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挫折イケおじカメラマン(CV:三木眞一郎)が少女(CV:市ノ瀬加那)とともに“帰り道”を探すゲーム『OPUS: Prism Peak』の雰囲気がめっちゃいい。撮った写真を通じて世界の秘密を知り、ふたりの旅を見届けよう【TGS2025】

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人間、ふと立ち止まって自分の歩みを見つめ直したくなる瞬間ってありますよね。

もしそんな時が訪れたなら、記憶を失った少女と一緒に、カメラを片手に静かな旅へ出てみたい。そんな思いをそのまま体験できるのが『OPUS: Prism Peak』です。

『OPUS 地球計画』『OPUS 魂の架け橋』など、やさしくもほんのり切ない上質なストーリーを描いてきた『OPUS』シリーズの最新作として、2023年1月に発表された本作は、国内のゲームイベントにおいては長らく「展示はされど試遊はできず」な状況が続いていました。

そんな本作が、東京ゲームショウ2025において、ついに試遊ブースを出展したのです。もうこれは、やるしかない…!

ということで、初公開から少しずつ膨らんできた期待を胸に、実際にファインダーを覗いて体験した本作は、プレイ後に深い余韻を残すような、しんみりとワクワクを同時に予感させてくれる内容となっていましたので、紹介させていただきます!

取材・文/Squ
編集/うきゅう


断片をつなぎわせて、世界の秘密を見つけだそう

『OPUS: Prism Peak』は挫折を経験してきたイケおじカメラマン・ユージン(CV:三木眞一郎)が主人公。彼は故郷へ帰る途中、思いがけず「幻境」と呼ばれる異世界に迷い込んでしまいます。

ユージンはその幻境で、記憶を失った不思議な少女(CV:市ノ瀬加那)と出会い、儚く美しい景色をさまよいながら失われた記憶のかけらを一つずつ集め、「帰り道」を探す旅に出ることに……というのが、本作のあらすじになります。

今回の試遊では、幻境のなかにある廃墟のような駅を経由して、街へと行く方法を探すことになりました。

『OPUS: Prism Peak』試遊レポート:カメラマン(CV:三木眞一郎)が少女(CV:市ノ瀬加那)とともに帰り道を探す_001

本作でプレイヤーは古びたカメラを手に、幻想と現実が交錯する未知の世界を探索します。雄大な山々がそびえ立つこの世界で、ファインダー越しに世界の隅々に潜む意味を探り、想いを写し撮ることで、少しずつ世界の真実が明らかになっていくようです。

試しに、駅の待合室中央に存在する木彫りの像を撮影してみます。すると何やら見慣れない文字が……。

『OPUS: Prism Peak』試遊レポート:カメラマン(CV:三木眞一郎)が少女(CV:市ノ瀬加那)とともに帰り道を探す_002

ファインダー越しに世界を覗くことで、少しずつ世界の一端に触れていくというのが本作の軸になるようですが、ただ単純に世界観の切れ端があるというわけではなく、未知の言語を読めるようになることで判明する秘密もあるようです。

もう少し探索を進めると、駅のホームに……犬。デカい。しかも喋る。最高か?

ちなみに名前は※☆△○×……読めねぇ!

『OPUS: Prism Peak』試遊レポート:カメラマン(CV:三木眞一郎)が少女(CV:市ノ瀬加那)とともに帰り道を探す_003

ん……? いやまて、この名前……。

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『OPUS: Prism Peak』試遊レポート:カメラマン(CV:三木眞一郎)が少女(CV:市ノ瀬加那)とともに帰り道を探す_005

い、一緒だー!!

どうやらこの犬が「王の彫像」を作った様子。おぉ、だんだんつながってきた。

と、このように写真を撮ることで明らかになる情報を紐付けていくことで、どんどんと物語の全貌が明らかになっていくようです。

ただ単純に世界観が明らかになるわけではないというのが面白いポイントで、「未知の言語を解読する」というユーザー自体が積極的に世界の謎に挑む構図が、ゲーム内で自然に生まれているのが非常に印象的でした。

なお、この犬を含め、この世界の動物たちは精霊のような存在であり、それぞれの動物が求める写真を適切に火にくべることで、彼らと交流を図ることが可能になるようです。なんと、ここでも色々な写真を撮る“意味”が……!

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『OPUS: Prism Peak』試遊レポート:カメラマン(CV:三木眞一郎)が少女(CV:市ノ瀬加那)とともに帰り道を探す_007


短い試遊ながら、『OPUS: Prism Peak』が提示する体験は非常に濃密でした。「写真を撮る」という、それだけのシンプルな行為が、物語を紡ぎ、世界の秘密へ手を伸ばす鍵になる。

駅構内の木彫りの像や、名も読めない巨大な犬の神霊など、レンズ越しに映る存在はどれも意味深で、撮影した瞬間に景色が少しだけ息づく感覚がありました。

主人公ユージンと記憶を失った少女のやりとりは特段派手ということもなく、たわいのない内容なのですが、それが逆に印象的でもありました。

まだまだ二人の関係性や詳細がわからないにも関わらず、なぜだか二人の行く末を気にしてしまう。ユージンが主人公とされていますが、プレイヤーとしてはあまりユージンに深く入り込むというよりも、どちらかと言えば第三の同行者として、二人の旅をそっと見守るような気分になってきます。

最初は自分が主人公のつもりだったのに、いつの間にか、プレイヤー自身がキャラクターの「“帰り道”を探す旅」に寄り添っているんですよね。

『OPUS: Prism Peak』試遊レポート:カメラマン(CV:三木眞一郎)が少女(CV:市ノ瀬加那)とともに帰り道を探す_008

また、世界をただ探索するだけでは終わらない点も素敵です。未知の言語を読み解き、写真から断片をつなぎ合わせて初めて見えてくる新たな情報。その過程そのものが、自分の歩みを見つめ直す体験へと変わっていくような気さえしてきます。

静かで美しいアート、心をそっと揺さぶる演出、そして考察を促すゲームデザイン。『OPUS: Prism Peak』は、ストーリー主導のゲームとしながらも、物語を自分の手で形にしていく楽しさも同時に与えてくれるゲームなのかもしれません。カメラのシャッターを切るたび、あなた自身の物語が一枚ずつ積み重なっていくはずです。

そんな『OPUS: Prism Peak』は2025年秋に発売予定。対応プラットフォームはNintendo Switch、PC(Steam)となっています。

9月25日から9月28日にかけて幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2025では、本作の試遊ブースも出展されていますので、興味のある方はぜひこちらもチェックしてみてください。

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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