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アニメ『2.5次元の誘惑(リリサ)』は“ラブコメ”の皮を被った“スポ根”作品だった。先行上映会なのに、「1話」を飛ばして、スポ根全開の「8話・9話」を放送する“制作陣の本気”を見た

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TVアニメの放送開始に先駆けてイベントで先行上映を行う。アニメファンにとってはもはや風物詩のごとき出来事だが、上映されるのが1話ではなく、8話・9話というのは珍しい

先日、そんな先行上映会イベントが開催された。作品のタイトルは『2.5次元の誘惑(リリサ)』。2024年7月5日より放送開始予定のTVアニメだ。

原作は集英社のマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で好評連載中の同名人気コミック。コスプレを題材にオタク少年少女の熱い青春模様を描き、多くの読者からの支持を集めている

先行上映イベントのタイトルは「第1回アニメ上映会『にごリリ』の沼に落とそうの会」。原作エピソードにて、アニメに馴染みのないキャラをアニメ好きにするというところから名づけられたイベント名のようだ。

「『2.5次元の誘惑(リリサ)』の沼に落とす」……そんな意気込みが伝わってくる。

本編の上映だけではなく、奥村正宗役の榎木淳弥さん、天乃リリサ役の前田佳織里さん、橘 美花莉役の鬼頭明里さん、ノノア(乃愛)役の鈴代紗弓さん、喜咲アリア役の渡部紗弓さんの5人のメインキャストと、作品の公式アンバサダーを務める人気コスプレイヤーのえなこさんが登壇してのトークショーも開催。

さらに作品公式コスプレイヤーのえい梨さん、篠崎こころさん、綺太郎さん、高見奈央さんの撮影タイムとお見送りまでがセットになって、作品の内容と同様、楽しさ、かわいさ、そして熱さが山盛りになったイベントだった。

アニメ『2.5次元の誘惑(リリサ)』は“ラブコメ”の皮を被った“スポ根”作品だった_001

文/電ファミニコゲーマー編集部

※この記事は『2.5次元の誘惑 天使たちのステージ(リリステ)』の魅力をもっと知ってもらいたいAimingさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


『 2.5次元の誘惑(リリサ)』はコスプレの世界を舞台にしたスポ根作品

イベントの様子のレポートをここから記載します。私、ちなみにアニメ化される前から【にごリリ】推しで、その推しの気持ちを抑えつつ、1作品としてレポートさせていただいきます。

イベントは、司会による呼び込みを受けて、メインキャストの5人、榎木淳弥さん、前田佳織里さん、鬼頭明里さん、鈴代紗弓さん、渡部紗弓さんが登壇するところからスタート。

簡単な自己紹介を経て、キャストを代表して榎木さん、前田さんのふたりが作品についての思いをコメントします。榎木さんの「作品は確実に面白いものができているので、今日も皆さんにその楽しさを伝えられると思っています」という一言からは、作品に対する手応えが伝わってきました。

続いて、このあと上映される8話・9話について、キャスト全員がひとことずつコメントをしていきますが、このとき前田さんが語った「本当に熱くて、まさに『ジャンプ』の魂が詰まってるのが8話と9話」が、今日のイベントの主旨を端的に表現していました。

先行上映は、まずはこのイベントのために作られた1話〜7話のダイジェスト映像からスタート。その断片的な映像からは、今作の多面的な魅力が伝わってきます。

たとえば、主人公である奥村のディープなオタクぶりから生じるぶっ飛んだリアクション芸のおもしろさ(『呪術廻戦』の虎杖悠仁を始め、カッコいい役を演じる機会も多い榎木さんが、繊細な加減で演じるキモカッコよくて魅力的な陰キャ芝居がたまりません。原作ファン注目の「見くびるな!!」の発音もお楽しみに)。リリサのコスプレに向けるピュアな憧れの愛らしさ。

そして、子どもの頃から奥村のことが好きで、振り向いてもらうために超人気モデルになったのに、2次元のオタクな奥村に一向に恋愛対象として意識してもらえない不憫系美少女、美花莉。原作でも屈指の人気キャラクターです(私も好き。いや、今作のヒロインたちのことは基本、箱推しですが!)。

8話・9話には出番がなかったので悲しかったよ美花莉。でもダイジェスト映像の短い出番でも尋常じゃない美少女ぶりだったよ美花莉。早くちゃんとアニメで動く姿が見たいよ美花莉。美花莉かわいいよ美花莉。

……取り乱しました。

続くイベントの本丸にあたる8話・9話に関しては、放送がかなり先の9月ということもあるので、詳細に書きすぎるのはやめておきましょう。

その上で雰囲気だけは伝わるように努力してみると……舞台は横須賀で……つまりそれは原作読者ならまずわかる、「横須賀コススト」に参加するエピソード……すなわち、それまでキャラクター愛、作品愛だけでコスプレの世界を突き進んできたヒロインのリリサに対して、初めて面と向かってアンチテーゼを叩きつける“753♡”が登場するわけです。

コスプレを愛するとは、どういうことなのか。そもそも趣味に対する愛ってなんなのか。違う考え方を持った人物との出会いによって生じる登場人物の苦悩。そこからいかにして、ふたたび立ち上がるのか。仲間たちはそのとき、どう動くのか。この話数で描かれるのはコスプレの世界を舞台にしたスポ根展開です。熱いぜ!

『2.5次元の誘惑(リリサ)』で描かれる人間心理やコスプレ文化の描写の精度の高さ

……ということで、そんな燃える上映が終わると、あらためてキャスト陣が登壇し、作品の魅力をさらに深堀りするトークコーナー後半戦に入ります。

ここからは、公式アンバサダーのえなこさんもステージでトークに参加。えなこさんは当然、リリエルのコスチュームを着用しての登場です。

アニメ『2.5次元の誘惑(リリサ)』は“ラブコメ”の皮を被った“スポ根”作品だった_004

コスプレの完成度について感想を求められた榎木さんは、「天使って実在するんだな」と、演じる奥村さながらのコメントを返します。さらにえなこさんからの「あのセリフを言ってもらっていいですか?」とのリクエストに応える形で、インパクト抜群な「リリエーーール!!!」の絶叫を披露し、会場の笑いと拍手を誘いました。

8話・9話について榎木さん、前田さんは、感情の大きく動く掛け合いを演じる話数だったこともあり、そんな収録時の苦労を語ります。そこから他の登壇者たちも感想を述べていく中で、えなこさんからは、劇中で753♡が語るコスプレについての発言を受けて、こんなコメントが。

「コスプレをしている理由が私もたまにわからなくなったりすることがある。15年ぐらいやってるんですけど、やっぱり趣味のときと仕事のときでだいぶ環境も変わってきて、仕事になると『私、本当に好きなのかな?』ってちょっと不安になるときもすごくわかるので、そういう気持ちをちょっと思い出しちゃいましたね」

現役の超人気コスプレイヤーであり、長年、コスプレ文化の最前線に立ってきた人ならではの、作品のテーマとがっちり噛み合った言葉。それを受けて、『2.5次元の誘惑(リリサ)』という作品で描かれている、人間心理やコスプレ文化の描写の精度の高さに、あらためて唸らされる思いがしました。

そこから、8話・9話の時点では登場していないノノアとアリアの短い紹介ムービーを挟み、イベントは生アフレコのコーナーへと進みます。こちらではアニメ20話の名シーンのアフレコが披露されていました。

続いては、えなこさんの持ち込み企画だというキャスト陣への質問のコーナーへ。形式は、キャスト全員にマルバツで回答してもらうというもの。

軽い質問かと思いきや、「苦戦したセリフがある」「自分のキャラ以外の絶対注目してほしいセリフがある」「今回共演することになって実は緊張した人がいる」と、ちょっと切り込んだものが連続。回答するたびに、意図を補足するコメントで壇上が和気あいあいと盛り上がる、楽しい時間となりました。

そしてイベントは終盤に向かいます。放送後の各種グッズ展開や、スマホゲーム『2.5次元の誘惑 天使たちのステージ』の告知を経て、キャスト陣があらためて、この作品にかける思いをコメントします。

前田さんは8話と9話の内容を踏まえて、好きなものを追い求めることは「楽しいけど、楽しい中にやっぱ苦しさもいっぱいあるよなっていうのを本当に教えてくれる話数」「でもそこで素敵なチームメンバーが『大丈夫だ!』って教えてくれる、背中を支えてくれる温かさとか、そういう絆とかも本当に楽しんでいただける作品なんじゃないかな」と。

加えて「もちろん、好きなものはまだ見つかってないんだよね、って人にも幅広く、今から探しますって人にも刺さる作品だと思いますので、ぜひそんなところ含め、みなさんの楽しみになってもらえたらいいなと思っています」と作品への思いを語ります。

トリのコメントを務めた榎木さんは、「基本的にはすごく熱い」と作品を評しつつ、「特に序盤はキャラクターのコスプレのかわいさみたいなのもすごく表現されていて、そこからだんだんと熱さが上がっていくみたいな作品」「(第1話は)めちゃめちゃ笑える楽しい作品になっております」と、作品の間口の広さを語っていました。

最後は前田さんの掛け声をきっかけにして、作品の決めゼリフのひとつ、「リリエル爆破!!」を会場全体でコール&レスポンス。キャスト陣が退場したのちに、えなこさんの撮影コーナー、公式コスプレイヤーのみなさんの撮影コーナーも開催されるのも、コスプレ文化を総合的に描く『2.5次元の誘惑(リリサ)』のイベントならでは。

まさに「沼に落とす」勢いで、作品の魅力を全方位的に全力投球でぶつけるイベントは、大盛りあがりで終了しました。

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