メインストーリーの新章ではアドベンチャーゲームライクな“捜査”も
ここからは、今回のクローズドβテストで実装されたメインストーリーの新章のあらすじを紹介します。
この新章では、ヒュペリア帝国の警備部隊で働くリズム・フィッシャー准尉を軸としたストーリーが繰り広げられます。
リズム准尉もまた、苦難を強いられるカロン族の1人です。
ですが、たとえカロン族でも、帝国の忠実な戦士となって「桂冠カロン族」として認められれば、その苦難から解放されるとリズムは信じています。その希望を胸に、リズムは警備部隊で功績を挙げることに躍起になっているのです。
現在この街では「カロン狩り」が横行していて、リズムが捜査を行っています。そんな彼女に、月狩り人たる主人公らが協力する形で、新章のストーリーが進展していきます。
じつにユニークなのは、この新章ではプレイヤーが実際に”推理”を行うことです。
各地でのNPCへの聞き込みや、遺留品などの捜索を行って捜査に必要なパーツを集め、それを正しく組み合わせれば、解決方法が閃くといった寸法です。
本作は基本的にオンラインRPGですが、この推理パートに限っていえば、本格的なアドベンチャーゲームといって差し支えないでしょう。これはとても新鮮で、楽しくプレイできました。
こういったRPGを遊ぶときに、メッセージを読まずにスキップする人もいると思いますが、本作ではしっかりと読むことを強くオススメします。
リズムは仕事に対して毅然に取り組みますが、一方で真面目すぎるというか、頭でっかちな部分もあります。そんな彼女が、カロン狩りの捜査を通じて、主人公たちに少しずつ心を開いてくれるのは、見ていて微笑ましかったですね。
前章では彼女とのあいだに因縁も生じましたが、こういった別の側面を見せられることで、キャラクターや物語としての深みを感じます。上述したサイキのファンになった人は多いでしょうけど、リズムのファンになる人も続出するんじゃないかなと思います。何より可愛いですし!
そして、この新章には重要人物がもう1人登場します。
リズムの弟であるブルース・フィッシャーです。
この姉弟は幼いころに両親を穢獣に殺されていて、それがリズムが警備部隊に加わった大きなきっかけとなっています。またブルースは今から3年前に、リズムよりも一足早く桂冠カロン族の候補として選ばれ、旅立っていきました。
新章のストーリー上で、リズムはブルースとの再会を果たすことになります。
あれから3年が経ったブルースは、無事に桂冠カロン族になれたのでしょうか。
この2人は、どういった形で再会するのでしょうか。
そして再会を経て、リズムはどのような決断をするのでしょうか。
カロン族という逃れられない宿命を背負った姉弟が、希望を見いだそうと抗う物語は、見ていて切なくて苦しくなります。この新章も、じつにデュエットナイトアビスらしいストーリーとなっているので、ぜひ期待してください。
夢の中に登場する人物とは……?
ここまで紹介したストーリーは、プレイヤーキャラが「月狩り人」として活動し、サイキやリズムをはじめとした仲間とともに冒険しながら、親友のベレニカとの再会を目指すという内容です。
しかし、本作ではもう1人、「主人公の夢の中の人」が登場し、この人物の視点でのストーリーも繰り広げられます。本作の核心に迫る内容であるため、ネタバレを避けつつ、さわりだけ紹介しましょう。
この夢の中にあらわれる人物は、ヒュペリア帝国軍の若き隊長で、周りからの信頼も厚いです。しかし、カロン族の反抗組織を討伐する作戦の最中、仲間の裏切りに遭い、危機に瀕してしまいます。
仲間の犠牲を乗り越えながら作戦を遂行し、ついに裏切りと陰謀の真相を目にすることになります……。
ここまでの話を見る限り、この若き隊長はプレイヤーキャラとの接点がないと思えるでしょう。ですが、違うのです。
じつはこの人物は、もう1人の主人公といえる存在なのです。
そして主人公は「レゾナンス」と呼ばれる、カロン族のなかでも類いまれな特殊能力を持ち合わせており、それによって2人が結びついているのです。
とりあえず、「本作では今後、ダブル主人公による物語が繰り広げられる」とだけ言っておきましょう。
個人的には、「タイトル名の『デュエットナイトアビス』って、そういう意味だったんだ!」と、思わず膝をたたいてしまいましたね。
2人の物語が、今後のストーリーでどのように絡み合うのか気になって仕方がありません。ぜひ、期待してください。
戦闘、移動、カスタマイズなどの各種システムは自由度が高め
さて、ストーリーが強烈な本作ですが、操作や移動方法など各種システムは、全体的に簡単で、かつ手触りがとても良いです。これらに関しても、あらためて軽くおさらいしておきましょう。
本作のプレイアブルキャラは、遠距離用と近距離用の2種類の武器を同時に装備可能です。
これらはマウスクリックの左右で瞬時に使い分けができます。また、どの武器も全キャラが装備できるのも、シンプルで嬉しいですね。

ゲーム序盤を遊ぶ限り、レベル上げのテンポはすこぶる良いです。また、敵とのレベル差が極端に大きくなければ、かなり有利に進められるバトルの難度となっています。
以前に電ファミに掲載したインタビュー記事で、ディレクターのデカ熊氏が「楽ができるアクションゲーム」と述べていましたが、確かにそれもうなずけます。
個人的に「これは!」と思ったのが、近距離攻撃をヒットさせることで加算されていく「コンボポイント」のシステムです。コンボポイントが増える毎にランクが上がっていき、一度だけ近距離攻撃ボタンの長押しで出せる「溜め攻撃」が強化されるんです。
ただし、遠距離攻撃を行うとコンボポイントがリセットされてしまう点は要注意です。
このようなシステムのため、コンボポイントを稼いで強力な溜め攻撃を叩き込むか、あるいはコンボポイントを諦めて遠距離攻撃で手堅く戦うかを、状況に応じて切り分ける必要があるわけです。
これがバトル中の駆け引きを面白くさせているんですよ。
移動時のアクションに関しては、「スピンジャンプ」という特徴的なシステムがあります。
これは、スライディング中にジャンプボタンを押すことで、カメラを向けている方向にきりもみ回転をしながら跳んでいくというもの。高速移動ができるだけでなく、視点を上に向けた状態で発動することで、大ジャンプにも応用できます。
そのほかには、空中で遠距離攻撃を行うと、まるでホバー移動のような軌道で移動でき、これもユニークな要素です。
これとスピンジャンプを活用すれば、マップ内を縦横無尽に駆け巡ることができ、これが非常に気持ちいいです。到達しにくい場所には収集アイテムが置かれていることもあり、宝探し感覚でマップを隅々まで探索したくなります。
これらのアクションや近距離/遠距離攻撃の使い分けは本作の大きな特徴で、「全方位爽快バトルRPG」を謳っているのも深くうなずけます。


メインストーリー以外にも見どころがたっぷり
3DのアクションRPGは近年人気のジャンルですが、本作では縦横無尽に移動できるパルクールを取り入れたアクションや、近接&遠隔攻撃の二刀流バトル、膨大な量のサブコンテンツなど、さまざまな工夫が凝らされています。
そして今回のクローズドβテストに参加して、上記に並ぶくらい、メインストーリーも魅力的だと確信しました。
そもそも、ここまでの業を背負ったカロン族とは、いったい何者なのでしょうか。
この宿命の螺旋から逃れることはできるのでしょうか。
そして、主人公はベレニカと再会できるのでしょうか。
今回のクローズドβテストをプレイして、キャラクターのたっぷりの魅力と、それと同じくらいの不穏さや不安さを感じてしまいました。ともあれ、一刻も早く先のストーリーを知りたい! そんな気持ちでいっぱいです。
今回は取材ということもあり駆け足でのプレイでしたが、正式サービス開始後は再びじっくりと、そして隅々まで、この儚い物語を堪能したいと思いました。
現在開催中の第2回クローズドβテストの募集受付は終了していますが、今後も正式サービス開始に向けて盛り上がっていくと思いますので、興味を持ったら公式Xアカウントをフォローしつつ、続報に期待してください。