「過去最大の「ボーダーランズ」を楽しんでほしい」開発陣インタビュー
最後に、先行プレイ体験と合わせて行われた、『ボーダーランズ4』の開発陣であるRandy Pitchford氏(GEARBOX: Founder and President)とAndrew Reiner氏(GEARBOX: Global Creative Exective)、およびAnthony Nicholson氏(GEARBOX: Senior Product Producer)へのインタビューの内容をお届けする。

──本作に初めて登場した「ECHO-4」はかわいいうえにとても優秀ですが、彼の登場により、「クラップトラップ」の“マスコット”としての立場が危うくなってしまったりはしないでしょうか?
Randy氏:
いやいや、まさか!(笑)クラップトラップは『ボーダーランズ4』でも変わらず代表的なキャラクターとして登場します。
クラップトラップにはゲーム序盤に会いに行くことができますし、彼はヴォルト・ハンターにちょっとしたサイドミッションを依頼してくれます。とても心温まる素敵な物語になっています。個人的に、私はこのミッションが大好きです!

──『ボーダーランズ4』ではヴェックスの召喚する「トラブル」や、冒険をガイドしてくれる「ECHO-4」など、かわいらしい相棒たちと触れ合うことはできますか?
Anthony氏:
もちろんです!ヴェックスの召喚する、ネコの「トラブル」はなでることができます。
ECHO-4も非常に表情豊かで、言葉は話さないものの、周囲で起こる出来事に反応します。たとえばプレイヤーが倒れると、悲しそうな反応を見せたりします。
それと……ちょっと大胆な気分のときには、銃をなでることもできるかもしれませんよ。

──『ボーダーランズ4』では「ECHO-4」をはじめ、利便性にまつわる新要素が多く追加されている印象です。これらの新要素は、どのような意図で追加されたのですか?
Anthony氏:
ECHO-4の便利さや、ほぼどこでも呼び出せるデジランナー、そして途中参加・途中離脱が可能な協力プレイの大幅な改善など、今回追加した要素のすべては「プレイヤー」と「楽しさ」の間にある障壁を取り払うことを目的としています。
ヴォルト・ハンターたちには、「次にどこへ行けばいいか」を迷う時間よりも、心拍数が上がるようなアクションにもっと多くの時間を使ってほしい。カイロスの美しい風景をスタイリッシュに駆け抜け、仲間とともに破壊の限りを尽くす──そんな体験をより長く楽しんでもらいたいのです。

──『ボーダーランズ4』は過去最大のボリュームとなっており、スキルツリーやマップなどは過去作品を合わせたものよりも多いと言われていましたが、ゲームをプレイし始めてからメインストーリーをクリアするまでのプレイ時間はどのくらいを想定していますか?
Anthony氏:
『ボーダーランズ4』は、シリーズ史上最も野心的な『ボーダーランズ』です。あまりにもスケールが大きいため、メインストーリーのクリアにかかるプレイ時間は、プレイヤーごとに大きく異なることが予想されます。
というのも、本作ではシームレスな世界をどのように進むか、ダイナミックなワールドイベントにどれだけ関与するか、旅の途中でどれだけサイドミッションに挑戦するかなど、進行方法が大きくプレイヤーに委ねられているからです。
広大なマップをどのように進むかはプレイヤーの自由で、何ならメインストーリーに従う必要すらありません。カイロスの生き物たちを追いかけたり、目の前で墜落した船を探索してみたり、目の前にある冒険に飛び込むのも一興です。時間を気にせず、思うままに楽しんでもらえたら嬉しいと思います。

──『ボーダーランズ4』で使用できるエレメンタルはどのようなものを予定していますか?
Anthony氏:
これまでの『ボーダーランズ』シリーズに登場した属性ダメージ、具体的にはファイアー(炎)、ショック(電撃)、コロッシブ(酸)、クリオ(氷)、レディエーション(放射線)は、『ボーダーランズ4』でも登場します。
さらに、一部のヴォルト・ハンターのアビリティでは、さまざまな効果を付与することができ、それらをプレイヤーがどのように武器や戦略に組み込んでいくのか、今からとても楽しみです。
──『ボーダーランズ4』に新たに登場した3つの武器メーカーのコンセプトについて教えてください。
Andrew氏:
まず、「オーダー」はカイロスを支配している本作の敵勢力「タイムキーパー」のメーカーです。オーダーの銃は普通に撃つこともできますが、チャージしてパワーを溜めた後に放つことで大きな火力を出すことができます。

「リッパー」は、タイムキーパーに対抗するレジスタンス勢力のメーカーです。このメーカーのコンセプトは単純で、とにかく大量の弾を、可能な限り速く撃つこと、これにつきます。

「ダイダロス」は信頼性を重視するメーカーで、複数の種類の弾薬を使うことができます。弾薬の違いによる性能の変化もありますが、一番の利点は弾切れを起こしにくいことでしょう。

もちろん、これらのメーカーの特徴は認可パーツによってさらに拡張されていきます。過去作に登場したCOV、アトラス、ハイペリオンのパーツも登場しますよ。
──『ボーダーランズ4』で初めて『ボーダーランズ』シリーズに触れる人に注目してほしいポイントはありますか?
Randy氏:
私たちは、『ボーダーランズ』シリーズは「ルーターシューター」【※】というジャンルの先駆けであると自負しています。だからこそ、『ボーダーランズ』シリーズは常に「ルーターシューター」としての面白さの最先端を目指して開発を行っています。
日本ではまだそれほど広まっていないかもしれませんが、アメリカでは『ボーダーランズ』のために休みを取る人もいるようなタイトルなんです。いちどプレイしてもらえば、きっと「ルーターシューター」の面白さが分かると思いますよ!
【※】日本ではシューティングRPGと呼ばれるゲームのうち、特に戦利品を集めてキャラクターを強化していくプレイスタイルに特化したもの
──今作から初めて「ボダラン」シリーズに触れるプレイヤーにおすすめのヴォルト・ハンターはいますか?
Anthony氏:
ヴォルト・ハンターとしてプレイする際には、戦場で無敵のバッドアスとして大暴れする「パワーファンタジー」を存分に体験してほしいと考えています。常識外れの武器を駆使して敵をなぎ倒し、アクション・スキルを解き放って戦闘の流れを自在にコントロールする、そんな爽快感が本作には詰まっています。
どのヴォルト・ハンターも十分に活躍できるよう設計されていますが、ゲームプレイの難易度はプレイヤーの経験や好みによって異なる場合があります。だからこそ、自分が最も共感できて、「これぞ最高!」と感じられるヴォルト・ハンターを選ぶのがおすすめです!
──お気に入りのヴォルト・ハンターと武器メーカーの組み合わせを教えてください!
Anthony氏:
『ボーダーランズ4』では、無数のユニークでエキサイティングな銃の組み合わせが出現するだけでなく、スキルツリーの構築方法にも多彩な選択肢があります。
私はヴェックスに「デッド・リンガー(Dead Ringer)」を組み合わせて、スペクター(Specters)やリーパー(Reapers)にも同じ属性ダメージを与えるエレメンタル武器を使うのが大好きです。スペクターをスナイパーとして配置して、リーパーを暴れさせる──もう最高です!
そして新たに導入された認可パーツシステムもお気に入りです。私は「ジェイコブズ」というメーカーが好きなんですが、今作ではたとえば、2種類の属性ダメージを持つ「マリワン」製SMGに、「ジェイコブズ」特有のクリティカル時の跳弾性能(crit bullet ricochets)を付け、さらにリロード時には投げて足が生えて敵を追いかけながら属性クリティカルショットを撃つ、そんな夢のような銃を手に入れることができるんです。まさに驚きの連続です!
──『ボーダーランズ4』にはたくさんの銃が登場しますが、なぜこんなに大量の銃が登場するゲームを作ろうと思ったのですか?
Randy氏:
アメリカは銃社会であると言われていますが、銃は実際には非常に危険なものです。私も、本物の銃は所持していません。
ですが、ゲームの中にあるデジタルの銃は誰も傷つけません。デジタルの銃ならば、銃のカッコよさや強さを存分に楽しむことができます。こういった形でデジタルの銃に惹かれるのは、銃が身近にあるからこそかもしれません。そういう意味では、このゲームはアメリカ人だからこそ作れるゲームだとも言えるでしょう。
日本の方はあまり銃に馴染みが無いかもしれませんが、『ボーダーランズ4』には、理論上は地球上の人口よりも多くの種類の銃が存在します。きっと、色んな人に合う銃があるはずです。
──ちなみに、日本のプレイヤーにおすすめの銃はありますか?
Randy氏:
個人的な印象ですが、「マリワン」の銃は日本っぽい気がします。属性ダメージのプロフェッショナルで、堅実な働きをしますから。逆に、アメリカっぽいのは「トーグ」の銃ですね。アメリカ人は爆発が好きですからね(笑)
▲画像はBorderlands 4 – State of Play Deep Dive | PS5 Gamesより
──最後に、発売を待ち望んでいる日本の『ボーダーランズ』ファンにメッセージをお願いします!
Randy氏:
『ボーダーランズ4』は、初めて「ボーダーランズ」に触れる人にとって始めやすく遊びやすいことはもちろん、過去の「ボーダーランズ」が好きな人にとってはより快適に遊べるよう意識して作りました。
『ボーダーランズ4』は、間違いなく過去最大・最高の「ボーダーランズ」です。ぜひ楽しみにしていてください!
有能すぎるECHO-4をはじめ、これでもかと新規要素を詰め込んだ『ボーダーランズ4』。しかし、その新要素のすべては、「めっちゃ大量に銃が出てくるゲーム」という「ボーダーランズ」シリーズのアイデンティティを強調し、より「ボーダーランズ」の楽しさへの没入に繋がっていた。
シリーズ作をプレイしたことのある人はきっと、記事を読みながら「この要素が増えたらどう便利か」「この要素が増えたらどう楽しくなるか」を想像したことだろう。これだけ多様な要素が増えつつも、「「ボーダーランズ」の楽しさ」のイメージが損なわれないことこそ、このシリーズの強みなのかもしれない。
そしてまだ「ボーダーランズ」シリーズをプレイしたことのない人には、『ボーダーランズ4』発売のタイミングこそ、シリーズに飛び込む最高のチャンスであると伝えたい。とりあえず、今まで見たことのない量の銃に溺れられることだけは保証できる。
『ボーダーランズ4』は9月12日にSteam、Epic Games Store、PS Store、Xbox向けに発売予定。Nintendo Switch版は2025年に発売予定だ。