『NieR』シリーズの15周年を記念した初の展覧会「NieR 15th Anniversary EXHIBITION 消セナイ記録」が、8月9日(土)から8月31日(日まで)東京・池袋にあるサンシャインシティ 文化会館ビル2F 展示ホールDで開催中だ。
こちらは、2010年にリリースされた『NieR Replicant』から全世界で900万本を売り上げた『NieR:Automata』、そして惜しくも昨年サービス終了したスマホゲームの『NieR Re[in]carnation』まで、実物のゲームの企画書やこれまで作られてきた制作物などを一同に集めたイベントだ。
それらに加えて、『舞台 ヨルハ』で使用された衣装も会期中入れ替えながら展示が行われる。また、これら4つの展示エリアに加えて、展示会記念商品やTシャツや帽子、キーホルダーなど、特別なアイテムが購入できるショップのコーナーが用意されているところもポイントだ。
イベントの開催に先駆けて、前日にメディア向けの内覧会が行われた。本稿では、その模様をレポートする。なお、展示内容など初見で楽しみたいという人にとっては、いわゆるネタバレ的な要素も含まれているので、あらかじめご了承願いたい。
巨大なエミールが来場者たちをお出迎え
先ほども少し触れたが、今回の展示会では作品ごとに4つのエリアに分かれている。イメージとしては、それぞれ暗幕で区切られたところがあり、そちらをくぐると次の作品の展示エリアに移っていくという感じだ。

その前段階として最初に訪れるのが、「INTRODUCTION」と呼ばれるスペースである。こちらでは、これまでの15年間で起きた『NieR』シリーズに関する様々な出来事の年表が展示されていたほか、シリーズエクゼクティブプロデューサーの齊藤陽介氏、クリエイティブディレクターのヨコオタロウ氏、コンポーザーの岡部啓一氏のメッセージも展示されていた。

▲ChatGPTによるヨコオタロウ氏のメッセージも読める!?より)
さらにゲームの映像に加えて、超巨大なエミールの造形物も出現。ちなみに、この巨大なエミールの近くにはちょっとしたお題が掲載されており、展示エリア内の様々なところでエミールが紛れており、そちらを見つけ出すといった遊びも楽しめるようになっていた。




ガラスケースで『NieR Replicant/Gestalt』の初期企画書の実物が展示!
「INTRODUCTION」から暗幕をくぐると、『NieR Replicant ver.1.22』(NieR Replicant/Gestalt)のエリアに移動する。ここで展示されていたのが、ガラスケースの中に入れられた『NieR Replicant/Gestalt』の初期企画書だ。こちらは、ヨコオタロウ氏が社内向け資料として作成したもので、『NieR』シリーズのコンセプトがわかるようなものとなっていた。
▲ガラスケースの両面で展示されていたのが、『NieR Replicant/Gestalt』の初期企画書だ。より)
壁際には、ずらりとキャラクターのアートがならべられていたほか、それぞれのスケッチなども見られるようになっていた。また、アート作品のように、名シーンを切り出したカットも展示。こちらは、それぞれのシーンの近くに関係者のメッセージが記載されており、なかなかの見どころとなっている。
▲名シーンの近くに張られている関係者のメッセージを読むのも楽しい!より)
さらに、こちらのエリアでは、実物大の武器として「白の書」と「百獣の剣王」、「鉄パイプ」も展示。特に「白の書」はスクエニの欧米販社が制作したもので、この世に2点しか存在しないもののひとつだ。ちなみに、もうひとつは英語版キャストのサイン入りで海外のファンにプレゼントされている。
▲こちらが世界にふたつしか存在しない、「白の書」。より)


『NieR:Automata』エリアでは等身大フィギュアや衣装、スタチューなども展示
続いて暗幕をくぐり抜けていくと、『NieR:Automata』エリアにたどり着く。こちらでは、『NieR Replicant ver.1.22』(NieR Replicant/Gestalt)のエリアと同様に、キャラクターたちのアートやスケッチイラストなどに加えて、造形物がいくつか展示されていたのが印象的であった。
その中で、真っ先に目に飛び込んできたのが等身大2Bのフィギュアだ。通常のスケールフィギュアなどとは異なり、このサイズになると、ほぼマネキンに近い大きさでかなりインパクトがある。髪もリアルにまとめられているほか、口元近くには小さいホクロまで付けられているなど、細部もしっかりと再現されていた。

▲2Bの等身大フィギュア。アニメがモチーフになっており、肌の部分はシリコン製で作られている。より)
この等身大フィギュアの裏には、同じく2Bのコスチュームセットも展示。こちらも等身大フィギュアと同じように、アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』をモチーフに作られたものだ。そちらと合わせて、「白の約定」と「白の契約」も並べて展示されていた。

これまた精巧に作られた造形物として展示されていたのが、プライム1スタジオとスクウェア・エニックスとの合作で作られたスタチューの『SQUARE ENIX MASTERLINE NieR:Automata 1/4 scale』と、公式番組「本日開店!スクエニ模型店」の企画で作られた、飛行ユニットHo229 Type-B & 2B「水没都市」イメージジオラマだ。どちらも見るだけではなく写真映えする作りになっており、ついつい見入ってしまった。



▲実物大(!?)のポッド042と153も展示。より)



実物大「ママ」やガチャで出現したキャラクターたちの壁面画が登場!
続いて暗幕をくぐり抜けると、『NieR Re[in]carnation』のエリアに移動することができる。こちらは入り口付近で、本作のプロデューサーである横山裕樹氏やディレクターの松川大地氏による興味深い秘話が読めるほか、キャラクターのアートワークの展示などが行われていた。
少し変わっていたのは、名シーンをピックアップしたコーナーだ。こちらも各シーンと関係者によるコメントが読めるという点はほかのエリアと同じだが、それに加えて小型の液晶で映像も同時に流されていた。



なかなかの圧巻だったのは、ガチャで登場したキャラクターたちを壁面いっぱいに描いたコーナーだ。こんなに多くのキャラクターがいたのかと、思わず感動してしまったぐらいである。また、もうひとつこのエリアのウリとして展示されていたのが、実物大「ママ」である。同時に壁面にママのメッセージも書かれていたところがユニークだ。


『舞台 ヨルハ』の衣装が演者のインタビュー付きで展示! そして最後はあの花が……!?
ゲームとは別に、『舞台劇ヨルハ』で使用された衣装も展示されていた。こちらは時期によって展示内容が入れ替わるようになっており、8月9日(土)から8月19日(火)までは『音楽劇 ヨルハVer1.2』と『舞台ヨルハVer1.3aa』の衣装が、8月20日(水)から8月31日(日)までは『舞台 少年ヨルハVer1.0』と『舞台 少女ヨルハ Ver 1.1a』の衣装がそれぞれ展示される。
実物の衣装を間近で見られるのも嬉しいのだが、どのような場面で着用していたのかわかるように、近くには写真も展示されていた。また、誰が何のキャラクターの衣装を身につけていたかわかるように、衣装の近くにはキャラクター名と身についていた演者のちょっとしたインタビューも記載されていた。
メインの展示としてはこれで終わりなのだが、最後にマップ上で「?」と書かれたエリアを通り抜けていくことになる。こちらは「月の涙の記録へ」と題されたエリアになっており、中に入ってみると『NieR』シリーズでおなじみの「月の涙」が両脇に咲いているところを通り抜けられる。白い花に加えて、壁にはメッセージが次々と映し出されることもあり、こちらもなかなか幻想的なスペースだ。

思いっきり作品の感動に浸る中、そのままの勢いで物販コーナーに突入!
ここまで思う存分『NieR』シリーズの世界観を堪能してきたわけだが、その流れで最後にたどり着くのはグッズ販売コーナーだ。こちらでは、缶バッジやアクリルスタンド、アクリルブロック、ラゲッジタグなどの展示記念商品に加えて、Tシャツなど見た瞬間に欲しくなってしまうようなアイテムがずらりと並べられていた。


ということで、ざっくりとではあるが、今回の展示イベント「NieR 15th Anniversary EXHIBITION 消セナイ記録」をご紹介してきた。『NieR』シリーズのファンならば、かなり興味深い展示物や資料が多く用意されているので、1度は見ておきたいものばかりだろう。
ちょうど夏休み期間ということもあるが、どこに行くか迷っているという人は、こちらのイベントをチョイスしてみるのもいいのではないだろうか?
▲物販コーナーを抜けた後で設置されているメッセージボード。イベント開始後は、多くのメッセージで埋め尽くされていきそうだ。