リソース管理に悩み苦しむ快感
敵の思考が厳しめなのに頭を悩まされるいっぽう、常にリソース管理のジレンマに襲われるのも本作のおもしろ苦しいポイントだ。
26種類ものユニットはそれぞれ性能そのものの特性があるのはもちろん、単純な性能差やクリティカルの出しやすさで強弱も存在する。
槍兵は剣士の2倍ちょいのコストで作れるにしてはやたら強く、クリティカルも狙いやすいのでポンポン作りたくなってしまうし、移動力に優れる騎兵に大ダメージが与えられるのも心強い強ユニットだ。とくに序盤にはなにも考えずに作りたくなってしまう。
転じて剣士や犬は安くて移動力に優れるもののあまりにも脆く、剣士はクリティカルも狙いづらいのでどうしても運用に及び腰になってしまう。
が、剣士や犬は弓兵に強いというメリットもあるんだよな。
弓兵はこちらに近づかずにチマチマ遠くから攻撃してくる嫌なやつなので、ここに強打を与えられるというのは心強い。「移動力に優れる」という特性もここにマッチしていて、ほか兵種の後ろに控えてることが多い弓兵に奇襲を加えやすいというのもある。
ここらへんのバランス取りがかなり奇跡的にうまいんですよねこのゲーム……。
これは高コスト帯でも同様で……例えばドラゴン。彼は飛行可能ですさまじい移動力を誇り、攻撃力もものすごく高く、さらに「地上兵力に攻撃するだけ」というユルユルのクリティカル条件を持っていて作中屈指の殲滅能力を誇る。
歩兵騎兵の類はもちろん、最強の地上兵力のゴーレムや、地上拠点をバンバン海から砲撃してくる軍艦といった強力なユニットもかんたんに燃やし尽くすことが可能なわかりやすい強キャラだ。
が、こいつばっかり量産してりゃあいいかというとそうでもない。こいつ空対空能力がないんだよ!
だから同じ空中職のハーピーや魔法使いには一方的にボコボコにされてしまう。
加えて地対空能力を持つ錬金術師やバリスタ、ハープーン船に殴られるのにもめっぽう弱い。
とくに体力マンタン時のバリスタやハープーンに攻撃されると一撃で落とされてしまううえに、こいつらは射程6という圧倒的長射程を誇っているので存在そのものが対ドラゴンへのバリアーとして機能している。
倒したいユニットの半径6マス以内にバリスタやハープーンがいると次の敵フェーズでドラゴンが落とされてしまうので、そうなると消費リソースと帳尻が合わない……ってなってドラゴンを進軍させられない、みたいな状況が頻出する! ここのバランス取りも絶妙なんですわー。
こういうジレンマがめちゃめちゃ発生するんだよなあ! もどかしい! うまく作ってやがる! おもしろい!
『2』にはローグライクモードも搭載! 一生遊ばせるつもりなのか
ストーリーも人が死んだりとか悲劇っぽい展開もあるにはあるけど全体的にはユルくてかわいらしく、みんなで手を取り合う物語で楽しく読める。
お気に入りは森の民・フローラ族のヌルと、当面のヴィランとして渋かっこよく活躍するアンデッド使いのヴァルダーです。かっこいい。ネクロマンサーっていいよな。
また、『2』では新たな主人公として気弱なウサギちゃんが出てきてこちらもかわいい。続編だけあってグルーヴがかなり特殊な性能なのはビビるんだけど応援したくなるキャラだ。でもまだ『1』の真エンディング見てないんだよな。レビューに必要な期間内だと⭐︎1でクリアするのが精一杯でさあ……!
そうそう、そんなわけで『2』では新たな兵種、新たなキャラクターが出てきます。
新登場の勢力「ファアリ」は獣人で構成された国でかわいらしい。
だが『2』には恐ろしいモードがある……その名も「コンクエストモード」!
毎回ランダムに組まれるルート選択式ステージと強敵を倒すことで得られる加護、強化要素はあるものの本編以上に限られる戦力増強……そう……このモード……ローグライクなんだよっ! 恐ろしいことするなっ!
街を占拠して収益を増やして……って遊び方ではなくなっていて、けっこう感触が違うんだけど本編以上に兵力や回復リソースが厳しく、1ステージごとのテンポがいいので無限に遊べてしまう。
最近あらゆるゲームにローグライクモードがあってビビるんだけどどれも例外なく面白いから困る!!こんなモードあったら本編進められないでしょうが! おい!
本稿を書くためにまだ中途半端にしか遊べてないけど、とりあえず『1』の真エンドをクリアしてから本格的に『2』に取り掛かりたい……! がんばるぜ。
ほかにも本作には
指揮官をチョイスして短めのステージを連続してクリアする「アーケードモード」や
限られた手数で条件を達成する、詰将棋的な「パズルモード」
自分だけのマップを作って遊んだり、インターネットを介して共有できるカスタムコンテンツモードもある! これ使いこなせるようになったら、本当に「一生」のゲームになってしまうじゃん。
カスタムコンテンツでは個別のステージはもちろんのこと、ワールドマップやストーリー部分まで作ることができる。自分だけの『ウォーグルーヴ』のキャンペーンモードを手掛けることができてしまうのだ。すごすぎる。
もちろんオンラインマルチにも対応! このゲームのマルチ、ヤバすぎるだろ。しかも4人まで遊べる!?
そんなわけで『ウォーグルーヴ1+2』Nintendo Switch向けパッケージ版は、ハピネットより2024年5月30日に税込4,400円で発売!
DL版でパート1・パート2を買うのと値段はほとんど変わらないし、むしろ店頭価格では『1+2』パッケージのほうが安くなる場合があるかも?
また、初回購入特典ではサウンドトラックCDもついてくるぞ。数に限りがあるので、興味がある方はお早めに。
やって、いっしょに「ンギーッ!」ってなろうや……。絶望からの超爽快で気持ちよくなれッッッ