「東京ゲームショウ2025」会場を歩いている最中、ふと“揺れ”を感じた。大地は……揺れていない。大気も……揺れていない。
ふと立ち止まってみると、とある後ろ姿が目に飛び込んできた。幕張メッセのホール4、「スマイルゲート」ブース。震源地はここだ。

『エピックセブン』を手がけるスマイルゲートが今年のTGSで展開するのは、『カオスゼロナイトメア』と『MIRESI:視えない未来』の2作品をテーマとしたブース展示。それぞれ試遊や展示が楽しめるようです。
『カオスゼロナイトメア』は2025年10月22日にリリースを控えており、デッキ構築ローグライクに美少女要素、ダークファンタジーな世界観が融合した作品。味方キャラ全員に「精神崩壊」時の専用グラフィック&ボイスが存在するという、癖の強いタイトルになっています。
一方、『MIRESI:視えない未来』は元『勝利の女神:NIKKE』アートディレクターを務めた血羅(ヒョルラ)氏がアートを手がける一作。“太い太もも”に魅入られたヒョルラ氏が“スレンダーとむっちりの両立に挑戦”する同作は2026年リリース予定です。
足を運んですぐにわかりました。展示やコスプレイヤー、ノベルティの数々で両タイトルの世界観が存分に味わえるブースだと。
本稿では、そんなスマイルゲートブースの様子を紹介するとともに、スマイルゲート代表・ペク・ヨンフン氏へのインタビューもあわせてお届けしていきます。
※この記事は「スマイルゲート」ブースの魅力をもっと知ってもらいたいスマイルゲートさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
正面からも、下からも、ふたつのアングルで楽しめる! このブース、ちょっと不埒かも
あらためて、スマイルゲートブースは、『カオスゼロナイトメア』と『MIRESI:視えない未来』のふたつのエリアに分かれており、それぞれ展示をはじめ、限定ノベルティが用意されています。
『カオスゼロナイトメア』エリアでは、ゲームプレイ画面をモチーフにした展示があり、事前登録&フォローでもらえるノベルティも用意されていました。

ノベルティはこれだけではなく、ゲームの試遊をすることで限定のトレーディングカードが当たるガチャガチャを1回だけ回すことができます。このトレーディングカードは、全24種からなるカードがランダムで4枚入っており、まさかのレアリティまで設定されている本格設計。
帰宅してからカードを開封してみると、「ミカ」や「ハル」などのカードに加え、フィルム加工された「オルレア」のカードが入っていました!かっこいい〜!!
ちなみに、この展示の裏にはコスプレイヤーによるフォトブースがあり、今回筆者が訪れたタイミングでは作中に登場するセーラー服を着た「ハル」と凛とした雰囲気の「レノア」の格好をしたレイヤーさんが立っていました。かわいい!!
どんだけ大きいんだこのブース……と思っていたのですが、実際にかなり大きいんです……!
しかも、正面通路方面の壁には大スクリーンが設置されて、ゲームのPVを流しているのもあってインパクトも大。ひときわ目を引くブースになっていたと思います。
もうひとつの『MIRESI:視えない未来』エリアでは、キャラクターの展示をはじめ、試遊特典として登場キャラクターをお触りできるブースが用意されています。
お、おさわり……? いいんですか? 東京ゲームショウなのに?
実際に体験してみると想像以上に不埒寄り(かも)。大型モニターにキャラクターが映し出され、タップする場所によってさまざまな反応を見せてくれます。
そして……お気づきになりましたか?
大型モニターの上にも(上の写真をご覧ください!)謎にモニターが配置されており、正面からと下から、ふたつのアングルからキャラクターを楽しめるのです!!
実際にタッチをするとどんな反応をするのかは……自分の目で確かめてみてね! ムフフでしたよ..……!!
スマイルゲート代表・ペク・ヨンフン氏インタビュー。日本ユーザーに「あの会社なら面白いゲームが遊べる!信用できる!」と言ってもらえるような会社を目指したい
──よろしくおねがいします。今年の東京ゲームショウへの出展において、とくに注目してほしい点を教えてください。
ペク氏:
はじめに、『カオスゼロナイトメア』は来月の10月22日にリリースすることを本日発表いたしました。そのなかで、リリース目前となる今回のTGSではブースや世界観はもちろんですが、一番はゲームプレイをみなさまに楽しんでほしいと思っております。
対して、『MIRESI:視えない未来』は2026年リリースを目標に現在制作中の作品となります。さまざまなモバイルゲームがリリースされていくなかで、スマイルゲートが今後どのようなゲームを作るのかを期待してブースを楽しんでいただけると嬉しいです。
──リリースが迫る『カオスゼロナイトメア』の魅力を教えてください。
ペク氏:
本作をひと言で表すなら、「一風変わったダークファンタジーの世界観に基づいたキャラクターが活躍する戦略ゲーム」になります。そのなかで、戦略に関しては「デッキ」をどのように構築していくかがかなり重要で、本作の特徴的な要素となります。
──日本ユーザーに注目してほしい要素はどこですか?
ペク氏:
「やりこみ要素」ですね。
本作はただビジュアルがいいゲームではなくて、何回も何回も遊べるようなリプレイ性を追求いたしました。作中にはゲームやストーリーの深掘り的な要素も多く組み込んだので、たくさん遊んでほしいです。
──『カオスゼロナイトメア』開発において、とくにこだわった部分について教えていただけないでしょうか。
ペク氏:
「ダークファンタジー」は言葉で言うと簡単ですが、市場には多くの似たような世界観の作品が溢れています。そのようなゲームと差別化をするべく本作では「崩壊【※】」という要素を組み込んでみました。
この要素がバランス調整や演出など、一番こだわった部分であり苦労した点でもあります。
※崩壊:戦闘中に発生するアクシデント。ストレスゲージが最大まで溜まると発生する現象で、「崩壊」を起こしたキャラクターは専用のカードを一定数消費するまで戦闘に参加できない。
──確かに本作の「崩壊」は突然発生するので、戦闘に緩急をもたらし、感情を動かすという点で、すごい魅力的な要素に感じました。ほかにも本作で苦労したことはありますか?
ペク氏:
もちろんあります。本作はとにかく「早くリリースする」という社内方針がありました。これは、ビジュアルやクオリティなどが高いゲームが近年モバイルゲーム市場にどんどんと参入しているからです。
しかし、スピードを重視していたものの開発を進めていくと、だんだん開発規模が大きくなってしまい、想定を遥かに超えた時間、膨大な資金が必要になりました。これが、開発で一番苦労した点だと思います。
ほかにも韓国のゲーム業界においては、3Dゲームが非常に多いため、2Dのゲームを制作できるクリエイターを探すのも大変でした。これらの2Dのクオリティを担保しながら、ビジュアルもしっかりと作り込まないといけなかったため、苦労しました。
──スマイルゲートの日本現地法人を設立、ペク氏が代表を務めてから約1年半が経ちました。設立時の計画通りにできた取り組みはありますか?
ペク氏:
スマイルゲートは、日本のユーザーが会社名を聞いた際に「あの会社なら面白いゲームが遊べる!信用できる!」と言ってもらえるような会社を目指しています。
これは面白いゲームという前提じゃないと、日本での展開は難しいと思っているからです。その点本作は、多くのユーザーに遊んでいただき、楽しんでもらっており、弊社の狙いが上手く伝わっている気がします。
──逆に想定外だった出来事があれば教えてください。
ペク氏:
私は長いこと日本でゲーム開発に携わってきたので、日本での事業展開は非常に難しいことはわかっていました。しかし、想定以上に開発が難航し『カオスゼロナイトメア』の開発・リリースが遅れてしまった点は想定外でした。
──最後に、ペク氏の視点から見た現在のモバイルゲーム市場についておうかがいしたいです。ヒットに繋がる要因、傾向やおきがちな失敗事例など、日本市場をどのように分析されているか、可能な範囲でお聞かせください。
ペク氏:
日本のモバイルゲーム市場は、新規コンテンツの開拓などの分野において徐々に停滞しているように思います。そして、日本人は「シリーズもの」や「人気IPの作品」を好き好んで遊んでいるユーザーが多い気がします。
しかし、一番感じるのは中国企業の参入ですね。ダウンロードランキングを見ても絶対に中国企業のゲームがラインナップしてますし、日本企業とは違うアグレッシブな運営をしていると思います。
とくに中国企業は、資金を持っているのでマーケティングの規模が桁違いです。そのため、このような企業がやっていない「穴をついた」マーケティングや運営が求められるものの、ほとんどの企業は資金が限られている場合が多いため、難しい現状となっています。
それから、近年ではぽっとでの会社がメガヒット作を生み出すことはかなり難しくなってきてると思います。そのため、先ほど話した「信頼できる会社」として継続的にユーザーを獲得し、「目新しい楽しさ」を提供し続けることが日本のモバイルゲーム市場では非常に重要だと考えております。