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リアルタイム戦闘なのに時間をかけて考えられる?『アークナイツ:エンドフィールド』の静と動が目まぐるしく入れ替わるバトルが面白い【TGS2024】

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「戦略性が高いゲーム」と言われると難しそうだけど、「じっくり考えても許されるゲーム」と言われれば面白そうじゃないか?

『アークナイツ:エンドフィールド』は、まさにそんなゲームだった。

2022年にタイトルが発表されてから早2年、時々出される情報に叫んだり悶えたりしながらも待ち続けていた『アークナイツ』の名を冠する新作。9月26日から9月29日まで開催された「東京ゲームショウ2024」にて、ついに日本語版初の試遊プレイが解禁。

早速ブースに飛び込み、でっかい「協約核心」の像や超細かい「集成工業システム」のジオラマにテンションをブチ上げながら、いざ試遊に挑んだ。

『アークナイツ:エンドフィールド』レビュー・評価・感想:静と動が目まぐるしく入れ替わるバトルが面白い_001

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……のだが、実のところプレイ前は『アークナイツ:エンドフィールド』の具体的なゲームプレイのイメージがほとんどなかった。分かっていたのは、なんかアクションで戦闘をして、建築もあって、『アークナイツ』とは全く別の話で、あとUIが超カッコいいということくらいだ。

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▲メニュー画面の右上には「PRTS」の文字も。き、気になる……

しかし、戦闘が始まった瞬間“理解させられた”。これは紛れもなく『アークナイツ』の新作であり、底が見えないレベルで新しい面白さを秘めたヤバいゲームであると。

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本記事では『アークナイツ:エンドフィールド』の戦闘システムを中心に、「じっくり考えても許される」アクションゲームの面白さを紹介していきたいと思う。ドクターではないプレイヤーでも分かるように書いたつもりなので、『アークナイツ』の方を遊んだことがないという人にも是非読んでみてほしい。

取材・文/逆道
編集/実存


「リアルタイム戦闘」で「じっくり考える」って矛盾じゃないの?

『アークナイツ:エンドフィールド』の基本的なバトルシステムは、割とよく見るタイプの3Dアクションゲームに近い。ステージにいるキャラクターを動かし、襲い掛かってくる敵を攻撃して倒していくのがバトルの主軸となっている。

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しかし、このゲームを「アクションゲーム」ではなく「リアルタイム戦略RPG」たらしめている要素が2つある。それが「アーツ」「シールド」だ。

「アーツ」はキャラクターが持つスキルで、発動するとそれぞれ特殊な効果を持つ強力な攻撃を繰り出すことができる。発動方法は簡単で、対応するキーを1回押して発動準備に入り、向きや対象を指定してもう1度キーを押せばアーツが発動。再発動にはクールダウンタイムが必要だが、敵を転倒させたり、打ち上げたりなど様々な効果で戦場を有利に操作できる。

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アーツ自体の効果もさることながら、実はこの「発動準備」がめちゃくちゃ重要。なんと発動準備に入っている間は画面が超スロー再生になり、自由に周囲を見回すことが可能という、実質一時停止機能のようなものなのだ。

この「発動準備」のおかげで、追い詰められた状態でも落ち着いてじっくりアーツの発動対象を選べるようになっている。

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▲発動準備中の画面。アーツの対象になった敵は白くハイライトされる

そして「シールド」は敵が持つ防壁のようなものだ。持っているシールドをすべて破壊された敵はスタンし、一定時間被ダメージが上昇する。シールドはゲージではなく枚数で管理され、基本的にアーツを当てるとシールドが1枚ずつ破壊されていく。

持っているシールドの枚数は敵によって異なり、強い敵ほど枚数も多く、スタンしにくくなっている。

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▲奥のボスっぽい個体は6枚、周りの雑魚は2枚のシールドを持っている

シールドを効率的に削るには、発動準備中にじっくり考えてできるだけ多くの敵にアーツを当てたい。

しかし、アーツを当てるためにはリアルタイムで敵の攻撃を観察し、当てられるタイミングと間合いを見極めることが必要となる。

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▲この状態でアーツを発動すると、自分から赤い衝撃波の攻撃に突っ込んでしまう。アーツの発動はキャンセル可能なので、ここは一度引くのが正解

「アーツ」と「シールド」が組み合わさることで、静と動が織り交ざった「アーツを当てるための戦略性」が生まれるのである。

ちなみにここまでで、試遊時間としては5分ぶんくらいの内容となっている。他にもフィールドに発生するエネルギー源とかフォームチェンジしてくるボスとか色々あるのだが、全部書くのは無理!!!どれだけ奥が深いゲームか分かっていただけただろうか。

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▲ボス戦で最後の1人になってしまった管理人。なんとか勝てました

探索と戦闘がシームレスに交じり合うフィールド探索の沼

少し視野を広げて、フィールド探索の話をしよう。

『アークナイツ:エンドフィールド』の舞台は「タロⅡ」と呼ばれる惑星だ。この星にはエネルギー源でもあり、同時に感染症の病原でもある鉱物「源石(オリジニウム)」が至るところに存在しており、人類は源石を利用して機械を動かしたり、アーツを使ったりしている。

また、フィールドに点在する特徴的な色彩は「侵蝕」と呼ばれるもので、空間に異常を生じさせる謎の現象だ。侵蝕された物質には重力の異常などの様々な「性質の乱れ」が発生し、これらはゲーム中におけるプレイヤーたちの障害にもなっていく。

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▲侵蝕によって瓦礫が大変なことに!

そんな危うくも美しい惑星・タロⅡの探索では、『アークナイツ』の世界観を存分に味わうことができる。人類の文明とタロⅡの過酷な自然がせめぎ合うフィールドはどこを見てもエモいし、すこし歩き回ればかわいいウサギらしき生き物(NPC)や原生生物のアンゲロス(敵)、現地でたくましく生きるレイダーの皆さん(敵)が生活している様を見ることができる。

面白いのは、フィールドにいる敵たちがただ配置されているのではなく、そこで「暮らしている」ということだ。アンゲロスたちは群れを作って生活しているし、レイダーは椅子に座って談笑していたり、用事のある場所を行き来していたりする。

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▲くつろいでいたレイダーたちが、管理人一行に気付く様子

しかしプレイヤーの気配を感じれば、彼らは警戒マークを出して臨戦態勢に入り、プレイヤーを探し始める。こうなったら脳のスイッチを戦闘モードに切り替え、うまく逃げ出すか立ち向かって倒すしかない。

襲ってきた敵を倒した後、さっきまで彼らが座っていた場所を見るとなんともいえない感情が湧いてくる。同じフィールドで探索と戦闘がシームレスに交じり合っているからこそ感じられる生存競争の過酷さも、『アークナイツ:エンドフィールド』の世界観の一部といっても過言ではないかもしれない。

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▲暴力的ビフォーアフター

『アークナイツ:エンドフィールド』は、全体を通じて「静と動」を強く意識させられるゲームだと感じた。

激しいリアルタイム戦闘とじっくり考えさせられるアーツのシステムだったり、リラックスできる探索と緊張感溢れる戦闘だったり……本来は反対の要素を持つものが、同一の線上で目まぐるしく切り替わっていく面白さこそ、このゲームの魅力だろう。

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▲ぐっと目を引き付ける演出から、激しいバトルモーションへ切れ目なく繋がる必殺技もカッコいい

また、今回は紹介を割愛したが、本作には『アークナイツ』プレイヤーなら「おっ」と思えるような要素も盛りだくさんだ。個人的には、なんだか見覚えのある素材がベルトコンベアに乗って流れていく様子を是非見てみてほしい。加工所の中ってこんな感じだったのか。

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▲いいもの作ってますね……

『アークナイツ:エンドフィールド』はPS5、iOS、Android、PC向けにリリース予定。具体的なリリース日は不明となっているため、公式Xアカウントなどをチェックして続報を待とう。

ライター
なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『ドラゴンクエスト』シリーズで育ち、『The Stanley Parable』でインディーゲームに目覚めた。作った人のやりたいことが滲み出るゲームが好きです。
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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