5月14日は『GUILTY GEAR』第1作目が発売された日だ。
1998年5月14日にアークシステムワークスから発売された初代PlayStation用ソフト『GUILTY GEAR』は、2024年現在も人気の高い対戦格闘ゲームシリーズの第1作目だ。主人公ソル=バッドガイをはじめとするクールで個性的なキャラクターたちがド派手な技をスピーディーに繰り出す爽快感や、ハードロックサウンドといったシリーズの魅力は、本作の時点ですでに確立されている。
22世紀の未来、人類は魔法理論に基づいて、人や動物を素材にした生体兵器「GEAR」を生み出した。ところが「ジャスティス」と名乗るGEARは、他のGEARを従えて人類に宣戦を布告。人類は対GEAR組織「聖騎士団」を結成し、100年に渡る大戦の末にジャスティスを封印した。それから5年、ジャスティス復活の懸念が世界を覆うなか、第二次聖騎士団の結成に向けて、団員選考のための武道大会が開催された……。
ボスキャラも含めて全13名のキャラクターが激突する2D対戦格闘ゲームの本作では、相手をきりもみ状態で宙に吹き飛ばす「ダストアタック」や、ボタン押しっぱなしで一部の必殺技を強化できる「チャージアタック」などを駆使して勝利を目指す。なかでも、殺界を発生させた状態で一撃必殺技を発動させると、残りのラウンドに関わらず即座に試合に勝利できるというシステムは、インパクト抜群だ。
主人公のソル=バッドガイやそのライバルである聖騎士団のカイ=キスクなど、シリーズでおなじみのキャラクターの物語はここから始まっており、本作はまさにシリーズの原点と言える。しかし、1998年の発売時には家庭用ゲーム機オリジナルの完全新作ということもあり、一部で話題となったものの、そこまで大きな知名度を獲得するまでには至らなかった。
転機となったのは、第2弾の『GUILTY GEAR X』が2000年にアーケードでリリースされたことだ。これにより一躍注目を集めて、2024年現在もなお続くほどの高い人気を獲得した。この『GUILTY GEAR X』と、シリーズ第3弾の『GUILTY GEAR XX』は、家庭用ゲーム機への移植やバランス調整などでさまざまなバージョンが送り出されている。
2007年にXbox360で登場した『GUILTY GEAR 2 -OVERTURE-』は、3Dのオンライン対戦ゲームとなってファンを驚かせた。3DアクションとRTSが融合した独自のゲームシステムは「メーレーアクション」と名付けられていたが、強力な技を持つキャラクターがサーバント(ミニオン)を率いて敵拠点の制圧を目指すそのプレイスタイルは、後のMOBAを先取りしていたとも言えるだろう。
シリーズがふたたび対戦格闘ゲームへと返り咲いたのが、2014年の『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』だ。この作品では、シリーズの特徴であった2Dの手描きアニメーションによるダイナミックな表現を、3DCGのトゥーンシェイドによって見事に再現。ゲーム部分とストーリーパートの双方で、大迫力の映像が展開されている。
2021年にリリースされた『GUILTY GEAR -STRIVE-』では、これまでのシリーズの流れを引き継ぎつつ、次世代の新たな表現を追求。3DCGを駆使したそのビジュアルは、より映画的な表現へと進化している。第1作目から繰り広げられてきたソル=バッドガイの物語がついに決着する本作は、2024年現在、シーズン3まで展開されているシリーズ最新作となっている。
初代PlayStationで登場した『GUILTY GEAR』第1作目は、後にPSP、PS3、PS Vitaのゲームアーカイブスとしてリリースされたほか、2019年にはPS4、Switch、PC(Steam)でダウンロードソフトとして発売されている。2024年現在、第1作目をはじめとする『GUILTY GEAR』シリーズの流れはSteamなどで追うことができるので、この機会にぜひ触れてみてほしい。