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昭和の香り漂う正統派ホラーノベルと思っていたら…突然の呪殺バトル勃発!? 『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』にガッツリ心惹かれた話

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 こんにちは、ヒゲフサと申します。

 突然ですが、もし貴方が「死んでしまった人を蘇らせることができる」という秘術を知ったならば、どうしますか……?
 それを行使するためには、大勢の人を殺さねばならないとしたら……?
 そのための「呪いの力」を手に入れてしまったら……?
 あえて我関せずを貫くか、それとも力に飲まれてヒャッハーするのか……?

 今回は2023年3月9日にリリースされ、高評価うなぎのぼりの『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』にガッツリ心惹かれたので、紹介させていただきます!

文/ヒゲフサ
編集/柳本マリエ

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』レビュー:突然の呪殺バトルが面白い_001

テキスト系ホラーノベルの皮を被った能力バトルものだコレェ!!

 『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』(以下、『パラノマサイト』)は、実在する怪談「本所七不思議」を基にした《蘇りの秘術》を巡り、我欲に翻弄される人々の物語です。

 ホラーテイストではありますが、その多くを占めるのはミステリー。特に謎解き部分が秀逸なので、ミステリー好きな方にぜひおすすめしたいです。
 怪談話に秘められた真実や、呪いを行使しようとする人々の思惑、《蘇りの秘術》が巻き起こす真の恐怖……。絡み合った様々な謎が、プレイヤーの手で明かされていく醍醐味がたっぷりと味わえます!

 舞台となっているのは昭和後期の墨田区。ほんのりレトロな雰囲気が漂う、独特の空気感がたまりません。

 まずは主人公の「興家彰吾」くんを操り、物語が始まります。なかなかのイケメン。

興家彰吾

 序盤からかわいい女子と深夜の公園でキャッキャして非常にいいムードですが、まだカップルではないとのこと。
 でも、そつなく楽しく会話できている彰吾くん。さては陽の者だな……? フゥン……

盤からかわいい女子と深夜の公園でキャッキャしている彰吾くん

 いろいろありまして、このあといわくアリアリの「呪詛珠」をゲットする彰吾くん。

「呪詛珠」説明文

呪詛珠「置いてけ掘」の 呪いの力で
自身の前から 立ち去ろうとする者を
呪い殺せるようになりました。

対象が立ち去るタイミングで
[呪詛行使]ボタンを押下してください。

 うん、いや、え? 「呪い殺せる」?

特大フォントの「殺せ」
特大フォントで「殺せ」コール!! ハ?

 いやもう、この「殺せ」のクソデカフォントだけでもおもしろい。「テキストホラーノベルは久しぶりだぁ〜」などとのんびり構えていたところに、唐突な呪殺バトルが勃発しました!

 『ハ●ター×ハ●ター』『Fat●』『J●J●』など、いろんな能力バトルが頭をよぎります。そしてここで「思っていたジャンルとだいぶ毛色が違うな……?」と気づきました。

 「ホラーというより……楽しいな……????」

 そう、無力な主人公が主役の物語とは違う。自分は今、『強力な呪殺能力』を手にしたのだから……!!

「さあ 呪い殺せ!」のメッセージ

 よっしヤるぜ~~~!!!!!!
 人生なんて、ヤるかヤられるかですわ~~~~!!

 とはいえ、これは呪詛珠を使った呪殺能力バトル。相手も同じ呪殺使いなので一筋縄ではいきません。殺す覚悟があるなら、殺される覚悟もしないと……ネ!

死亡シーン1
死亡シーン2
興家彰吾 死亡
わぁ〜死んだぁ〜

 呪殺能力バトルは意外とカジュアルに死亡します。そして気軽にやり直せる。
 こうして筆者は呪殺能力バトルにすっかりハマってしまいました。しかしこれはまだ序盤も序盤。今後どんどん物語が濃密になっていきます。 なんだこの楽しさは……!

「コヤツ……できるな!」となるシステムが面白い

 筆者はB級ホラー映画を嗜んでいるので、ホラーには多少の免疫があると自負しております。
 特にテキスト系ホラーゲームは、アクション系よりも静的な部分で恐怖を感じさせてくれるところが好みだったりします。ありていに言えば文章力やシナリオ構成面。ただ、あまりにも読書一辺倒だと、文字送りの最中にウトウトしてしまうこともあり(年かな……)。

 あとは音。効果的なSEや不安を伴うBGMもテキスト系ホラーには大切ではないでしょうか。

 それらが渾然一体となって恐怖心を煽ってくると「コヤツ……できるな……!(ワクワク)」となるわけです。

 それが本作『パラノマサイト』でした。テキストメインなのに飽きずにプレイできるのは、「読む」以外にも操作させる部分が多いから。もちろんじっくりと読み進める部分もありますが、プレイヤーが能動的に関わることも重要なのです。

 たとえば背景がパノラマビューになっている時は、任意で視点を360度動かすことができます。これがなかなか恐怖心を煽る!
 だって振り向くのって怖いじゃないですか。こんなとこで操作の主導権を渡されても……!

360度動かせるパノラマビュー

 「どうせここでビックリさせるんでしょ!!」と、ビクビクしちゃうヤツです。実際に手法としてのドッキリ演出は少しあります(これが苦手でホラーが嫌いな人もいらっしゃるとは思いますが……!)。
 それ以外にも「システム上の仕掛け」がちょくちょく出てくるので、飽きずに遊べてしまう。その仕掛けは謎解きにも関わってくるので、解答をひらめいた時のカタルシスは半端ないです。詳しくはネタバレになってしまうので、本稿では控えておきますね!

魅力的なキャラクター群

 そして『パラノマサイト』でさらに推したい点は「主要キャラクターたちが個性的」なこと。

 キャラ同士の会話が軽妙でユーモアたっぷりなうえ、それを補完する形で立ち絵が表情豊かに取り揃えられており、個性を際立たせるのに一役買っています。
 とにかくテンポのよい会話に「こいつら面白いな」と愛着がわいてしまいました。

 凄惨な事件に関わるキャラたちでも、たまに「コラ! 君たち! 呪い合いのバトル中ですよ!」とツッコミたくなるような、トンチキ会話がちょいちょい出てくるところが楽しい。

 筆者の一押しは、津詰徹生と襟尾純の漫才刑事たちです。いや、漫才してる訳ではないのですが、漫才にしか見えない。こんな上司が欲しかった。

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』レビュー:突然の呪殺バトルが面白い_002

 そんな愛しいキャラクターたちが右往左往して呪ったり呪われたり駆け引きしたりキャッキャしたりと、様々な人間模様を見せてくれる『パラノマサイト』。

 七不思議の謎&彼らの行く末を、ぜひぜひご自身の手で解明していただきたいです!!

 そして現在、公式Twitterによるとラインスタンプが鋭意製作中とのこと。並垣くんやマダムのスタンプ使いたいなあ!! 完成を楽しみにしています!

 スタンプだけでなく続編も出してほしいですね。いや、むしろすでに次回作の企画が進行していてほしいなぁ……!(願望)

 『パラノマサイト』は現在発売中。プラットフォームはNintendo Switch、Steam、iOS、Android(※いずれもダウンロード販売のみ)となっております。

ライター
いにしえからのライトゲーマー。アクションゲームや対戦ゲームはヘタクソ人間。健康に気遣いつつゲームを遊びたいお年頃。たまにゲームプレイ日記をかいたりしてます。
Twitter:@higehusa

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