そうしたら、あなたは好きな数を宣言し、相手にXダメージを与える。Xはあなたの宣言した数に等しい。
突然だが、私は『フルメタル・パニック!』という作品が結構好きだ。
楽しい学園生活、美少女を守る最強の男の子、巨大ロボット、次々襲い掛かってくる危機!年代を問わず誰もがワクワクする物語が読みたいならフルメタにお任せ!第1巻を読み終えた時、きっとあなたはフルメタファン!
なんかあらすじのクセ強いっすね。
Amazonにあったあらすじを引用してみたけど、まぁこんな感じの作品です。
で、私は小学校低学年の時にうっかりパケ買いした『スーパーロボット大戦W』で、初めてこの作品を知りました。そもそも「ガンダム?白いやつ?」「ゲッター?何それ?」みたいな認識の頃に買ったので、まぁ参戦作品のすべてが衝撃的でした。特に、『フルメタ』と『ナデシコ』は。
このリアル調なロボット、ギャグとシリアスが同居してる学園モノの雰囲気、「ミスリル」とか「ウィスパード」みたいなカッコいい固有名詞……あと、携帯機アレンジがかかってる「戦うM9」ね。携帯機スパロボ特有のちょっとアップテンポなアレンジが大好き。
そんな感じで、『スパロボW』のせいで、妙に『フルメタ』が印象に残っています。だから、「富士見ファンタジア文庫のカード」と言われた時、私は割と真っ先に「うーん、気になるのはフルメタかな?」と思っていました。この話、また追々します。覚えておいてください。
やっぱり『ヴァイス』といえば、「クライマックス」の存在も忘れてはいけない。
原作IPにおける「クライマックスのシーン」を再現したカードが多く、発動したターンは場のカードを強化したり、相手に与えるダメージを強化することができたりします。そして、対応するカードと「CXコンボ」を発動できたりする。
たとえば、『転生王女と天才令嬢の魔法革命』のクライマックスである「羨望する彼女と共に」を発動している場合、「“好きになりたい”アニスフィア&ユフィリア」の強力なCXコンボを発動できる。今こそ放て、百合クライマックス。
とにかく、「クライマックスとキャラを合わせて、あの作品の必殺技を放て!!」といった感じのシステム。これが、ゲーム全体を通してキーになってくる。
そして、私は絶賛開発ディレクターとの対戦で追い詰められていた。
いや、「ヴァイス初見vs開発者」なのだから、追い詰められるのは当たり前である。当たり前なのだけど、どうやらブシロードには接待とかないらしい。どんどん追い詰められていく。
特に私を苦しめたカードが、「『万華鏡』の許嫁 結花」。
「舞台のこのカードのレベルを-1。」「他のあなたのレベル0以下のキャラ1枚につき、このカードのパワーを+500。」というふたつの永続能力を持っており、結果から話すとパワーが7500になった結花が3人がかりで襲いかかってきて、こっちのカードが全部負けた。ジェットストリーム結花。
お恥ずかしながら、原作の『【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。』は読んだことがないのだけど、ヴァイスのせいで結花の存在がトラウマになりそうだ。
しかし、そんな「追い詰められている時」にも、クライマックスが役に立つ。
相手からのアタックを受ける時、「受ける側」にもチャンスがある。
「ダメージステップ」と呼ばれるフェーズで、与えられたダメージと同じ枚数になるまで山札の上のカードを1枚ずつめくる。その時、クライマックスがめくれると、そのアタックのダメージをなかったことにできる!
これを、「ダメージキャンセル」と呼ぶらしい。
なので、パワー7500のムキムキ結花に殴られまくっている中でも、何度かクライマックスを引き当ててダメージキャンセルを発動することができた。そして、こちら側も『スレイヤーズ』のリナ&ナーガとのCXコンボを発動させて、相手のカードを全滅! あと一撃入れば勝てるところまで追い詰めた!
うん、正直ここからまくられることはないでしょう。
だって、相手の場にひとりもいないんだよ?
しかもこっちの場にはV伝のシュワちゃん含めた強力なカードが3枚も並んでる。うん、まず負けることはありえない。ま、私もTCG経験あるし? たとえ開発ディレクター相手だろうと遅れを取るわけがないっつーか? ここは気持ちよく勝って帰らせていただこうかなと。
しかし、返しのターン、開発さんの場になんだかカードが並び始める。
場に登場したのは、「選択した未来 宗介&かなめ」。
と、『フルメタ』のクライマックス。
なるほど、これがあっちの切り札ってワケか!
しかもカードイラストはフルメタ最終巻の表紙! いいじゃない!!
でも、ここから負けることはないでしょ?
レーバテインが何機並ぼうと、結局こっちの場にも3体いるわけだし。
実際、ライフ差もそこそこある。まず、この1ターンで決まることはないッ!!
が、この宗介とかなめが流れを変えてくる。
場に2機のレーバテインが並び、アタックフェイズに突入。
アタックする時、このカードのCXコンボが発動。
発動した効果は、「このカードがアタックした時、CX置場に『戦うボーイ・ミーツ・ガール』があり、他のあなたの《ファンタジア文庫》か《ミスリル》か《ウィスパード》のキャラがいるなら、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは好きな数を宣言し、相手にXダメージを与える。Xはあなたの宣言した数に等しい。」というもの。
は? 何この効果?
開発ディレクター氏からこの効果を宣言された時、完全に思考が停止した。
「え、つまりこれって宣言すれば5ダメージだろうが100ダメージだろうが1億ダメージだろうが入るってことですか?」
「そういうことですね」
レーバテインに殺される直前の私と開発D氏の会話
は? 何この効果?
ここで話が戻るけど、私は結構『フルメタ』に思い入れがある。
だから、「フルメタのカードで戦えるの楽しみだなぁ」とか思っていた。
実際に対戦してみたら、私はレーバテインの無限火力に殺されかけている。
なんで? どうしてこうなった?
しかし、このラムダ・ドライバ式無限ダメージを撃ち込まれても、まだ「ワンチャンなくはない」のがヴァイスのいいところ。容赦なく7ダメージも撃ち込んできた開発ディレクター氏の冷酷無比な攻撃に対して、私が7枚めくってクライマックスを引けば、そのダメージは食い止められる。
まぁ、出なかったので負けたんですけど。
まぁ、よしんば止めても1機目のレーバテインを止めても2機目の無限ダメージが飛んできてたんですけど。ちゃっかり2体も出されてるんだよな! 2回もXダメージが飛んでくるとか……無茶言ってんじゃないよ!! 鬼! 悪魔! ブシロード!
だから、いろいろ使ってみたけど、もうレーバテインの印象しか残ってない。
合間合間をカットしているので、全容が伝わりきっていないかもしれないのですが……これホントに名勝負だったんですよ。開発D氏の結花に押し切られそうになり、こちらがリナのCXコンボで押し返し、ギリギリでレーバテインに逆転負けした。まぁ、どこまで行っても「逆転負け」なのですが。
とにかく、こんな感じで『ヴァイス』では推しのコンテンツで白熱したバトルを楽しむことができます。
富士見ファンタジア文庫のデッキやブースターパックを買うと、レーバテインで相手にXダメージを入れたり、『スパイ教室』のキャラで戦えたり、レーバテインで相手にXダメージを入れたり、最近放送された『V伝』のキャラを使ったり、レーバテインで相手にXダメージを入れたり……。
俺も……俺もレーバテイン使いたかった!!
いいなー! それカッコいいなー!!
はい、富士見ファンタジア文庫のブースターパック買います。
個人的に気になる、『ヴァイス』の変なコンボ
最後に、私はずっと『ヴァイスシュヴァルツ』で気になっていることがあった。
それが、「あまりにも多数のIPが参戦しているがゆえに、作品を跨いだ不思議なコンボが発生する」こと。『ヴァイス』にそこまで詳しくはないけど、これがネットで話題になっているのはよく見かけていた。
おそらく、一番有名なところで行くと、「マチュア&バイス」あたりなんじゃないだろうか。このカードが持っている「他のあなたのカード名に『庵』か『ルガール』を含むキャラすべてに、パワーを+1000」という効果、本来は『KOF』の庵とルガールを強化するために作られたものである。
ところが、『ヴァイス』には多数のIPが参戦しているがゆえに、「ルガール」以外の「ルガール」がいる。それが、『涼宮ハルヒ』の「トラブルガール ハルヒ」や、『アイマス』の「パワフルガール真」である。
実際に公式サイトのカード検索機能で「ルガール」と調べると、あっちのルガールに並ぶ形で「クールガール 長門」や「トロピカルガール響」などがヒットする。
しかも、最近『青ブタ』から「薄れゆく日常 ランドセルガール&梓川 咲太&桜島 麻衣」なども参戦しているから、よりルガールが増えている。これらの「ルガール」たちは、実際にマチュア&バイスの効果によってパワーを+1000することができる。ハルヒも真もみんなパワー+1000。どんだけルガールいるんだよこのゲーム。
なんなら、よく調べてみるともうひとつのパワー+1000対象である「庵」に関しても、『ごちうさ』の「“甘兎庵の看板娘”千夜」と「甘兎庵でアルバイト!? チノ」が強化対象になっているではないか。面白すぎる。心がぴょんぴょんするたび思い出せ!
そんな、「カードプールとIPが豊富であるがゆえの不思議なコンボ」をもうちょっと知りたくて、実際に開発チームの方に聞いてみた。少し教えてもらったので、いくつか紹介しよう。どういう紹介?
ひとつ目が、『MARVEL』の「ムジョルニア」というカード。
端的に言うと、カード名に「ソー」を含むキャラか、「生ける伝説 キャプテン・アメリカ」がいるなら、特殊な効果を発動することができる。勘のいい方はもうお気づきかもしれないけど、「ソー」に反応して、あのハンマー使いの人とは全く関係のないカードでもこの効果を発動できるのだ。
具体的には、「チェンソーマン」でもこの効果を発揮できる。
たしかに「ソー」だわ。アイツ名前に「ソー」って入ってるよ。
他に、「一刀両断 サムライソード」でも発動できる。
なんでこんな藤本タツキと相性良いの?
もうひとつは、「“凛”と名の付くカード」に関するコンボ。
たとえば、『Fate/stay night』から参戦している「美綴綾子」。
端的に説明すると「山札の1枚目を公開して、そのカードがカード名に『凛』を含んでいれば、ドロー加速ができる」という効果になっている。まぁ、つまるところ「遠坂凛」に反応するカードである。
ところが、このゲームには「遠坂凛」以外の「凛」がいる。
ていうか、思った以上に「凛」がいる。
シンデレラガールズの「渋谷凛」、μ’sの「星空凛」、放課後クライマックスガールズの「杜野凛世」。もっと細かいとこに行くと青山ブルーマウンテンの担当編集である「真手凛」、SAOのアリシゼーション編に出てくる「神代凛子」……
凛が、凛が多すぎるぞ────────ッッッッ!!!!!!
とにかく、遠坂凛に並んで渋谷凛も星空凛も杜野凛世も、みんなまとめて美綴綾子のサポート対象である。なんかアイドル率高くね?
もうここまで来ると言葉狩りの領域になってくるけど、『かぐや様』の「凛とした佇まい かぐや」とか『アサルトリリィ』の「凛々しく咲く 梨璃」とかでも、一応「凛」の対象です。本当に言葉狩りです。
うん、満足しました。
この謎コーナーは「単に私が知りたかっただけ」なので、特にオチとかありません。
そんな感じで、『ヴァイスシュヴァルツ』では多数のIPが参戦しているからこそのハチャメチャ感と、推しのコンテンツやキャラで戦う白熱した対戦を楽しむことができます。
さっきのは極端な例ですが、2008年に発売されたオリジナル版『ペルソナ3』のカードと、2024年に発売された『ペルソナ3 リロード』のカードを混ぜ合わせてデッキを構築することもできるのだとか。これは完全に『ヴァイス』の歴史の長さが成せる技ですね。
何気に、今回対戦に使用していた「富士見ファンタジア文庫」も、実は2019年にトライアルデッキとブースターパックが発売されているそうです。なので、2019年と2024年の富士見ファンタジア文庫を混ぜて戦っても楽しいんですって。『ヴァイス』、推しのコンテンツがあったら始めてみましょう。
俺は……蓮とプロセカかな!?