日本時間の6月13日(火)に開催された「Ubisoft Forward」にて、12月7日(木)の発売がアナウンスされた『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』。同時期にアメリカ・ロサンゼルスで実施されたメディア向けイベントでは、本作の特設ブースも設けられた。
本稿ではブースにて行われた映像をベースとする『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』のゲームプレイの解説、およびアソシエイト・ゲームディレクターを務めるDrew Rechner氏へのインタビューの模様をお届けしていく。
文・取材/久田晴
ジェームズ・キャメロン監督による人気映画シリーズがオープンワールドゲームに
本作はジェームズ・キャメロン監督による映画『アバター』シリーズを題材とする一人称視点のアクションアドベンチャーゲームだ。原作映画は神秘的な風景が特徴の惑星・パンドラを舞台にした物語を描き、2009年に公開された第1作『アバター』は世界歴代1位の興行収入を記録した歴史的な作品である。
『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』ではパンドラの先住民族・ナヴィと、映画『アバター』にも登場した資源開発公社・RDA社の対立を中心に物語が展開していく。なお、本作の物語はゲームオリジナルとなる模様だ。
プレイヤーが操る主人公はRDA社に拉致されたナヴィのひとりで、RDA社の目的のために人間の武器を扱う訓練を受けさせられて育った。しかし、15年の時を経て自由を手にした主人公は失われた伝統とのつながりを取り戻し、他部族と協力してパンドラをRDAの手から守り抜くために立ち上がる。
ゲーム中では美しいパンドラの大自然あふれる風景をオープンワールドで表現。人間をはるかにしのぐナヴィの身体能力を活用したり、空を飛ぶ「イクラン(バンシー)」、大地をかける「パリー(ダイアホース)」といった動物に騎乗して世界を探索していく。
マップ中で集めた素材で装備を強化したり、料理を作って能力を向上させたりと育成要素も充実。上述の「イクラン」についても装備品が用意されており、頭につける飾りやカラーなどを自分好みにカスタマイズできるという。
また、本作の主人公は上述したように人間の武器を扱う訓練を受けた「ふたつの世界の子ども」のため、ショットガンやアサルトライフルなどといった近代兵器を運用できる。一方で弓や槍といったナヴィの伝統的な武器で戦うことも可能なため、プレイスタイルや戦況に応じて選んでいく形となっていくようだ。
このたび公開された映像ではRDAの基地に乗り込み、ときには弓、ときには銃火器を使って人間たちを制圧する様子も映し出されている。映画にも登場した「AMPユニット」などの立ちはだかる敵を打ち倒してRDAの施設を破壊すれば、パンドラの自然がよみがえり、世界の明確な変化を感じられるとのこと。
『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』はPS5、Xbox Series X|S、PC向けに12月7日(木)に発売予定。キャンペーンモードのすべてを、シングルプレイだけでなくオンラインを通じたふたり協力プレイでも楽しめる。
以下にはイベント会場で実施した本作のアソシエイト ゲームディレクター・Drew Rechner氏へのインタビューを掲載する。本作のストーリー、システムの両面についてより細かくうかがうことができたので、ぜひ最後までご一読いただきたい。
『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』:アソシエイト ゲームディレクター・Drew Rechner氏インタビュー
──今回、作品の設定をお聞きして一番気になったのが、主人公の「人間に訓練されたナヴィ」という設定でした。どのような理由でこういったバックボーンを選ばれたのでしょうか?
Drew Rechner氏(以下、Rechner氏):
私たちは、主人公がナヴィとして自分を再発見していく物語を描きたいと思い、こうした設定を採用しました。なぜかと言えば、多くの人にとって「自分とは?」という疑問は普遍的なものであり、それをテーマとすることで幅広いプレイヤーの方に物語に興味を持っていただけると考えたからです。
──なるほど。その「ふたつの世界の子ども」という設定のお陰で人間の武器・ナヴィの伝統的な武器の両方を使う多彩なアクションが楽しめるというわけですね。こちらの武器の使い分けについてなのですが、どちらかに偏りすぎるとストーリーに影響がおよぶといったことはないのでしょうか。
Rechner氏:
はい、武器の運用がストーリーに影響を与えることはありません。なので皆さんには、本当に望むがままに自由に武器を選んでいただけます。
ただ、全体的な傾向としてナヴィの武器は静かで精確、ステルスに向いた性能に調整されています。反対に人間の武器はステルスにはあまり向きませんが、代わりに高い破壊力で制圧することができますね。私は最初はナヴィの武器を使ったステルスで進み、敵にバレてしまったら人間の武器で派手に戦う、という流れになることが多いです(笑)。
また、武器以外の装備にもステルス寄り・乱闘寄りと性能の差異がありますので、プレイスタイルに合わせて組み合わせると高い効果を発揮してくれるでしょう。
──今回の映像では、大自然に生きる動物たちの姿も非常に印象的でした。特に目立つ「イクラン(バンシー)」の存在だと思いますが、プレイヤーキャラクターのように彼らを育てていくことはできるのでしょうか?
Rechner氏:
「イクラン」にもカスタマイズ要素を用意してはいますが、育成というよりは運用方針を考えるといった形に近いものになっていますね。彼らも本作における重要な要素のひとつですので、今後あらためて色々とお伝えできることもあるかと思います。
──ありがとうございます。「イクラン」以外の動物についてはどのようなインタラクションが行えるのでしょうか。例えば「パリー(ダイアホース)」には騎乗している様子も確認できましたが。
Rechner氏:
本作には多彩な動物が登場しますが、いずれも大きく3種の行動パターンに分かれています。ひとつがプレイヤーを見ると逃げていく被捕食者的な動物、もうひとつがプレイヤーに襲いかかってくる好戦的な動物ですね。最後のひとつは自分からは襲ってきませんが、テリトリーを守るように動いている動物といった具合になっています。また、地域によって生息している動物の種類も変化します。
ただ、全体を通して「動物を狩る・殺す」といった接し方だけではなく、動物を助けたり、背中に乗せてもらったりといったフレンドリーなインタラクションを充実させていきたいと考えています。動物についてもまだまだ用意している要素はあるのですが、現時点ではちょっとお伝えすることはできず、今後の発表を楽しみに待っていただけると嬉しいです。
──楽しみにしております! それでは、最後に日本のファンに向けたメッセージをいただけますでしょうか。
Rechner氏:
今回の作品は「ナヴィになりきる」という点を何よりも大きな魅力としていますので、ぜひその体験を味わっていただけたら嬉しいです。また舞台はパンドラですが、映画とは異なる新しいストーリーを描いていきますので、映画をご覧になった方にも新鮮な味をお届けできると思います。もちろん、映画を観ていない方も存分に楽しむことができます!
──ありがとうございました。(了)