ウォー! マシーナリーとも子です。
今回はHappinetさんからのお仕事でかわいいツラしてコシが強いウォーシミュレーションゲーム、『ウォーグルーヴ1+2』を遊んでみたぜ!
本作の舞台はファンタジー調の世界、オーラニア大陸。プレイヤーは部隊を率いる指揮官となって26種【※】のユニットを操り、雇い、街を占拠して敵の殲滅を目指すのだ。
※2での数。1では全22種
ようするに『ファミコンウォーズ』とか『SDガンダム ガチャポン戦士』みたいな、あの手のゲームのフォロワーにあたるゲームになっております。
たぶん『ファイアーエムブレム』とか『大戦略』とかもそうなんでしょうか。いやそのへん実は遊んだことなくてさ……。あ、あとアレだ。アレ好きだった。昔パソコン用に工画堂スタジオから出てた『ガジェットトライアル』ってゲームが好きでね……。いやゲームはあんまりおもしろくなかったんだけど絵がかわいくて……。
閑話休題。とにかく私もこのテのゲームは経験は少ないけど大好きだぜ! ってことで対戦よろしくお願いします。かかってこい。
本作はイギリスのゲームメーカー「Chucklefish」が開発。2019年に初代が発売され評判となり、GOTYでおなじみのThe Game Awards 2019にてベストストラテジー部門にノミネート。イギリスのゲーム業界団体が開催するTIGA Games Industry Awardsではベストストラテジー2019に輝いている。
続編の『ウォーグルーヴ2』は2023年に発売されているが、今回ハピネットから発売されるのはそれらを1本にまとめてパッケージ版としたもの。初回特典としてサントラもついてるぜ!
文・絵/マシーナリーとも子
※この記事は『ウォーグルーヴ1+2』の魅力をもっと知ってもらいたいハピネットさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
難しい!! 難しいんですけど! 骨の太さがすごい!
えっ!? 難しいよ!? このゲーム難しいんですけど!?
マジで思ってたより全然難しい。声出た。諦めてステージ6くらいから難易度を一段階下げました(そもそも初期設定がハードなんだ!)。
そしてその難しさに……なんと、なんとですよ。このワードを「悔しいが…」とか「腹のたつことに…」という前置きとともに使うことになるとは思わなかったんですけど……このゲームさあ!「理不尽さが無い」んですよ!
どういうことかというと、本作の難しさに私がボコボコにされてるのは、ゲームの難易度が不公平に高すぎるとか、乱数がどうとかそういうことはまったくなく、「私の戦略と戦術がヘボすぎて通用してないから」なんです! ウワーッ!
どういうことかをゲームの細かい仕様とかも共にご紹介していきましょう。
今回、まずは順当に『1』からプレイしてみることにしました。後述するけど『2』はストーリー的に直接の続編だし、システム的にも改善はされてるしチュートリアルもあるけど、大幅にさわり心地が異なるということはないです。なので基本的には『1』から遊んでみるのがスムーズかなあという気がします。
物語は平和なチェリーストーン王国に、アンデッドを操るフェルハイムが侵攻。国王が暗殺されてしまうところから始まる。
プレイヤーは雪辱を誓うチェリーストーンの王女、マーシアを操り、生き延びるため、そして王国を取り戻すために旅立つのだった……というのが本作のストーリーです。
ユニットはオーソドックスな性能の歩兵、足は鈍いが高い攻撃力と防御力を持つ槍兵、遠距離攻撃可能な弓兵、移動力に優れ建物や兵器に高い攻撃力を発揮する騎兵などが存在。
これらの特性を活かして敵の全滅か本拠地の破壊を目指すのが基本的なルールとなります。
んでここからが本作の容赦ない点……いや、フェアな点と言うべきか……フェアな点なんですけど「命中・回避の概念が無い」んですよ。
なんかその……乱数で回避とか無いんですね!? これ、ウォーシミュレーションだと無いのが普通なのか? スパロボのやり過ぎですか? 地形の防御力補正とかはあるものの、例えば歩兵が槍兵に殴られたら確実に致命傷なんですよ。ダメージのブレとかもなくて完全にフェア。
そんな戦闘にアクセントを加えるのが「クリティカル」の要素。
指揮官以外の各ユニットは、ある条件によって敵に与えるダメージを大幅に上昇させることができる。例えば「剣士」は指揮官の隣に配置することで、槍兵や偵察犬はほかの同種ユニットと隣り合わせることでクリティカルを発動することができるのだ。
ダメージレースはシビアだし回復手段も限られているのでクリティカルを駆使しないとマジで勝てないぞ
ほかにも槍兵は槍兵同士で隣り合わせることで、弓兵は移動せずに攻撃を仕掛けることで、といった感じでクリティカルを発動可能。このクリティカルを、いかに無駄なく使っていけるかが勝利の鍵となる……というかバシバシ使っていかないと勝てない!!!
さらに本作には「先制攻撃が超有利」という特徴もある。攻撃を仕掛けると、互いのユニットが同時に攻撃するのでなく、仕掛けたから先に攻撃し、その後反撃というプロセスをとる。
本作ではダメージを受ければ受けるほど兵力が減り、攻撃力も下がっていく。なので必然、反撃で受けるダメージは低くなる。
この特性とクリティカルのシステム、そして地形効果を利用し、いかに先に攻撃を仕掛け、有効にダメージを与えて被ダメージを抑えるかが本作の戦術のコアだ。ここに頭を悩ませるのが実に楽しく、思惑がハマったときにはすさまじい快感が訪れる。
本作のキャッチコピーは「成長なんて甘えは捨てろ!」なんですがなんかもうレベル云々っていうよりホント「フェアな条件で闘ろうぜ!」「頭使って戦おうぜ!」って感じ。深い試行錯誤と戦略眼が求められるゲームになっているぜ。
指揮官の「グルーヴ」で戦局をを打開せよ(敵も使います)
そしてもうひとつ、本作のキモとなるのが指揮官だけが使える固有能力、「グルーヴ」だ。
敵を指揮官が倒すなど、様々な要因で上がるゲージを消費して使える必殺技みたいな感じ。
マーシアのヒーリングオーラは本作の中でズバ抜けた回復力を持ち、安心感がすごい
とくに『1』の主人公ポジションであるマーシアのグルーヴ「ヒーリングオーラ」は広い範囲の味方の体力をかなり回復できるのでめちゃめちゃ強い。
本作の回復手段はこれ以外だと建造物にお金を払って分け与えてもらうか、錬金術師に金を払って回復してもらうかの2択。
とくに前者は新しいユニットを作るために必要なお金を失うだけでなく、拠点の体力を奪うことで敵に攻め落とされやすくなってしまう、と2種のリソースを消費してしまう高リスク行動でもある。
なのでマーシアの行動を1ターン使うだけで一度に複数回復できてしまうのは強すぎる。慣れないうちはマーシアにガンガン敵を倒させて、ゲージを確保しておくと強いと思う。
グルーヴには指揮官ごとに「広範囲に防御力バフを発生させるユニットを召喚する」「移動しながら道中の敵にダメージを与える」など多彩な能力があっておもしろい。逆に言うと戦略に有機的なアドリブが効かせられる要素はこれくらいなんじゃないか!? ってくらい戦闘システムがガチなのでほんとに重要です。
CPUの頭がいいよ〜〜!
そんな感じで本作はフェアな戦闘システムのもとに戦略・戦術を存分に練って実践することができる楽しいゲームである。あるが……やっぱり難しいって!!オイ!!
何が難しいって「思ったよりCPUの頭がいい」んですよ!これもフェアっちゃフェアな条件かもしれないけどさあ!
たとえば
「いま戦闘に立ってる弓兵の移動力はこれくらいだから……ここで進軍をやめておけば先制攻撃を避けられて次ターンに攻撃を仕掛けることができるぞ!」
って目論んで兵を配置すると、こちらの目論み通りに動いてくれない!!ギリギリのところで立ち止まりやがる!!えっ、そういうときって割とガンガン前進してくるもんじゃないの!?
こんな感じで絶妙に頭いい! えっ、そんな嫌なことすんの!? って戦略戦術をガンガン打ってくる。クリティカルを狙ってくるのは当然として、こちらにクリティカルを使わせないよう使わせないように動くので一筋縄ではいかない。CPUのくせに本気の化かし合いを求められる!
とくにストーリーモードでは基本的に敵が拠点や配置の妙で有利展開から始まることが多いので、本当に胆を舐めながら生きるような感覚で戦い続けるはめになるぞ。
それだけに敵陣地側の生産拠点をなんとか奪い取ったときの気持ちはたまらんものがある。脳から快楽物質が吹き出し、そのテンションのまま一気呵成に本拠地をタコ殴りにしてクリアする快感はなにものにも変え難いものがある。
そしてその瞬間を味わうために繰り返しプレイしてしまうというわけだ。