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「ボカロ」×「オーケストラ」って本当に相性が良いのか!?異色のプロセカオーケストラコンサート「セカイシンフォニー2022」に行ってみた

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 この記事は『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』の楽曲が東京フィルハーモニー交響楽団とスペシャルバンドの生演奏によって披露されるコンサート、「セカイシンフォニー2022」昼公演のライブレポートとなっている。

プロセカ楽曲を東京フィルハーモニー交響楽団が生演奏する異色のオーケストラコンサート「セカイシンフォニー2022」に行ってみた_001

 しかし、私はこのライブに行く前にひとつの疑問を感じていた。

 そもそも、「ボカロ」と「オーケストラ」って、本当に相性がいいのか!?

 一応「初音ミクシンフォニー」【※】だったり、そもそもこの「セカイシンフォニー」自体が昨年も開催されてはいるので、この異色のコラボの魅力は折り紙付きだとは理解してはいるのだが、実際に足を運んだことがないため、やっぱり個人的に「ボカロの曲をオーケストラで生演奏するって、一体何がどうなるんだ……?」という疑問を持たずにはいられなかった。

 やっぱりこう、「ボーカロイド楽曲」と「オーケストラ」は両極に位置するジャンルというか、ロマネスク様式の荘厳なお屋敷の大広間に突如として1680万色に発光するゲーミングPCが出現したような、そんなアンビバレンスな雰囲気を感じてしまう。
 いやもちろんどちらも素晴らしい音楽ジャンルであることに間違いはないのだが、このふたつが組み合わさった時に、一体どんな化学反応が起きるのか、皆目見当もつかない!

※「初音ミクシンフォニー」
2016年より開催されている初音ミク×東京フィルハーモニー交響楽団によるフルオーケストラ編成のコンサート。今回の「セカイシンフォニー」ではプロセカ書き下ろし楽曲を中心に曲が披露されたが、「初音ミクシンフォニー」は既存のボーカロイド楽曲を中心に曲が披露される。

 今回の記事はそんな「ボカロ」×「オーケストラ」の魅力を知らなかった人間が、「セカイシンフォニー2022」で初めてその化学反応を目の当たりにするライブレポートとなっている! 今回のコンサートに行けなかった方も、当日参加した人も、ぜひこのレポートから現地の感動やその衝撃を感じていただけると幸いだ。

 「セカイシンフォニー2022」セットリスト
1.ワーワーワールド(作詞:Mitchie M/作曲:Giga & Mitchie M)
2.needLe(作詞・作曲:DECO*27)
3.ステラ(作詞・作曲:じん)
4.モア!ジャンプ!モア!(作詞・作曲:ナユタン星人)
5.Color of Drops(作詞・作曲:40mP)
6.RAD DOGS(作詞:q*Left/作曲:八王子P)
7.シネマ(作詞・作曲:Ayase)
8.Glory Steady GO!(作詞・作曲:キノシタ)
9.トンデモワンダーズ(作詞・作曲:sasakure.UK)
10.命に嫌われている(作詞・作曲:カンザキイオリ)
11.アイディスマイル(作詞・作曲:とあ)
12.限りなく灰色へ(作詞・作曲:すりぃ)
13.ジャックポットサッドガール(作詞・作曲:syudou)
14.カナデトモスソラ(作詞・作曲:Sasanomaly)
15.群青讃歌(作詞・作曲:Eve)
16.ビターチョコデコレーション(作詞・作曲:syudou)
17.チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!(作詞・作曲:和田たけあき(くらげP))
18.トラフィック・ジャム(作詞・作曲:煮ル果実)
19.地球最後の告白を(作詞・作曲:kemu)
20.ray(作詞・作曲:藤原基央)
21.セカイ(作詞:DECO*27/作曲:堀江晶太(kemu))

文/ジスマロック


見つけようセカイを 君である証を

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写真撮影:国府田利光氏

 「セカイシンフォニー2022」の開演前のナレーションは「25時、ナイトコードで。」のメンバーが担当。朝比奈まふゆの口から「ライブ中は非常口の非常灯が消灯する演出があるから、気をつけてね……」といった注意事項が読み上げられる。いや、ニーゴが注意事項読んでるだけでちょっと面白くない?

 まず開幕の1曲は『ワーワーワールド』Giga氏Mitchie M氏が作詞・作曲を担当するアップテンポかつEDMのようなノリが取り入れられた曲であり、合間になんとラップパートすら挟まる楽曲。今回のセカイシンフォニーはインスト版……要は歌なしでオーケストラ演奏のみで披露された曲がいくつかあるのだが、なんと『ワーワーワールド』は初手からオーケストラ演奏のみで披露!

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写真撮影:国府田利光氏

 いや……めっちゃ合ってるやん!

 何かもう記事の冒頭で煽った「ボカロとオーケストラの相性っていいのか!?」みたいなフックの部分が既に破壊されてしまいましたが……めっちゃ合ってるやん!!

 前述のこはねのラップパートはトランペットとトロンボーンが担当し、イントロのフルートソロも相まってEDMチックな曲が大胆にシンフォニックにアレンジされている。……しかも原曲の良さを損なうことはなく! いやすごいわ東京フィルハーモニー交響楽団……全然オーケストラ詳しくない私でも名前だけは聞いてたけど恐れ入ったわ……。

夜鷹のように高く空を駆けて往けたら 綺麗だって囃されて特別になれたのに

 続いては「Leo/need」のターン! 曲が始まる前にはレオニメンバーによる幕間のMCも挟まれるのですが、ここでモニターに映し出される一歌咲希の会話が実際のゲーム画面と同じ表示で繰り広げられるのが嬉しい! 見慣れた会話画面!!

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画像は一例となっていますが、この見慣れたUIと同じ画面でキャラクター同士の会話が繰り広げられました。

 そしてここからはキャラクター達の歌唱+オーケストラで生演奏が行われる! 披露された楽曲は『needLe』『ステラ』の2曲! いやでも「Leo/need」ってバンドミュージックがメインのチームですよ? いくら東京フィルハーモニー交響楽団と言えど、流石に難しくないですか?

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写真撮影:国府田利光氏

 いや……めっちゃ合ってるやん!!

 レオニの筆頭楽曲とも言える『needLe』は原曲のイメージを崩すことなく弦楽器のストリングスが透明感を演出。それと同時にレオニ楽曲の爽やかさと儚さが同居したような空気感を崩すことなく、生演奏でより力強い曲調へと仕上がっている!

 そして2曲目の『ステラ』! いや、これよこれ!! 何でこんなにテンションが上がってるのかっつーと、私は小~中学の頃にモロ「カゲロウプロジェクト」直撃世代だったものですから、カゲプロ全般の作詞・作曲を担当していたじん氏がプロセカオリジナルとして書き下ろしたこの『ステラ』にはもう並々ならぬ思い入れがある訳ですよ!!

 しかも『ステラ』は今年の1月に開催された『プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 1st -Link-』(以下、『セカライ』【※】では披露されなかったので、ついに生で『ステラ』が聞けただけでなんかもう感極まって涙が出てしまいました。いや、3曲目で泣くのはいくらなんでも早すぎると思われるかもしれませんが、私にとって『ステラ』はそれぐらい大事な曲なんですよ!!!

※『プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 1st – Link-』
一応フォローを入れておくとセカライの『needLe』『フロムトーキョー』『ヒバナ -Reloaded-』『ドラマツルギー』という4曲も最高だったので、決して『ステラ』が無いことが不満だったという訳ではないです。Leo/need、最高!

 そして演奏中のバックモニターではプロセカ珠玉のイラストが流れる。『needLe』の最中はレオニメンバーのイラストが、『ステラ』の演奏中にはLeo/needのバーチャル・シンガーたちのカードイラストが楽曲を彩る。惨めになって嫌になったって輝いてる夢を叶える羽は疾っくの疾うに生えていたんだよなぁ……

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モア&モア! 愛をもっと! ジャンプ&ジャンプ! こんなもんじゃないぞ!

 ここからは「MORE MORE JUMP!」のターン! レオニに引き続き、モモジャンも担当楽曲が始まる前の幕間のMCを務めます。愛莉先輩の「たくさんお客さんが居るわね!流石大人気の『セカイシンフォニー』ね!」というセリフもかなり面白いのですが、今回のキャラクターによるMCは、あくまで「セカイシンフォニーの会場にプロセカのキャラが遊びに来ている」という体で行われます。

 先ほど紹介した「セカライ」でも、あくまで「観客が『セカイ』を通じてプロセカのキャラクターたちと邂逅を果たしている」という体で行われていたり、リアルライブでもしっかりとゲームの設定を生かした上で、ストーリーを展開してくれる真面目さが『プロジェクトセカイ』というコンテンツの良いところだと思います。

 しかし、これから披露される『モア!ジャンプ!モア!』『ダンスロボットダンス』『エイリアンエイリアン』などの作詞作曲を務めたナユタン星人氏によるゴリゴリのアイドルソング。いや、いくら東京フィルハーモニー交響楽団と言えど、流石にアイドルソングは無理なんじゃないか……? 東京フィルハーモニー交響楽団だって万能の神じゃないんだからさ……

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写真撮影:国府田利光氏

 いや……めっちゃ合ってるやん!!!

 あれ? なんかもうこのくだり3回ぐらいやったような……いやそうじゃなくてですね! あの『モア!ジャンプ!モア!』がちゃんとオーケストラ楽曲として披露されてるんですよ! この曲はそもそも楽曲自体のテンポがとても速いのですが、ストリングスとシンセサイザーのユニゾンが上手く噛み合い、「ハイテンポアイドルオーケストラ」という何が何だか分からないジャンルへと進化している!

 そして続いての『Color of Drops』雫先輩がセンターなだけはあって美しく透き通る曲調が印象的。原曲の時点でかなりオーケストラとの相性が良さそうだったし、予想通り原曲の良さはそのままに、オーケストラが上乗せされることでさらに強化!!

 こちらの2曲でもレオニと同じくバックモニターにモモジャンメンバーのイラストが映し出される。セカイシンフォニーに参加された方は、そろそろこの辺で「プロセカのイラストをじっくり見たいな……」と思い始めていたのでは?

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著者私物の資料集

 そんなアナタのために……なんと「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク 公式ビジュアルファンブック」という物が存在する。こちらの公式設定資料集は各キャラクターのSSRイラストやライブ衣装、果てにはイベントやガチャのタイトルロゴまで、プロセカのアートワークが網羅された資料集となっている!

 なので、今回のライブでカードイラストを改めてじっくり眺めたくなったそこのアナタはぜひ購入を検討してみてください。

 ちなみに上の写真のビジュアルファンブックは、私が4月に都内に越した際にリアル友人の方から「引っ越し祝いになんかプレゼントするよ」と言われて「いやこれ仕事道具なんで! これ仕事道具なんで!!」と訳の分からない言い訳をこねながら買ってもらったビジュアルファンブックです。つ、ついにちゃんと仕事道具としての力を発揮した! ありがとうございます!!!

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ライター
転生したらスポンジだった件
Twitter:@yomooog

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