侵校生を倒す秘訣は“推し活”!?推しとの絆を深めてパワーアップ!
推しを見つけたら、次にすることは当然「推し活」だ。
本作では、特にやることがない日には来るべき侵校生との戦闘準備のため「自由行動」の時間が設けられている。
自由行動では「学究活動(がっきゅうかつどう)」と称して仲間との会話で親交を深めたり、「探索」に出発して物資を調達したり、武器を強化するなど様々な行動が可能だ。
今回はその中でも、推し活とも呼べる「学究活動」と「プレゼント」についてお伝えしたい。

「学究活動」では推しと会話して仲良くなるだけでなく、主人公の澄野拓海の「成績」がアップする。成績には国語・数学・理科・社会・体育の5種類があり、成績を上げて条件を満たすとキャラクターのスキルを強化することができる。
例えば怠美はスキルの強化に「国語」の成績が必要だが、怠美と会話すれば国語の成績アップに必要な「想像力」という項目が上昇する。会話を通じて主人公が強くなることが、巡り巡って推しの強化に繋がるのだ。


次に「プレゼント」だ。自由時間に各キャラクターの好みとなるプレゼントを贈ることで、「学究活動」での会話よりも大きく成績をアップさせることができる。ストーリーや学究活動での会話、プロフィール等をヒントに、推しが喜んでくれそうな最高のプレゼントを選ぶのだ。

今回は「スプラッター映画」をプレゼントマシーンで作って、怠美にプレゼントしてみる。


酷い言われ様……。だが、怠美さんは喜んでくれたようだ。
各キャラクターには「欲しいもの」のリストがあり、学究活動を繰り返すことで欲しいものリストのヒントやキーワードを得ることができる。闇雲にプレゼントを渡すのではなく、まずは推しと会話して理解度を深めてから欲しいものをあげてみよう。目指すは欲しいものリストコンプリートだ。

なによりこれらの推し活で推しを強くすれば、バトルで推しをたくさん活躍させられる!推しの勇姿を見るためにも、推しとはどんどん積極的に交流していこう。
バトルで見つかった新たな推し。戦闘シーンで輝く推しもいる!
ゲーマーとして、SRPGパートのバトルにも少し触れておくべきだろう。このバトルは完全にスキップをすることができないため、ストーリー重視で楽しみたい、というプレイヤーも必ず向き合わなければならないことはあらかじめお伝えしておく。
とはいえ、バトルはストーリーと切り離されているわけではなく、バトル中にも仲間たちの会話が入る。戦闘中の各キャラクターのリアクションは絶妙でストーリーとの親和性も高く、時に攻略のヒントを聞けることも。バトルの難易度は比較的易しめでSRPG初心者にもわかりやすいため、むしろ本作を機にSRPGにハマるきっかけになるかもしれない。
ゲームとしては、いかに効率よく敵を全滅させるかを考えるのも楽しい作りになっている。うまくいけば敵をワンターンで殲滅することも可能だ。

また、バトルを通じて新たな推しに巡り合うこともある。私にとっては蒼月衛人(CV:櫻井孝宏)がそうだった。
『ハンドラ』のSRPGパートでは、キャラクターによって攻撃できる範囲やダメージが異なる。推しにこだわって戦い抜くのもいいが、効率良く敵を全滅させることを考えるなら、複数のキャラクターをうまく動かすことも重要になってくる。
蒼月くんの攻撃は手前三方向に3ダメージを与えることができ、仲間たちの中でも冷酷女王の雫原さんに次いで高火力。扱いやすさに優れた主人公の拓海、攻撃範囲に優れた推しの怠美に対して、ダメージと攻撃範囲の両方を兼ね備えた蒼月くんのなんと頼もしいことか。前線に出れば、次々と侵校生を屠ってくれる。

こうなると蒼月くんをもっと強化したくなる。強化するためには彼との交流が重要だ。彼の話を聞き、プレゼントを選んで……おかしいな、いつの間にか推し活が始まっている。

バトルで活躍するキャラクターを強化する過程で、プレイヤーは彼らの新たな一面を知ることになる。戦闘のために育てたキャラが、気付けばどんどん推しになっていくのだ。このように、『ハンドラ』ではストーリーパートだけでなくバトルパートでも推しが増えていく。
こうなると、他の仲間たちにもがぜん興味がわいてくる。どんな個性を持ったキャラクターがどんな武器を使い、どんな戦闘性能を持っているのか?もうステータスの数字まで気になってくる。
また、バトルの最後には、プレイヤーが選択したキャラクターが敵の部隊長にトドメをさすシーンがある。
残酷なシーンだが、これは侵校生との戦争。あるものは覚悟を決め、あるものは嬉々として、あるものは泣きながら敵にトドメをさしていく。すべてはこの100日間を生き残るためだ。


部隊長にトドメを刺すと、戦う力である我駆力が強化され、トドメを刺したキャラクターはさらに強くなる。このトドメのシーンも、バトルパートの醍醐味なのだ。
繰り返すが、バトルパートの難易度はけっこう易しめだ。SRPG初心者でも、通常の「HUNDRED LINE」モードで始めることをオススメしたい。
それでも不安なプレイヤーは、物語に集中できる「SAFETY」モードを選ぶのも手だ。どちらを選んでも最高の体験が待っているだろう。
そして『ハンドラ』箱推しへ
こうしてストーリーからハマった私は推しの怠美に出会い、そしてバトルを通じて蒼月くんという推しが増え、よりストーリーにハマって……と繰り返しているうちに、いつのまにか『ハンドラ』箱推しになっていたのであった。
こうなるともう、私は最終防衛学園を構成する1枚の壁となってすべてを見届けるしかない。朝も夜も『ハンドラ』の世界の先がどこまでも気になってしまって仕方がなく、寝る間も惜しんでどんどんストーリーを進めていく。
本作の目的は「100日間学園を防衛する」こと。ゴールが非常にわかりやすく、日々を過ごしていく中で全体的な進行度も見えてくる。単純にDay 30なら進行度30%くらい、といった形だ。これならプレイの止め時も見つけやすい。
しかし、プレイを始めてしばらく経った時、ふと異変に気付いた。
一向に終わる気配がない。
ふと気になってメニュー画面の「ギャラリー」を覗いてみたところ……。
「ギャラリー」のイベントイラスト項目を鍵のかかっているものと合わせて数えた結果、合計580枚、ある。表情の差分も含めると600枚は超えているだろう。また、フルのムービーが234本、サウンドが98本存在することが画面から確認できる。なんというボリューム!もはや正気の沙汰ではない。

まだ見ていないエンディングが、ストーリーがこれだけある。あまりの物量に思わず呆然としてしまった。全てのエンディングを見るには、毎日プレイしても数週間どころか数カ月かかるかもしれない……。
それでも箱推しとなったからには受けて立とう。この『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』という狂気の世界にもっと浸っていたい。何カ月かかってもいつか推しと理想的なエンディングにたどり着けることを信じて、私は今日も『ハンドラ』をプレイする。そして100通り全てのエンディングを見てやろう!
……その後私を見たものはいなかった。SNSの返信が返ってこないときは最終防衛学園に籠っていると思ってほしい。
今回はゲームの狂気的物量に触れつつ、キャラクターとの交流を「推し」という観点から取り上げて『ハンドラ』の先行プレイをレポートさせていただいた。
しかし、本稿で取り上げたのは『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』という料理のほんのひとつまみに過ぎない。
ストーリーに関して触れられる範囲で触れたくて触れたくて、いやもう触れたかった!
けれど、断腸の思いで我慢した。本稿を読んだ皆さんがネタバレなしで、最高の状態で初プレイの時を迎えてほしいという思いと共に、本作が究極のアドベンチャーゲームとして世に広まることをいちファンとして強く強く願っている。筆者が語りつくせなかった本作の衝撃と狂気を全身で浴びてほしい。
また、最後になるが『ハンドラ』はゲームの配信者向けにガイドラインおよびガイドラインの説明動画が公開されている。本作はなんと新作アドベンチャーゲームにもかかわらず、ガイドラインさえ守れば、本編全て配信可能だ。この寛大すぎる対応には恐れ入る。……あるいはこれも、「全部配信できるものならしてみろ」という挑戦状なのかもしれない。

『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』は2025年4月24日より、PC(Steam)およびNintendo Switch 向けに発売予定だ。
ゲーム配信を検討している方は必ずガイドラインをチェックし、視聴者と共に“極限”と“絶望”の100日間を過ごしてみよう。