従来とは違ったミステリー色が強めのシナリオ
今回取材したのは開発作業まっただ中のバージョンで、触れられたエリアやストーリーは断片的であり、大異形などの核心部分もさっぱり分かっていない。それでも本シナリオが、これまで以上にミステリー色が強めであることは、じゅうぶんに理解できた。
イシズミには古くからの因習や掟が根強く残っており、この陰鬱な雰囲気はウィズダフネの世界観にとてもよく合っている。また、ダンジョンRPGのプレイ中に、先のストーリーが気になるから先へ進めたくなったのは、なかなか珍しい体験であった。
初プレイの際はぜひ、メッセージをスキップせずに、ストーリーも含めてじっくりと楽しんでほしい。
全体を通じて生身の人間があまり登場しないシナリオだが、それだけにひときわ印象に残ったのが、チラっと出てくる少女の「イリス」である。イシズミに住む彼女は見た目相応のあどけなさも残しているが、敵か味方なのかは今回プレイした限りでは不明であった。
だが確実に言えるのは、これはメタな話になってしまい恐縮だが、こんな可愛いボイスの子はメインキャラ枠に違いない。そして、この作品のメインキャラが、一筋縄にいくわけがない。きっと、我々が想像すらできないような、とんでもない運命に巻き込まれているはずだ!(※メルジーナのトラウマが残っている人の被害妄想です)。
まぁ、イリスの詳細はアップデート後の楽しみに取っておくとして、ここでは、今後のシナリオ展開について、ネタバレしないようにスクリーンショットで軽く紹介しよう。
雪原を乗り越えてイシズミ村に到着。しかし人々が生活している形跡はあるが、生身の人間は見かけない。これは……?
中ボスの雪男ビッグフット。デバフてんこもりの激臭ブレスのほか、“排泄物投げ”まで繰り出してくる。あったかそうなり
吹雪はさらに過酷になり、マップどころか通常画面すら視認できなくなる。まさに雪山遭難状態だ
そして舞台は鉱山へ。ここからは、キミの目で確かめてほしい!!
レベルキャップやアイテムの底上げなど、冒険者の環境も激変
第4の奈落は事実上のエンドコンテンツとして登場するが、今回のアップデートを期に、全プレイヤーにとっての環境も大きく変わる。
まずは、レベル上限が従来の60から70へと引き上げられる。
等級試験のクエスト内容は確認できなかったが、従来のグアルダ城塞や忍者の開放クエストなどの攻略で詰まっている人も含め、多くのプレイヤーが歓迎できるだろう。
アイテムに関しては、第4の奈落にて「冥銅」のワンランク上となる「銀」シリーズのドロップが確認できた。同時に従来のアイテムシリーズに関しては、高性能なアイテム(★の数や、色)のドロップ率上昇にも期待できる。
そのほか、合ってるか間違ってるかは分からないが、筆者の憶測も交えつつゲームプレイ時に気になったことをつらつらと述べていこう。
今回はレベル60のパーティで挑んだことも関係しているのだろうが、雑魚モンスターも含め、全体的に防御力が高い敵が多かった。しかも、ただでさえ凍えて行動速度が遅くなっているのに、せっかく迎えたターンで一撃で与えるダメージまで低いと、こっちの心まで寒くなる。そのため、9月のアップデートで大幅に強化された両手武器を、第4の奈落の攻略に向けて数本鍛えようかと考えている。
それに、ゲーム内の設定的にも、一撃で与えるダメージが大きい両手系の武器や、あとは鈍器系などのほうが「氷割り」の確率が上昇してもおかしくなさそうである。ウィズダフネは、こういった妙に細かな部分にもこだわるゲームという印象が少なからずあるのだ。
いっぽうで、現在多くの場所で有用な回避装備は、凍結のデバフに回避力ダウンが含まれていることから、この奈落では運用がやや厳しくなるかもしれない。……となると、忍者などのクラスは使いにくくなるのだろうか? ユズナミキのガチャ、100連まで回したんだけどなぁ。
そのほかにも、アーシャやフルートのレベル上げや、火属性の武具が入手できる「火の魔窟」の周回プレイなど、第4の奈落に向けた考察や準備は、現時点でもいくらでもできるだろう。
むしろ、アップデート前にこういうことを考えて実践するまでの間が、最も楽しいまである。
「Wizardry」の寿命は少なく見積もって10年は延びた
本記事はドリコムとのタイアップ企画だが、筆者はこの原稿を本心偽りなく書いている。
正式サービス開始直後のウィズダフネがバグだらけだったのは事実だ。
そして、いまのウィズダフネを心底面白いと感じているのも、また揺るぎない事実である。
もし、この熱意を「眉唾」に思っている人がいたら、試しにウィズダフネの1周年記念特設サイトで紹介されている、「公認冒険記録人」のXやYouTubeチャンネルをフォロー/チャンネル登録してみてほしい。それだけで、現在のウィズダフネがいかに多くのプレイヤーに熱烈かつ好意的に受け止められているのかが、一目で理解できるだろう。
他のネトゲ運営が羨まずには居られない、この良質なコミュニティの存在こそ、ウィズダフネが成功を収めていることを如実に表している。
このコミュニティを軸にフォローを広げたり、YouTubeのライブ配信に参加したり、自らSNSで発信したりすることで、無駄なネガキャンに辟易することなく、ゲーム内だけでなくその外側も含め、ウィズダフネを余すところなく満喫できるはずだ。
個人的なことを言わせてもらうと、筆者は数年前まで、Wizardryといえども、いつかは人々から忘れ去られる運命にあるのだろうと内心諦めていた。しかし、ウィズダフネの登場によって、この偉大なIPとしての寿命は、少なく見積もって10年は延びたと確信している。
初代作の登場から44年が経ち、プレイヤーの世代が交代しても、「Wizardry」の名とともに、その本質である「スリル」と「骨太さ」が受け継がれていく。単なる焼き直しではなく、時代に合った形で進化を遂げ、継承されているのだ。しかも、この奇跡を同好の士と共に楽しめる。
この筆舌に尽くしがたい喜びが、はたして読者に伝わるだろうか。
「はじまりの奈落」(第1の奈落)のクライマックスは、いま振り返っても鳥肌が立つほどのゾクゾクする体験であった。
スマホだけでなくタブレットやPC(Steam)でも快適にプレイでき、致命的なバグは軒並み潰され、ゲームバランスもじゅうぶんに洗練されたいま、あのクライマックスに今から初めて挑める人が、ただただ羨ましい。できることなら自分自身にカースドホイールしたい気分である。
骨太のRPG体験を求めている総ての人に、ぜひ、これを機にウィズダフネをプレイしてほしいと心から願う。
※開発中のバージョンを取材しているため、本稿の掲載情報は今後修正される場合があります



















