9月25日(木)から28日(日)まで、千葉県の幕張メッセで開催されている日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2025」(以下、TGS2025)。そのコーエーテクモゲームスブースにプレイアブルで出展されているのが、来年発売予定のダーク戦国アクションRPG『仁王3』だ。
前作から約6年ぶりとなるシリーズ最新作だが、今回は初のオープンフィールドが採用されており、探索要素などバトル以外にも様々な冒険が楽しめるところも魅力だ。それに加えて、瞬時にサムライスタイルとニンジャスタイルを切り替えながら戦っていくことができるところも大きな特徴となっている。
今回の「TGS2025」で出展されていたバージョンでは、このオープンフィールドが楽しめる「雪原のあやかしを討つ」と、強力なボスキャラに挑戦できる「武田信玄に挑む」のふたつのステージが選べるようになっていた。いずれも15分間という制限時間内ならば、途中でやられてしまった場合であっても何度も挑戦することが可能だ。
これは余談だが、前作の『仁王2』が2019年の東京ゲームショウに出展されたときに、初日にボス「馬頭鬼」を倒すことができた挑戦者はわずか3パーセントだったという。はたして今回はその壁を打ち破ることができるのか、というところも注目したいところだ。ちなみに、見事武田信玄を倒すことができたプレイヤーには先着でTシャツがプレゼントされる。まさに勇者の証となりそうなアイテムだ。
ということで、こちらの記事では今回の「TGS2025」で出展されていた試遊版をプレイしてわかったゲームの魅力や特徴などについてご紹介していく。
雪と氷に覆われたオープンフィールドを探索!
シリーズ未経験者がいきなりボスの武田信玄に挑むというのは、あまりにも無謀すぎるということで、最初に体験させてもらったのが「雪原のあやかしを討つ」だ。こちらは、建久元年(1190年)の「平安時代」をベースにしたマップ上を探索していくような作りになっており、本作の特徴である「オープンフィールド」がどんな感じになっているのか、ざっくりと体験できるものとなっていた。

フィールドは、雪と氷に覆われた厳しい世界が舞台となっている。少し移動すると、すぐに敵と遭遇。中にはときおり赤い頭が大きくなって頭突きをしてくるものがいるなど、ザコ敵ではあっても個性的な攻撃を繰り出してくるのは面白い。バトルの最後では、敵の頭部が切り落とされるなど、爽快感も味わえるようになっていた。

この戦闘中、好きな時にサムライスタイルとニンジャスタイルが切り替えられるようになっていたところもかなり楽しく感じた部分である。サムライスタイルは、攻撃の威力とガード能力が高いため、敵と正面で向き合いながら戦うのに向いている。
ニンジャスタイルでは、攻撃することで空中にとどまりやすいため、そこから武技や忍術を発動しながら戦っていくことができる。また、攻撃したあとに身を翻して敵の中をそらすといったテクニカルな戦いも楽しむことができる。
どちらかじゃないとダメということはないので、いろいろとためしながら自分に合ったプレイスタイルを選んでいくといいだろう。

雪原を探索していると、あちらこちらで「社(やしろ)」を見かけることができる。こちらは、拝むことで様々なカスタマイズが行えるほか、死んだときのリスタートポイントとしても活用することができる。特に今回はオープンフィールドのため、見つけた時は忘れずにチェックしておきたいポイントだ。
▲社を見つけたら、とりあえず拝んでおこう。
当たり前だが、このオープンフィールドでは普通に強い敵も登場するため、それらに倒されて死んでしまうことも多数あった。しかし、意外なことに最初に死んだのは敵による攻撃が直接の原因ではなく、たまたま戦っていたポイントが崖の近くで、あと一歩で倒せるというときに水の中に落ちてしまったことによる溺死であった。
水の中ぐらい泳げるだろうと少しタカをくくっていた部分もあるのだが、本作ではあっさりと死んでしまう。そのため、バトル中もある程度地形を頭の中に入れておかないと、思わぬ事故にあうこともあるのだ。そうしたこともあってか、飛び石の上を渡り歩いていくという、一見なんでもないような場所でも妙な緊張感を味わうことができた。


巨大な強敵に意外な弱点が!?
今回の「雪原のあやかしを討つ」は、試遊版のためフィールド自体はそれほど大きくはなかったのだが、それでも中ボスクラスやザコよりやや強めの敵も多数登場する。序盤に出会った敵で個性的だったのが、人魚のような姿をした妖怪だ。こちらは、まるで雪原を水でも泳ぐかのように素早く移動するので少々やっかいである。
探索が目的の場合、こうした敵はある程度無視して進んでいってもいいのだが、敵とエンカウントした状態ですぐ近くにいる別の敵とバトルを始めてしまうと両方から攻撃を食らってしまうという危険性もある。この後触れるが、敵によっては周囲の状況を把握しておくことも重要になる場合があるのだ。

この人魚のような敵の近くをのっしりと歩いていたのが、巨大な妖怪だ。最初どれぐらいの強さかわからなかったため、歩いて緯度距離を取って近づいたのだが……なんと電撃を食らって死んでしまった。しかし、この敵はあるウィークポイントを持っていることがわかった。
頭部部分が妙に光っているのだが、こちらを矢で射貫くことで、なんと体のサイズが小さく縮んでいく。その間にダメージを与えることができるのである。しばらくするとすぐ元の大きさに戻ってしまうので、ふたたび同じことを繰り返していくことになるのだ。
……が、この巨大な敵とは別に、すぐ近くの屋根にいる敵が、遠くからプチプチと攻撃を仕掛けてきて、そちらに気を取られてしまった。その間に、最初に食らった電撃であえなくこちらが撃沈されてしまったのである。ここで得た教訓は、「中ボスを含めてやっかいな敵と戦うときは、回りの掃除から始めよう!」ということであった。


この「雪原のあやかしを討つ」は、探索が楽しめるところがメインではあるが、しっかりボスキャラも登場する。以津真天と呼ばれるこのボスキャラは、『太平記』にも登場する怪鳥をモチーフにした妖怪だ。大きな羽で攻撃を仕掛けてくるほか、尻尾のようなもので素早い攻撃を繰り出してくる。
それとは別に、距離を取ったときであってもときおり紫色の光線を複数出してくるため、油断することができない。いずれも、一撃でも食らうとそのまま死に繋がってしまうほどの威力だ。残念ながら今回は倒すことはできなかったのだが、オープンフィールドのステージを選んだときにはぜひとも挑戦してほしい相手だ。


観光スポットというわけではないが、もうひとつこの「雪原のあやかしを討つ」ステージで押さえておきたい場所がある。それが、フィールド上になにやら煙が立ち上っているエリアだ。近づいてみると、急に画面が暗転したかのように辺りが暗闇に包まれていく。実はこの場所は敵の拠点となっており、リスクはあるもののそこにいる敵を倒すことでより良い報酬を得ることができるようなスポットとなっていた。
今回の試遊版では3匹の敵が陣取っており、それを倒すことができると報酬が手に入るようになっていた。3体うち2体はザコだったためあっさり倒すことができたのだが、一番上に陣取っていた中ボスの雪入道がやっかいで、巨大な雪の塊を投げつけてくるのである。
▲煙が立ち上っているところに近づくと、そこは敵の拠点であった。辺りが暗くなるだけではなく、社もロックされた状態だ。

武田信玄とのボス戦は震え上がるレベルの圧倒的強さだった!
ひと通りオープンフィールドを堪能した後で、最後に挑んだのが今回の試遊のもうひとつの目玉であるボス武田信玄とのバトルだ。武田信玄といえば、「風林火山」を旗印に戦った戦国時代を代表する大名のひとりだが、てっきり「動かざること山の如し」なのかと思いきや、思いっきり激しい動きで攻撃を仕掛けてくるツワモノであった。
ちなみに、このボス戦をメインにした「武田信玄に挑む」では、道中に武将などは登場するものの、基本的にはほぼ一本道のステージになっている。時間も15分と限られているため、直接ボスに挑みたい場合はザコはガン無視して先に進んでいき、武田信玄がいる場所の手間に設置されている社で拝んでから挑むといいだろう。


武田信玄は、強烈な打撃に加えて炎を交えた攻撃を仕掛けてくる。そのため、炎が体に燃え移りダメージを受けてしまうこともある。また、むやみに近づくと、掴みから体を持ち上げられ地面にたたき付けられてしまう。それだけでは終わらず、そのまま連打を食らって最後は足で踏みつけるという極悪コンボを繰り出してきて、一気に昇天してしまうなんてこともザラであった。




そうこうしながら、次々と積み重ねていった死体の山……その数なんと14体。つまり、ほぼ1分に1回死んでいるというペースで、まさに死して屍拾うものなし状態であった。「これ、本当に倒せる人いるのか?」と心の中で思いながら挑んだ15回目のチャレンジの途中で残念ながら時間オーバーとなり、今回の試遊は終了となった。

今回の試遊を通しての全体的な感想としては、死にゲーというのはプレイする前からある程度想像は付いたため、敵とのギリギリのバトルや駆け引きが楽しめるという部分に関しては満足のいく内容であった。それに加えて、今作ではオープンフィールドならではの面白さも広がっている。
試遊版の限られた範囲内の探索であったが、それでもかなりボリューム感のある内容になっていた。実際の製品版ではいったいどんな冒険が待ち受けているのか、今から楽しみである。