12月16日は『METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER』が発売された日だ。
『METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER』(以下、『MGS3』)は、2004年12月16日にKONAMIからPlayStation 2用ソフトとして発売された。PS2では『MGS2』に続いてリリースされた、『メタルギア』シリーズの正史5作目だ。
第1作の『メタルギア』よりも以前、東西冷戦が繰り広げられていた1960年代が舞台となっており、現在のところシリーズの時系列で最も古いミッションが描かれている。言わば“スネーク”の原点となる作品だ。
CIAはソ連の兵器開発者ソコロフを亡命させるため、隠密部隊「FOX」を送り込んだ。“特殊部隊の母”と呼ばれる「ザ・ボス」の最後の弟子であるFOX隊員ネイキッド・スネークは、たった1人でソ連領内へと潜入する……。
『MGS3』の物語で重要な役割を担うスネークの師、ザ・ボスや、スネークをサポートする女性スパイのEVAなど、個性的なキャラクターが次々に登場。シリーズを通して暗躍する射撃の天才、オセロットの若き日の姿も見ることができる。主題歌「Snake Eater」が流れるオープニング映像は、映画『セブン』などで知られるカイル・クーパー氏が手がけており、映画『007』シリーズを思い起こさせるようなインパクトのある内容だ。
そして本作で語られたネイキッド・スネークの物語は、これ以後の正史シリーズの時系列である『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』や『METAL GEAR SOLID V』へと受け継がれていく。
『MGS3』のゲームプレイは、ジャングルや森林などの大自然が舞台となるのが大きな特徴だ。『メタルギア』シリーズはステルスアクションゲームと呼ばれるジャンルを切り拓いたことで知られているが、『MGS3』以前は物陰に隠れるといった形でのステルスになっていた。これに対して『MGS3』では、周囲の環境に合わせた迷彩服やフェイスペイントを施すことで、「カムフラージュ」によって敵の目を欺くことができる。カムフラージュ率が高いと目の前にいる敵にも気づかれないなど、過去作とは異なる新たなステルスを体験できる。
また大自然を舞台とした『MGS3』では、ミッション中に負った傷を自分で応急処置したり、野生動物を捕獲して食料にしたりといったサバイバルの要素が採り入れられている。『MGS』シリーズと言えば遠隔地からバックアップする仲間との通信がおなじみだが、野生動物の捕獲に関しては特に大量の音声が収録されている。新たな動物を発見するたびに、スネークと仲間たちの間で「これは食えるのか?」「で、味は?」と会話が繰り広げられるので、こちらも要注目だ。
『MGS3 SNAKE EATER』の発売から1年後の2005年12月22日には、PlayStation 2用ソフト『METAL GEAR SOLID 3 SUBSISTENCE』が発売されている。こちらはカメラモードやコスチュームなどが追加された『MGS3』本編に加えて、MSX2版『メタルギア』2作の復刻版やオンライン対戦ゲーム『METAL GEAR ONLINE』(現在はサービス終了)なども同梱されたバージョンだ。
また本作は『METAL GEAR SOLID 3 HD EDITION』として、2011年にPS3とXbox 360、2012年にPlayStation Vitaでリリースされている。さらに2023年には『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION』の1作としてPlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch、PC(Steam)でリリースされており、現行機種でもプレイ可能だ。
2012年3月8日には、ニンテンドー3DS用ソフト『METAL GEAR SOLID SNAKE EATER 3D』が発売されている。ストーリーなどは『MGS3』そのままだが、ニンテンドー3DSならではの3D立体視に対応しているほか、本体カメラで撮影した画像をコスチュームにする機能や、タッチスクリーンによる操作などが盛り込まれている。
2023年5月には『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』と題された、新たなリメイクが発表された。2023年現在、発売時期も含めた詳細は不明だが、PlayStation 5やXbox、PC(Steam)での発売が予定されており、既発表の映像からも最新機種にふさわしい美麗なグラフィックとなることが伺える。ファンに強く支持されている『MGS3』が、今後どう進化していくのか楽しみだ。