今回、9月25日から9月28日まで開催されているTGS2025で『D-topia』を試遊することができた。
『D-topia』は、AIによって人間が管理され、幸福が約束された楽園を舞台にしたパズルアドベンチャー。プレイヤーは「施設整備士」としてパズルを解く“労働”や、街の人々との交流を行っていく。
今回の試遊では限られた時間ながら、本作の一見なごやかな雰囲気に隠れた不穏さを垣間見ることができた。
というか、AIによって人間が管理された“楽園”である。不穏でないはずがない。
本稿では、そんなゲームの序盤の内容を紹介していく。
パズルを解いて、施設を整備し、労働
個人的な経験則として、「AIに管理された世界」がまともな世界であった試しはない。その設定だけを知っていた状態だったので、緊張感をもってプレイを開始した。
場面は主人公が楽園に移住したところから始まる。AIによって番号と適正職業が割り振られる世界のようで、主人公は「46番」、仕事は「施設整備士」。
そのままAIに促されて、早くも住人の義務である“労働の時間”に出向くことになる。楽園ではあるが、人間を堕落させないために、半日の労働が義務づけられているのだ。悲しい。

労働の内容である施設の整備は、数字を当てはめるパズル。まだ最序盤なので、難易度は低く、労働はすぐに終わった。嬉しい。こうしてパズルを解き続けていくゲームなのだろう。

パズルを解いて、機械を直して、人助け
労働が終わると、自由時間。街を散策できるようになった。
アイテムを買ったりして街を歩いてしていると、何やら個性的なキャラクターとの会話が発生。話したNPCがメニューに登録された。また、落とし物をしていったので追いかけて届けたところ、そのNPCの好感度が上昇した。

なるほどこのゲームは、街で人助けをしながら交流して関係を築いていくのも重要になるのだろう。
落とし物イベントをこなすと、さっそく次のイベントも発生。
別の住人が、お店のレジAIが故障して困っているではないか。ここで主人公の職能が生きてくる。お店の機械にアクセスして、パズルを解いて修理。このように、パズルを解いて機械を修理することが、人助けにも使われるのだ。
パズルの難易度は先ほどよりもやや上昇。しかしまだまだ……えーと……うん、まだまだ余裕だ。

当然のように不穏な空気
とは言え、AIに管理された世界特有の不穏な感じは全く抜けず、それどころか、若干強くなっていく。
故障したレジを修理するときに、設備修理士としての技能を使うことで「ブロックサイド」を見ることになった。
「ブロックサイド」はこの世界のもうひとつの姿。普段人々が見ている世界は、AIによって視覚的に編集されており、それを無くすことで隠された「世界の本当の姿」を見ることができるのだ。不穏すぎる。

ブロックサイドの世界にはしゃべるネズミがいた。普段見えていないだけで、本当はネズミは賢いらしい。これも不穏かもしれない。
人助けが終わったところで、AIによる「施設からブロックサイドへの不審なアクセスをした人間の監視を開始する」との発言で試遊は終了。完全に目をつけられてしまっている。
明らかにイベントが起こりそうな住人もチラ見せされていたし、主人公はこれから一体どうなっていくのだろうか。

また、試遊の範囲では触れられなかったが、プレイヤーにはいずれ、関係を築いた住人の未来を左右するような選択をする機会が訪れるようだ。
さらに、その選択は楽園の未来をも決定するという。おそらく、パズルの歯ごたえも物語が進むにつれてさらに上昇していくのだろう。
今回の試遊では、パズルを解き明かしながら世界の謎を解き明かしていく、やや不穏な物語の一端に触れることができた。
本作は、日本のインディーゲームスタジオ「Marumittu Games」が開発を手掛ける。Nintendo Switch/Switch 2、PS5、Xbox Series X|S、PCに向けて、2026年に発売予定だ。