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ホラー映画で「自分ならこうするのに…」って思ったこと、ありませんか? そんな無数の“もしも”に挑戦できる『The Casting of Frank Stone』の物語がとても気になる

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「運命の選択」の一例と、それによって起きる分岐の一端を紹介

プロローグの時点で選べる「運命の選択」は3つ。順番に見ていきましょう。

1.協力者を信頼したか

プロローグ(1963年)における操作キャラクター「サム」はこの町の巡査。彼は赤子誘拐事件を捜査するため本作の舞台であるシーダーヒルズ鉄工所の捜索に赴いたわけですが、そこで鉄工所の夜間警備員をしている老人「トム」と出会います。

仕事は相棒の犬に任せ、自身は酒を飲んで寝ているという決して褒められない人物であるトムですが、サムは鉄工所のさらに奥を捜索するため、応援を呼ぶようトムに頼みますが彼はどうにも自信なさげな態度。「俺にできるだろうか……」と弱気を見せるというところで、選択肢のお時間です。

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▲ホラーあるある:些細なことでイライラしがち……となるかはあなた次第。

2.重傷を負わなかったか

トムに応援の要請を任せ鉄工所の奥深く、溶鉱炉へと進むサム。そこでついにフランク・ストーンと対峙します。といっても不意を打たれ壁に突き出たパイプに串刺しにされてしまうサム、なんとか抜け出そうともがきますが……というシーンでスキルチェック。

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▲ホラーあるある:稼働している施設の割に危険な欠陥がありがち。それはともかくここのシーンの表情がスゴい。

3.フランク・ストーンを阻止できたか

辛くも拘束から抜け出したサムですが、その間にフランクは誘拐した赤子を溶鉱炉へと投げ込もうとします。満身創痍になりながらもなんとか凶行を阻止をするために拳銃に手を伸ばすサム。というところで、もういっちょスキルチェック!

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▲ホラーあるある:主要人物が化け物と同じくらいタフがち

といったように、ちょっとした会話から、映画のクライマックスのようなシーンまで、さまざまな場面で運命が定まるようになっています。

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▲「運命」に関わるほど重大な分岐は「編集の床」から確認できる。なお、この機能はデラックス版なら最初から、スタンダード版はゲームを一度クリアすることで使用可能。

そして時は移り変わり、1980年。フランク・ストーンによる惨劇の記憶も薄れたころ、シーダーヒルズに住む3人の若者が(よりにもよって!)件の鉄工所で映画を撮影しているシーン。そしてそんな彼らを見かけ、出ていくように忠告する保安官としてサムも再登場します。

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▲ホラーあるある:若者、入るなと言われた場所に入りがち。大人は大人で忠告はするが説明を省きがち。

1963年のラストシーンでは、サム自身意識を失う不穏な結末を迎えただけにほっと一息。なのですが早速変化があり、プロローグでフランク・ストーンに重傷を負わされていると、古傷が痛むことを示唆するシーンが挟まります。

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▲平和になった今では名誉の負傷だが、もしも彼がまた銃を握るようなことになったら……

その後しばらく物語を進めたころ、映画撮影を諦めきれない若者たちは鉄工所とそこでかつて起きた事件に関して興味を持つことに。やめときゃいいのに……というのは言わないお約束。

そしてその事件の資料として、トムの証言を録音したテープを再生する機会があるのですが、ここもプロローグで選んだ運命によって少し内容が変化します。

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プロローグでサムがトムを信頼していると、彼はアルコール依存症を克服したことが判明。さらにその後も親交は続き、葬式にも出席したことが語られます。

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一方サムがトムを信頼しなかった場合。トムはアルコール依存症から回復できず、事件に関する証言もまともに行えないまま行方不明に。

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▲ホラーあるある:過去の関係者が謎めいた失踪を遂げがち

確かにトムの仕事中に酒を飲む態度は良くなかったですが、選択肢によってはトムが退役軍人で、厳しい戦争の経験の苦しみを和らげるために酒に頼っていたことが語られます。もうひとつの分岐を知っているのも相まって、なんとも後味の悪い結末です。

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そして最後の「フランク・ストーンを阻止できたか」による分岐なんですが、実は筆者はその変化をまだ確認できていなかったりします。本作には数々の分岐がありますが、直前の選択肢だけで結果が決まるわけではなく、更にさかのぼった場面での選択によって展開が決まることもあるんですよね。

比較的近い時系列で影響が判明したふたつの選択に対して、一羽の蝶の羽ばたきが、遠く離れた土地で竜巻を起こす「バタフライ・エフェクト」のように、少し遠い時点で関係してくる選択肢なのかもしれません。

プレイヤー自身が「配役(キャスティング)」を変更できるという面白さ

唐突ですが、ホラー映画には大まかに分けて3種類の「被害者役」が存在すると思っています。

その1、考えうる限り最悪の選択肢を選び続け「命を落とす者」
その2、健闘するがそれでも正解に辿り着けず「誰かに託す者」
その3、窮地に陥りながらも正解を掴み取って「生き延びる者」

本作は冒頭触れたように、ひとりの青年を「恋人を助けようとした勇敢な若者」にも「土壇場で勇気を出しきれず逃げ、それを後悔し続ける若者」にもできますし、本文で詳しく紹介したサムも「勇敢で思慮深い英雄」にも「浅慮で勇猛なだけの警官」にすることもプレイヤーの選択次第でできてしまう。

こちらも冒頭の繰り返しにはなりますが、映画は筋書きが決まっていてどれだけキャラクターを気に入っても「脚本という運命」を変えることはできません。

ただ、本作はプレイヤーが選ぶことで筋書きに介入し、メインキャラクターそれぞれを1から3のどの役にも配役できてしまう。これは映画好きとしても非常に面白いし興味深いと感じました。

そして今回はゲームの前半に焦点を当てて紹介してきましたが、後半からは一挙一動が死に直結するようなスリリングな選択の連続が待っているし、物語の細部まで理解しようと思うなら、ときにはあえて残酷な選択肢を選ぶことも必要になってきます。

また本作は、プロローグである1963年、そして鉄工所を舞台に再び事件が起こる1980年のふたつのタイムラインに加え、もうひとつ別の年代を舞台にした物語も語られていきます。

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▲体験版の時点で年代のタブが3つあったのはずっと気になっていました。

あくまでもプロローグの1963年とは異なり、1980年の物語と並行して展開されるので、それぞれの時代の「点」が異なる時代の「点」と繋がって「線」となっていく壮大さも、尺の都合がある映画ではなかなか実現しにくい本作ならではの魅力になっていますね。

まぁいろいろと書いてきましたが、本作をプレイするうえで一番大事なのは自分の直感を信じることだと思っています。その結果紡がれた物語は間違いなく、遊んだプレイヤーだけのものになりますからね。

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今回は「ホラーあるある」と少し茶化した表現で言及しましたが、そういったホラー映画の要所を抑えた演出や、映画のロケーションのような舞台をじっくり探索できるのは、このジャンルが好きな方なら心躍るものがあると思います。

実際筆者もスピンオフ元に関しては、数多のホラーコンテンツとコラボをしている「魑魅魍魎が跋扈するスーパーナチュラル大乱闘」くらいの超絶浅い認識しかなかったんですが、本作のミステリアスな物語は先が気になって仕方がありませんでした。

『デッド・バイ・デイライト』をプレイしたことがなくても、この記事で興味が湧いたり、ホラー映画やドラマが好きというかたは体験版や公式サイトなどチェックして頂ければと思います。

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ライター
アクションゲームとアメコミ映画を愛する三十路ゲーマーで、前職は某ゲーム機のカスタマーサポートとのウワサ。一人用ゲームを好むが、人が好きなものの話を聞くのはもっと好きなので「誘われればどんなゲームでもやる」がモットー。そんなこんなで始めた「スプラトゥーン3」を気づけば1000時間遊んでいたチョロいやつでもありますが、私が書いた文章をきっかけに誰かが「好きなもの」を見つけてくれたらいいなと思っています。
編集者
オーバーウォッチを遊んでいたら大学を中退しており、気づけばライターになっていました。今では格ゲーもFPSもMOBAも楽しんでいます。ブラウザはOpera

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