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「見よ!東方は、紅く燃えている──!!」クライマックスも、あの名シーンも、すべて知っているはずなのになぜか泣いてしまう。初めて『Gガンダム』を視聴した男があっさり心奪われた話

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意外にもドロドロした世界。なるほど、これは確かに「ガンダム」だ

もうひとつ、視聴していて意外だったのが「政治をしっかり描写している」ということ。正直なところ、「ガンダムファイト」とか言っているくらいなので、観るまでは割とバカバカしいタイプ、ギャグアニメに片足突っ込んだようなお話だと思っていたんですよね。

ところが視聴してみると、ガンダムファイトの背後でうごめく陰謀やら、グロテスクな権力闘争の様相やら……すっごくドロドロした背景がたっぷり描かれていました。
そもそも、第一話の時点から「ガンダムファイト」がリングとして地球を使っているため、地球上に住む人たちからは疎まれていることもしっかり描写されていたりします。

この第一話も個人的にはかなり好きでして、ドモンのツンデレっぷりもちゃんと出ているし、当然ですが「シャイニングフィンガー」がはじめて登場する回でもあります。ゲームで何度も観てきたとは言え、“生”(?)で観るとやっぱり良いモノだ……。

『Gガンダム』感想:クライマックスも、あの名シーンも、すべて知っているはずなのになぜか泣いてしまう名作_007

全面戦争を回避するための手段である「ガンダムファイト」も、結局のところ人間の都合で地球を痛めつけている……。第一話で打ち出されたこの問題提起は、その後の展開にも深くかかわってきます。

「ガンダムファイト」という、一見すると荒唐無稽でハチャメチャ感を匂わせる本作の舞台設定ですが、意外にも作中での描かれ方はリアル。多くの人間の欲望が渦巻く「戦争」として描写されており、「なるほど、これはガンダムだ……」と唸らされました。もしガンダムファイトがあったら、こういうことが起こるんだろうな……というのがちゃんと描かれている。

そしてこのドロドロした世界の描き方が印象に残る一方、ファイターたちの戦いぶりはやはり爽やかで、非常にノリが良い。今では当たり前になりましたが、次から次へと新しいガンダムが出てくるのも斬新で、作品のにぎやかさを担保してくれていたように思えます。なんかやたらとご当地ネタを盛り込んだデザインだし。

こうした清涼感、ある種のバカバカしさとでも言える要素を失っていないのが『Gガンダム』の良さ。例えば、私が幼少期に観たとしても、「ガンダムが格闘技やってる!」と素直に楽しめたでしょうし、いまドモンの年齢を超えて観ると、物語の裏事情とか、ドモンの苦しみがじんわり伝わってくる味があります。

『Gガンダム』感想:クライマックスも、あの名シーンも、すべて知っているはずなのになぜか泣いてしまう名作_008

屈指の名キャラクター「東方不敗」。クソ強いジジイ、みんな好きだよね

さて、そんな『Gガンダム』の登場キャラクターの中で、私が特に好きなお方と言えば……。

やっぱり「東方不敗(マスター・アジア)」!

『Gガンダム』感想:クライマックスも、あの名シーンも、すべて知っているはずなのになぜか泣いてしまう名作_009

ガンダム界の「師匠」と言ったらこの人。先ほどもちょっと話に出ましたが、12話の登場シーンにおける強さのインパクトが半端じゃない。「クソ強いジジイ」みたいなキャラクターは常々人気な印象がありますが、そのイメージを作っている立役者のひとりと言っても良いんじゃないでしょうか。

作品を通じて、師匠の存在はドモンにとっては精神的な支柱でもありながら、越えなければいけない壁でもあるといった印象を抱きました。その集大成(?)が45話。恐らく、ガンダムファンなら一度は聞いたことがある“例のタイトル”の回です。ネタバレ全開すぎてタイトルさえ書けないのがつらい。

……さすがに泣きましたね。展開も、セリフも、知っているのに胸に響く。そこまでに観てきた40数話分の重みがあって、やはり切り出された名シーンだけを体験するのとはまったく違った力強さで迫って来る。今川泰宏監督が熱意を込めすぎたあまり、まだ最終回でもないのに「完」と書いてしまったという逸話にも信憑性を感じざるをえません。

『Gガンダム』感想:クライマックスも、あの名シーンも、すべて知っているはずなのになぜか泣いてしまう名作_010

本当は、しばしば現れてはドモンに手を貸してくれる謎の人物「シュバルツ・ブルーダー」の話もしたかった……んですけど、こっちは存在のすべてがネタバレみたいな人なので師匠以上に困る。言うなれば『Gガンダム』における“仮面枠”【※】なんですが、他の仮面キャラとはちょっと立ち位置が異なる印象でした。

同時に相当な強キャラでもあり、第16話で登場した際は、東方不敗をもってして「できる……貴様、何者!」と言わしめるほど。彼について気になる人は44話まで「は」観てね! 声優・堀秀行さんによる最高な演技も待ってます。

※『ガンダム』シリーズに頻繁に登場する仮面を身に付けたキャラクターのこと。代表は「シャア・アズナブル」

ちなみに「ゲルマン流忍術の達人」と言われている彼ですが……「ゲルマン流忍術」ってなに!?

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ひと通り観終わったうえで『Gガンダム』のストーリーを振り返ると、その内容は意外にもシリアスかつ王道。特にドモンにフォーカスして観ると、仲間と出会い、強く成長し、そして最後に……という少年マンガのようなド王道の物語をたどっているように思えました。

その旅路を彩る強烈なガンダムファイターたちのキャラクター性、そして“ガンダム同士の殴り合い”を真正面から描く気持ち良さは間違いなく『Gガンダム』の大きな魅力。放送から30年がたった今でも、「Gガンほどぶっ飛んだガンダムってないかも」と感じさせてくれる圧倒的なパワーがあります。

そして何より、泣ける。こればっかりはもう、観てみてください……。分かっていても泣かされるのは、ちょっとズルくないか。もう『EXVS.』遊んでるときも、ガンダムシュピーゲル(シュバルツの搭乗機)に文句言えなくなっちゃったじゃないか……。

さて、そんな『Gガンダム』はDMM.TVのプレミアム会員なら全話見放題! プレミアム会員は初月無料、その後も月額550円とかなりお手頃な価格で加入できます。その他にも『ガンダム00』『ガンダムW』などが見放題で配信されていますので、無料の1カ月間で一気に見てしまうのもありかもしれません。というわけで……。

DMM.TV大勝利! 希望の未来へレディ・ゴーッ!!

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編集者
オーバーウォッチを遊んでいたら大学を中退しており、気づけばライターになっていました。今では格ゲーもFPSもMOBAも楽しんでいます。ブラウザはOpera

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