「MOBA系※の新作か~」というのが、本作『OUTRANKERS(アウトランカーズ)』が初めて発表されたときの筆者の感想。「か~」の部分には、MOBAというゲームジャンルに対する筆者の個人的な気持ちがたくさんこもっています。
※MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)
『リーグ・オブ・レジェンド』などに代表される、複数のプレイヤーがチームを組んで敵チームの拠点破壊を目指すゲーム。RTSのサブジャンルのひとつ。海外での人気が高いジャンル。
実は本作は、『ストリートファイターII』『バイオハザード』『モンスターストライク』などで知られるゲームクリエイター・岡本吉起氏がプロデュース。その時点で注目作ではあったのですが、上のような理由から筆者は正直そこまで気にしていませんでした。
ところが先日、メディアキャラバンで実際にプレイしてみて評価が一変。これ、ぜんぜんMOBAじゃなかった!
というのも本作、モードによってはプレイヤー同士でチームを組むこともできる一方で、基本のゲームモードは「プレイヤー操作のメインキャラ1人+AI操作のキャラ2人からなるチームを指揮して戦う」というもの。個人的にはこのチームを指揮するプレイ感がめっちゃ気に入っています。
要は自分の操作キャラ以外の2人がAI操作になるというわけで、たとえて言うなら、小隊《スクワッド》の隊長として部隊を指揮するような遊び方ができるのが本作『アウトランカーズ』というゲーム。
キャラを実際に操作するアクションの面白さに加え、自身の指揮によって戦局を変えていくタクティカルな面白さが、1試合3分ちょっと、それもスマホで遊べるゲームの中に一粒でまとまっているというわけです。
ついでにそのキャラたちも個性的。全キャラが何らかの罪を犯した「罪人」という設定なのですが、チビっこを除く全女性キャラがふとももを、全男性キャラが胸筋ないし腹筋を大胆に露出するという、なかなか割り切った男女平等肌色概念のキャラデザになっています。

取材・執筆/恵那
AIを指揮して他プレイヤーと資源争奪バトル。一兵卒プレイから軍師プレイまでできちゃう
あらためて『アウトランカーズ』について説明すると、本作は3チームx3分間の“奪い合いアクション”をテーマとした対戦ゲーム。
フィールド上のエネミー(Bot)を撃破して得られる資源「エルピス」を自分たちの拠点であるE-スフィアまで持ち帰り、最終的に他の2チームより多く回収できれば勝利です。
各キャラ通常攻撃&スキル2つ&スペシャル持ちと、UIの感じからしてかなりMOBAっぽいゲームではあるのですが、本作のメインモードは全員がいわゆる「肉入り」(=プレイヤー操作)ではなく、プレイヤー自身の操作するメインキャラ+AI操作キャラ2人という組み合わせでワンチームになっており、AIのチームメイトは直接操作することはできません。

操作はできないものの、事前に作戦を立てたり、戦闘中に移動箇所などの指示を出して間接的に行動を指定することはできるので、小部隊を指揮するRTSみたいなゲームになっているのが特徴です。これが本作一番のクセものでもあり、個人的に一番面白かったポイントです。
プレイヤーはメインキャラしか操作できないので、自分ができないところは味方キャラをうまく動かしてカバーする必要があるわけです。逆に言えば、うまくチームを指揮することさえできれば、1キャラでできること以上の戦果を得られます。
味方を一点に集めての強行突破から、陽動を駆使した背面攻撃まで、いろいろな作戦を自分の意志で実行可能。スキルによって味方にバリアを貼ったり、移動時に隠密行動ができたり……といった各キャラクターの個性もあわせると、チーム単位の戦術幅はさらに広がりそう。

事前の作戦通りで良ければプレイヤーが必ずしも仲間に指示を出す必要はなく、メインキャラの操作だけに意識を注いで一兵卒として暴れまわるバーサーカープレイも可能。一方で、逆にメインキャラの操作さえオートモードに切り替え、全体マップを見ながら移動・攻撃先の指示だけを出していくといった軍師プレイもできちゃいます。
要は視点のレベルを調整しながら遊べるため、アクションゲームっぽくプレイするか、RTSとしてプレイするかの方向性を、自身で臨機応変に選んでいけるというわけです。
ゲームの目的は資源「エルピス」の回収。負けても不快感が残りにくいスタイルに
ゲームの目的はあくまで資源「エルピス」を他チームよりたくさん回収することで、必ずしも他のプレイヤーとの戦闘が必要ではないというのも大きな特徴です。
本作ではキャラクターを撃破することによる直接的なメリットがそれほど大きくなく、例えばMOBA系のゲームのように撃破で経験値が得られるわけでもなければ、Botのエネミーに比べて「エルピス」のドロップ量が多いというわけでもありません。
敵キャラクターを倒すことで「エルピス」を回収できないように妨害することはできますが、キル数が直接的に勝利につながっているわけではありません。
こうしたバランスについて伺ったところによれば、「負けた時の悔しさや不快感が、勝った時の嬉しさを上回ってしまう」という対戦ゲームジャンル特有の問題点に着目し、それを和らげるために導入されているのだとか。
実際にプレイしてみて感じたのが、ゲームが大勝ち・大負けになりづらいということ。本作では3チームが同時に戦うため、足の引っ張り合いが起こりやすくなっており、どこかの陣営が勝ち始めると、他2チームが共同して足を引っ張りやすくなっているのです。
「エルピス」を持ち帰る各陣営の拠点がそれぞれマップ中央に集まっているため、お互いに拠点攻撃が容易であることもポイント。味方キャラを自身の指示で攻撃に向かわせることもできるので、出る杭は打たれるのたとえそのまま、勝ちそうな陣営をガンガン妨害に行けるというわけです。

加えてゲーム中は1分に1回の頻度で何らかのイベントが発生。多くの「エルピス」を落とすレアエネミーが出現したり、マップ中央部に大量の「エルピス」が湧いたりと常に逆転の可能性があり、3つのチームの勢いが均衡しながら最後まで脱落しないようなバランスになっているのです。
顔とスタイルが〇 言動が《?》の罪人キャラたち。リリース後も定期的に追加
現在のところ、登場が決定しているキャラクターは7名。本作に登場するキャラはいずれも何らかの罪を犯した「罪人」という設定で、顔とスタイルが良く言動がアブない感じのメンバーが揃っております。
キャラクターは今後も各シーズン(7週間スパン)毎に1人のペースで追加される予定とのことで、シーズンごとのプレミアムパスの購入で即時利用可能になるほか、無課金でも通常のシーズンパスを進めることで利用可能になるようです。
本作はメインとなるPvPモードのほか、メインストーリーに加えて各キャラクターのバックグラウンドなどが明らかになる個別のストーリーも用意。キャラクターたちと話したり「差し入れ」を届けられる面会モードといったコミュニケーション要素など、世界観を楽しむためのモードも用意されていました。
ちなみに今回の取材では『アウトランカーズ』の応援アンバサダーとして、それぞれ「リン」推しの清水れいさん、「ミザリィ」推しのアンジェラ芽衣さんのおふたりにもご参加いただいていました。

特に「ミザリィ」推しのアンジェラ芽衣さんは、βテスト時にランキング2桁圏内に入るまで本作をやり込んだというガチプレイヤー。どうしてそこまでプレイしていたのかと伺ってみたところ、「バトルに出れば推しが喋る声が聞けたから……」というサイコパス診断の模範解答みたいな回答をいただくことができました。
ひとりの人間にここまで言わしめてしまったミザリィというキャラ、かわいい見た目に反して相当ヤバい女なのかもしれません(?)
そんなキャラクターたちが登場する『アウトランカーズ』ですが、9月にはβテストも実施されたほか、現在は事前登録も進行中。2025年内のリリースへ向けて、その動きが加速しています。
公式Xではキャラクター情報などの発信を行っているほか、YouTubeではβテスト時のプレイスルー映像等も配信されています。興味があればこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。