『ヴァイスシュヴァルツ』ってやったことあります?
私は、やったことありませんでした。
だから、『ヴァイス』の案件が来た時、率直に「いや、やったことないよ」と思っていました。うん、ルールを知らないどころか、そもそも全く触れたことがないものの記事を書いても仕方がない。ポケモンバトルの仕組みを知らないのに、『ポケモン』の仕事を受けてもどうにもならない。
なので、正直にその旨をお伝えした。
「やったことがないです」と。
そうしたら、ブシロさんから「じゃあブシロードで開発の人が直接ルール教えますよ!」とのご返答が返ってきた。え、何その好待遇? じゃあ行こうかな? チョロいなオレ。ちょっとでも好待遇をチラつかされるとすぐに釣られてしまう。でも、開発者に直接教えてもらうより楽しいことなくない?
ということで、ブシロードにやってきました。
※この記事は『ヴァイスシュヴァルツ』の魅力をもっと知ってもらいたいブシロードさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
そもそも『ヴァイスシュヴァルツ』ってなんなの
『ヴァイスシュヴァルツ』とは、トレーディングカードゲームである。
いま100人中100人が「そんなこと知っとるわ」「文字数稼ぎか?」と思っていることでしょう。まぁまぁ、のんびり聞いてってくださいよ。え、てか来年蓮のトライアルデッキとブースター出るんだ? これ買おうかな? 蓮のカード結構ほしいんだけど?
……といった感じで、ラブライブ!からガルクラまで、多種多様なIPが参戦しているカードゲームなわけです。ちなみに肩書きは「超エンターテイメントTCG」なのだとか。その肩書き知らなかったな。
多くの人は、アニメの最中に流れるCMなんかで一度は目にしたことがあるんじゃないかな?
個人的には、金曜ロードショーの後枠だった『葬送のフリーレン』の最中にCMが流れていて、「すげえ、この時間帯の日テレでヴァイスのCM流れてるよ……Tokyo MX以外で流れることあるんだ……」と謎に感動したのを覚えてます。とにかく、バラエティ豊かです。
で、フリーレンでもプロセカでもヘブバンでもブルアカでも何でもいいから、自分の好きなコンテンツのカードでデッキを組んで、戦うらしい。ルールによってはカードを混合させることもできるらしい。
私の『ヴァイス』知識、ここまでです。
カードゲーム。ブシロード。なんかいっぱいIPが出てる。戦うらしい。アニメの最中にCM流れがち。レアカードに声優のサイン書かれがち。以上、私の480pくらいの『ヴァイス』解像度です。
でも、私とほぼ同じ認識の人、少なくないんじゃない?
まぁ、「遊んだことないカードゲームの知識」って、こんな感じになるよね。
ということで、これからブシロードの『ヴァイス』開発チームに私の解像度をせめて720pにまで上げるべく、ルールと厳しさを叩き込まれるわけですね。
ルール的に「好きなカードを場に残せる」のが面白い
ということで、さっそくプレイに移っていこう。
……とはいえ、実際の対戦模様を何から何まで書いてしまうとそれはそれで冗長なので、「ヴァイスを初めて遊んでみて驚いたこと」を書いていこうと思う。
既にガッツリやりこまれている方からすると、「え、今更……?」と思うかもしれないけど、本当に初見なので許してほしい。
まず、いわゆるTCGにおける「墓地」「除外」が「控え室」「思い出」と言われているところ。これは完全に「配慮」ですよね。多数のIPが参戦しているカードゲームだから、ちょっと「破壊」とか言いづらい。そこに対する「控え室」と「思い出」。そこかよって感じだけど俺はここ面白かったんです。
しかも、この「控え室」と「思い出」というワード、『ヴァイス』の形式ともすごくマッチしていると思う。やっぱりいろいろなキャラが参戦しているから、ユーザーは好きなコンテンツのカードを使う。だから、唐突に「思い出」とか言われても、割と納得感がある。
そしてバトルする場所は「舞台」、送られる場所は「控え室」……と、文字通り「有名なキャラクターがいっぱい出てくる舞台」としてテキストを固めている。この言葉遣いがなんか良い。まさに『スマブラ』が「倒す」ではなく、「吹っ飛ばす」という表現をしているような……アレですねアレ。
TCGで対戦している時、こう思ったことはないだろうか。
「せっかく好きなカードがあるのに、全然対戦で活かせない」と。
イラストも性能もめちゃくちゃ好みのカードを手に入れた……けど、全然デッキで活かせない! そのカードを出そうとしている間に負ける! なんならせっかく場に出してもすぐに倒される!!
まぁ、それをどう活かすかまで含めて「TCG」なのかもしれませんが。
私は昔、『デュエル・マスターズ』というカードゲームを少し遊んでいた。
その中でも、「シャチホコ・GOLDEN・ドラゴン」というカードがかなり好きだった。もう、イラストがやたらとカッコいいのだ。知らない人は検索してほしい、超カッコいいから。
ただ、シャチホコ・GOLDEN・ドラゴンは場に出す条件が結構難しい。いろいろ前段があるのだけど、端的には「高コストのドラゴンを3体場に揃える」という中々な条件を満たす必要がある。でも私はシャチホコ・GOLDEN・ドラゴンを使いたかった。
が、実際に対戦をしていると、とにかく揃わない。3体揃ったと思ったら除去されるし、3体揃う前に負ける。
いま本気でシャチホコ・GOLDEN・ドラゴンを場に出すためのデッキを組めばそれなりに頑張れるのかもしれないけど、当時小学生だった私の知能では、「なんとかシャチホコ・GOLDEN・ドラゴンをサイキック・リンクさせる」ところが限界だった。
もう、「シャチホコ・GOLDEN・ドラゴンで勝つこと」ではなく、「シャチホコ・GOLDEN・ドラゴンを場に出すこと」が私の勝利条件になっていた。負けてもいいから推しカードを場に出したい。これは「手段と目的がすり替わる」の典型例だ。
でも、俺だって本当はシャチホコ・GOLDEN・ドラゴンで、勝ってみたかった……。
話をヴァイスに戻そう。いつまでデュエマの思い出トークをしてるんだ私は。
私が『ヴァイス』を遊んでいて驚いたのは、「アンコール」というシステムである。
端的に言うと、「バトルをして負けてしまったキャラクターも、コストを払うとその場に残すことできる」というシステム。つまり、「せっかく推しの切り札を出せたのに、すぐにやられてしまった!」という時も、コストさえあればその舞台に残せる。この機能、結構すごいと思いました。
そもそも、TCGにおいて「ルール的に“カードを場に残せるようにする”」というのを、あんまり聞いたことがない。カード依存でそういう効果があるなら理解できるけど、ルール側でいわゆる「除去耐性」を用意している。これってある意味、環境崩壊すら招きかねないのでは……と思うのは、別のTCGの遊びすぎだろうか。
でも、『ヴァイス』は「好きな作品でバトルするTCG」でもあるから、ルール的に「大切なカードを場に残せる」ことに意味がある。これ、実際に遊んだ時かなり面白いと思いました。ルール的な意味でも、『ヴァイスシュヴァルツ』というコンテンツの在り方的な意味でも。
たとえば、私が『スパイ教室』大好きオタクだったとしよう。
いや事実結構好きなんだけども。
さらに、私は楠木ともりのファンだったとしよう。
いや事実毎週ラジオ聞いてるくらいにファンなんだけども。
だから、私は「《忘我》のアネット」で勝ちたい!
もう、何としてでもcv楠木ともりの《忘我》のアネットで無双し、cv楠木ともりの《忘我》のアネットで相手にトドメを刺してやりたい!! そんな時にも、「アンコール」で上手く立ち回れば、《忘我》のアネットを場に残し続けて勝利を掴み取れる……かもしれない!!
あぁ、小学生の時シャチホコ・GOLDEN・ドラゴンに恋焦がれていた私にこのシステムをあげたい。いや、別にデュエマのことディスってるわけじゃないからね? 『デュエマ』には『デュエマ』の良さが、『ヴァイス』には『ヴァイス』の良さがあります。