き込まれ、次々に死んでいく」様子をリアルタイムに目撃。残された少女たちを何とかして救うために、彼女たちや他のプレイヤーと協力して、事件を紐解いていくこととなった。
対して『Project:;COLD 1.8』では、事件は既に起こってしまっており、プレイヤーは目撃者というよりも、むしろ探偵のようなポジションから事件を紐解いていくこととなる。
ちなみに、『Project:;COLD 1.8』で取り扱われる事件「惨劇の五芒星事件」の概要は以下の通りだ。
■事件現場
茨城県水戸市漆ヶ原中学校屋上■発生日時
2022年3月16日午前6時ごろ■被害者
榊明日美 15歳 梅崎中学校3年・元漆ヶ原中学校3年
豊橋翼 14歳 漆ヶ原中学校2年
坂口悠里 13歳 漆ヶ原中学校1年
水沢康太 13歳 漆ヶ原中学校1年
西峰真央 14歳 漆ヶ原中学校2年■現場状況
互いに刃物で刺し合って意識不明。
現場には血で描かれた五芒星が残っていた。
五芒星は生徒たち自身が描いたものと思われる。
この事件を報じているニュース映像も公開されている。
ところで、こちらの映像に“焦げ跡のようなノイズ”が入っていることに気が付いただろか?
実はこれ、謎解きになっているのだ。
このノイズをフレーム単位で全て書き出すことで“ピックペン暗号”であることが分かる。
復元した英数字をUnicodeで変換すると、「കുട്ടികളെ രക്ഷിക്കൂ」という見たことない文字列になる。
そこで「ക」検索してみると、これがマラヤーラム文字であることが判明する。翻訳サイトでこれを訳すと、「Save the Children=子供たちを救え」となる。
ノイズの焼け跡を図形化
— カワセミ‐鴗‐ (@Alcedo_atthis05) March 18, 2022
↓
テンキーも元に各図形を数字に
ただしdとFはそのままアルファベット
↓
できた英数字の羅列を4文字区切り、unicodeでマラヤーラム語に変換
↓
それを英語に翻訳
↓
「Save the Children」#みやまん考察 #みやまん謎解き#惨劇の五芒星事件考察 #惨劇の五芒星事件謎解き pic.twitter.com/oYz5WjRqrw
ノイズを図形にする→
— まう (@Mauguffin) March 18, 2022
ピッグペン(テンキーにあてはめる)と
Fとdは英語
横長□は0(テンキーの0は横長の為)
→ユニコードで変換すると変な文字になるので
それを再翻訳すると
セーブザチルドレンになる。 https://t.co/wV3CK0vmCb pic.twitter.com/Nu6njPofio
サラサラと書いてしまったが、これがかなりの難問で、ネットの集合知を駆使しても、クリアするのに約13時間もかかった。
解けた瞬間は、経緯も含めて大きく盛り上がり、リアルタイム性のある作品ならではの熱がそこにはあった。
何ができるのか①:被害者のTwitterアカウントを特定
前作『Project:;COLD 1』では、事件の当事者たちからのお願いを聞いたり、彼女たちにこちら側から話しかけたりしたが、今回の事件は、既に全員が意識不明の重体となっている。
つまり、私たちは当事者に対しては、直接的には何もできないのだ。
では私たちは何ができるのだろうか。
答えは簡単で、今回は「事件の調査」ができるようになっている。
具体的に見ていこう。
まず最も分かりやすいのは、事件の被害者の調査だ。
そもそも被害者の子供たちはどのような人物なのか。家庭環境に問題はなかったか、何かトラブルは抱えていたのか。そういったことが見えてくれば、事件の見方もまた変わってくることだろう。
となったときに役立つのがTwitterだ。既に融解班(本作のプレイヤーの名称)の活躍により、被害者5人のTwitterアカウントが特定されている。
【被害者のTwitterアカウント】
・榊明日美(@asumi_sakaki)
・豊橋翼(@iqQRJRt31Q)
・坂口悠里(@sakaguthiyuri)
・水沢康太(@mizukou_uru)
・西峰真央(@mao_parametric)
誰かとどめを刺して
— 坂口悠里 (@sakaguthiyuri) February 26, 2022
辛いよ、もう嫌だ
どうせ、このままただ生きていても地獄なんだ
— 水沢康太 (@mizukou_uru) March 6, 2022
この現実以上に怖いものなんてないはず
あなたもそんなあなたの腹から生まれた私ももうまともじゃないの
— x^n + y^n= z^n (@mao_parametric) March 3, 2022
そして上記のようなツイートをしていることから、家庭環境に問題があったことが推測できる。その他にも様々なツイートがつぶやかれており、そこから被害者が置かれている環境などが明らかになるようになっているのだ。
何ができるのか②:学校の職員サイトにログイン
彼らのことをより知るためには、第三者からの情報も大切になるだろう。ということで、子どもたちが通っていた学校もすでに判明しており、そこから教員のTwitterもすでに特定されている。
さらには、教員たちが仕事で使っていると思われる「教員用サイト」のURLが謎のアカウントより明らかとなり、その後、融解班の活躍によって「ログイン情報」までもが特定されているのだ。
ちなみに特定された経緯としては、職員のTwitterや、後述する学校裏サイトにさまざまな情報が書かれており、そこ得た情報をもとに推測されていった。
例えば、ある先生は、Twitterから『おそ松さん』が好きで、赤塚不二夫氏を尊敬していることからパスワードが特定。
ペットのハムスターの名前、先輩に言ったらサッカー選手由来だと間違われた😁これだからオタクは(←人のこと言えない😄
— MENK (@run_maenaka0912) February 17, 2022
改めて尊敬する人の言葉を見てると涙が出てきた。
— MENK (@run_maenaka0912) March 19, 2022
懸命に夢を見て、その夢を紙の上に実際に描かなきゃならない。
私の舞台は紙じゃないけど、それでも夢を見ないと始まらないのは一緒だと思うから。
またある先生は、『あいのり』にハマっていることが学校裏サイトに書かれており、そこからパスワードが特定された。
そんなことで入手したログイン情報でログインしてみると、クレームの報告書や部活動で使う資料に紛れて、生徒たちの情報が書かれたドキュメントが保存されている。この辺りからも、新たな情報を得ることができる。
※今回はフィクションなので問題ないが、実際にこれをやってしまうと不正アクセスになってしまうので気を付けよう。
なお、公式サイトでは各職員のログイン情報が公開されている。気になる方は、そちらを見て実際にログインしてみるのがいいでしょう。
何ができるのか③:生徒のTwitterアカウントを特定し、学校裏サイトにも入り込め
さて、被害者本人たちのSNS、学校職員の機密情報ときたら、残す手がかりは学校の生徒たちだ。
生徒たちのTwitterも、例のごとく融解班の活躍によって特定されている。それどころか、学校裏サイトまで見つかってしまっている。恐るべし融解班。
【学校関係者のTwitterアカウント】
・徳重隆也(@takaya_toku)
漆ヶ原中学校生徒1年生・もっちりもっちっちー(@motittigakuitai)
漆ヶ原中学校生徒3年生・よるっち(@yorucci)
漆ヶ原中学校生徒2年生
ちなみに漆ヶ原中学校では、行事で「ソーランヒップホップ」という踊り(?)を踊ることになるらしいのだが、
「ソーランヒップホップっていったい……」→Twitterで「ソーランヒップ」と検索→「ソーランヒップ」とツイートしているアカウントを発見→漆ヶ原中学校の生徒でした
という経緯で学校関係者のアカウントが特定されていたりする。
これがうる中の伝統
— リー猫 (@reethecat000) March 17, 2022
_人人人人人人人人人人人人_
> ソーランヒップホップ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ pic.twitter.com/LJA8tciWUk
ソーランヒップホップってなんなんだよ。
— 徳重隆也 (@takaya_toku) March 12, 2022
何代か前のやつらは、なんでソーラン節とヒップホップをまとめてやろうと思ったんだ?
しかもそれを伝統にするとか……うちの学校、頭悪すぎだろ
そして特に興味深いのは学校裏サイトだ。
匿名がゆえに様々なことが書かれており、被害者たちの環境の解像度が一段階向上する。面白いことに、この学校裏サイトは、この記事を執筆している今なお更新され続けている。かなり生々しいが、気になる方は覗いてみるのがいいだろう。
事件を調査し「誰が」「なぜ」事件を起こし、その解決策を導き出せ
『Project:;COLD 1.8』では、明確に目的が提示されている。
それは、【①誰が】、【②なぜ】事件を起こし、【③どうすれば】事件が解決するのか、である。
現在は、これらの目的を導き出すために、TwitterのコミュニティやDiscordサーバーなどで、事件の調査が進められている状況だ。
Discordに「惨劇の五芒星事件」考察サーバーを作ってみました!https://t.co/z9Z9eZBykl
— C@未来人大好き (@C_SuperHacker) March 18, 2022
ちなみにこのDiscordサーバーは、融解班たちと同じように事件を追っている「C」というキャラクターが作ったものだ。彼女は茨城県在住のオカルト大好き女子高生で、プレイヤーは彼女とSNS上でやり取りをしながら、事件の解決を目指すようになっている。
「C」は「現代SF探究サロン」というWebサイトも運営しており、そこで事件の情報を発信しているほか、YouTubeでも事件の続報を伝えている。この事件に興味を持った方は、まずはそちらを見るといいだろう。
また、なんとなくでいいから作品全体のことを知りたいという方は、公式サイトにて物語のまとめが随時更新されているので、ぜひそちらもご覧いただきたい。公式サイトを見れば、だいたいのことが分かるようになっている。
ある程度どういう話で、何が起こっているのかが掴めたら、公式TwitterやTwitterコミュニティ、そしてDiscordサーバーを追ってみるのがいいだろう。なお、『Project:;COLD 1.8』は、TwitterコミュニティやDiscordサーバーに参加しなくても楽しめるようになっている。
『Project:;COLD 1.8』は始まったばかりだ。今からでもまだ追いつけるぞ。