6月のNintendo Directが、未だに忘れられない。
新作タイトルの発表も佳境に入った中、突如画面に映った7人の英雄。そして流れ始めるお馴染みの曲! おいおい嘘だろ……そんないきなり『ロマサガ2』のリメイクが出るわけないじゃないか……とか思っていたら、本当に『ロマサガ2』のリメイクだった。おいおい嘘だろ。
それが、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』(以下、『ロマサガ2 ROTS』)。
『ロマサガ2』のあの熾烈を極める戦いが、フルリメイクで、しかもキャラクターにはボイス付きで蘇る! この異様に気合の入ったリメイク具合、『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』を彷彿とさせる。「聖剣の次はサガ」って感じですかね。いやどうなんすかね。すいません適当言いました。
そんな『ロマサガ2 ROTS』をなんと先行プレイすることができたので、どんなリメイクに仕上がってるのかをお届けしますよ。ゲーム序盤の「クジンシー戦」と、少し後になる「スービエ戦」を中心に書いていきます。原作ファンも、リメイクから入ってみようかなと思っている方も、ぜひご覧ください。
あと……極めて個人的な話で恐縮なんですが……実は私、結構最近『ロマサガ2』をプレイしたんです。いやホントだって。マジマジ。
なんならニンダイで発表される1週間前にクリアして「長く苦しい戦いだった……」とか言ってたら、1週間後にリメイクが出て「嘘やろ────!!!」とベッドから転げ落ちたくらいなんです。マジでなんにも知らなかったからね。
なので、私からすると「つい最近のゲーム」みたいなノリで書いてます。
いや、だからなんだって話ですが。
やるぞ!
お前らこんなに美男美女だったのか
お前らこんなに美男美女だったの!?
まぁ、起動して思ったのはこれですよね。元々の『ロマサガ2』はドット絵で表現されていたから、キャラの見た目も1~2頭身くらいのドットだった。だから、リアル頭身の見た目はなんとなくプレイヤー側が想像するような形だったと思われる。みんなこんなに美男美女だったんだ。
テレーズはわかるんですよ。元のドット絵の段階で結構かわいい感じだったから。ジェイムズすごいな。オレ、ジェイムズってなんか筋骨隆々で40代くらいの大剣使いだと思ってたよ……めちゃくちゃ美男子じゃん……。でもベアは想像通りって感じ。ジェラールは絶対主人公補正かかってる。
もちろん他にも魅力はいっぱいあるけれど、『ロマサガ2 ROTS』の最も目を惹くポイントは「ドット絵のあのキャラがリアル頭身+ボイス付きで出てくる」ところだと思う。こんなの『ロマサガ2』やってればやってるほど面白いじゃないか。テレーズってCV加隈亜衣だったのかよ……。
そしてバトルへ。
あったな。アバロンがゴブリンに襲撃されるイベントとかあったな。
率直ですが、バトル周りは「ロマサガ2の味わいを残しながらも、いい具合に現代風になっている」と感じました。あまりにもヌルいのはサガじゃない。とはいえ、『ロマサガ2』の難易度を現代にそのまま送り出すのはいかがなものか? そんな問題に対する、ちょうどいい塩梅を出してきた感じがします。
うーん、どこから言及したものか……まず、「閃き」が発動するスキルの横にしっかり電球ボタンが置かれているところなんか、「そんなにわかりやすくていいの!?」と思ってしまいますよね。もういちいち無明剣に暗中模索する必要もない。
しかも、敵味方の行動順もしっかりタイムラインで表示されているから、「どんな順で味方が攻撃すれば有利に進められるか」といった戦術もしっかり組み立てられる。嘘……もう残った敵1体にでたらめ矢を無駄撃ちすることがなくなるなんて……。
他にも、敵の弱点がバトル中に確認できるようになっていたり、「JP」と「WP」の分割がなくなり「BP」に統一されていたり……中々に便利な機能が増えています。
極めつけは、「連携」。
えっ、『ロマサガ2』で連携を!?
できらぁっ!!
戦闘中に少しずつ溜まっていく「Overdrive」ゲージを貯めていくことによって、任意のタイミングで「連携」を発動することができます。
とはいえ、いきなり序盤から「十字十字十字十字十字砲火」みたいな5連携を決められるわけではなく、「二段斬り+ウインドカッター」の「二段カッター」などが中心になっています。こちらはゲームの進行具合に合わせて、連携数が増えていくようになるとのこと。
要するに、近年の『サガ』シリーズのいいところを組み込んでいる感じです。「もし現代でロマサガ2をもう一度発売するなら」という妄想が、そのまま形になったようなバトルシステムだと思います。いや事実現代で『ロマサガ2』もっかい発売するゲームなんですけど。
根本的なことを言うと、リメイクには「愛」が必要だと思います。
まず大前提として、「原作へのリスペクト」があってほしい。内容が大幅に変わるか、それとも原作をしっかりなぞるのかは任せるとしても、「原作愛」は持っていてほしい。特に、ゲームの場合は。
……で、『ロマサガ2 ROTS』はしっかり原作愛があるゲームだと思いました。なぜかというと、アバロンで宿屋に泊まろうとすると店員にネチネチ「このようなむさ苦しいところにお泊めするわけには参りません」「仕方ありません。では2階でお休みください」と言われるアレが残っていたから。
そうなんだよ! 『ロマサガ2』のいちいち店員に謙遜されるやつ異様に記憶に残るんだよ! これがなければアバロンの宿屋と言えない! この妙なめんどくささがなければサガじゃない! ……と、アバロンの宿屋から謎に原作愛を感じました。『ロマサガ2 ROTS』、ちゃんと愛感じます。
無駄に壮大なゴブリンの穴
原作では城の中を歩き回ってひとりずつ声をかけていたパーティー編成……なんと酒場から全員選ぶことができます。みんなあっちこっちに散らばっていた帝国軽装歩兵も、フリーファイターも、なんとリストから選んで仲間にできる。段々「こんなに便利でいいのか?」という不安が上回ってきた。
で、私は迷わず「宮廷魔術士(男)」を選択。
なぜなら『ロマサガ2』は水術が重要だから。
見るからに美少女な帝国軽装歩兵(女)や宮廷魔術士(女)がいるのに、もう黙ってアリエス一択。生命の水、ウインドカッター。この安心感よ。
『ロマサガ2』における生命の水とウインドカッターの価値は美少女に勝る。俺だって本当はライーザとかアンドロマケーとか入れたかったよ。でも生命の水とウインドカッターの方が大事なんだよ!!
そして、アバロン近くの「ゴブリンの穴」へ。
すげえ、ゴブリンの穴が無駄に壮大になってる……。
あと、これは「言われなくても知ってるわ」要素かもしれないのですが、今作は基本的に3Dフィールドを歩き回り、敵とシンボルエンカウントする探索システムになっています。
もちろん、こちらに気づいていない敵を後ろから攻撃する「先制攻撃」もあります。これに成功すると、行動順やOverdriveゲージが有利な状態でバトルスタート。そして逆に、敵に背後を取られてしまうと、陣形が乱された状態でバトルが始まります。陣形が乱されるとヤバいのは全く変わってません。
要するに、原作の「ダッシュで敵に突っ込むと陣形乱されがち」はこんな感じで再現されてます。よいかジェラール、我々は先制攻撃を意識して戦う。