ミカエル氏(クリエイティブ・ディレクター)、ショーン氏(主人公ディラン・フェイデン役)インタビュー
ここからは、試遊会場にて実施されたインタビューの模様をお届けする。今回お話をうかがったのは以下の4名だ。
ミカエル・カスリネン氏(『CONTROL』フランチャイズ・クリエイティブ・ディレクター)
ショーン・ダリー氏(主人公ディラン・フェイデン役)
エルメリ・ライタネン氏(アートディレクター)
アンネ=マリー・グロンルース氏(リードレベルデザイナー)
まずは、ミカエル氏とショーン氏の両名に話をうかがったインタビューからお届けしていく。

──本作の荒廃したマンハッタンという舞台は、どのようにして生まれたのでしょうか?
ミカエル・カスリネン氏(以下、ミカエル氏):
幾重にも層を重ねたプロセスでした。正しいやり方を見つけるためには、いろいろなことが起こる必要があったんです。
人々が最初に『CONTROL』の世界へ足を踏み入れたオールデスト・ハウスは、力の宿る場所であり、ブルータリズムという非常に特徴的な建築様式を持っていました。
同時に、その中で起こる数多くの超常現象に対する、ある種のキャンバスとして機能する目的も、部分的にはありました。
ただ、『CONTROL』の世界はFBC本部だけにとどまらず、その外にも広がっています。そこで私たちは、ゲームの世界を拡張しようと決めました。
その世界をどう描写し、どう伝えるか。それを考えると、まず都市環境を観察し、理解する必要がありました。ニューヨークのマンハッタンのような象徴的な都市を選んだことは、偉大な第一歩でしたね。誰もがある程度は見覚えがあり、理解できるものですから。
そこからマンハッタンのさまざまな地区を、かなりの時間をかけてリサーチしました。そのうえで、ある種のキャンバスとして機能する体験へと形作っていったんです。
そして、「ヒス」や「モールド」のような奇妙な超常現象、あるいは今回の新たな脅威である「パターニング」を重ねていけるようにしました。
さらに、時間もまた影響を受けています。あるゾーンでは夜なのに、別のゾーンでは昼だったりします。そうすることで、独特で興味深い、単なるニューヨーク以上のものとして感じられる世界を作り出せないかと考えていました。
──主人公であるディランのキャラクターとしての強みは何だと考えますか?
ミカエル氏:
強みですか。おもしろい質問ですね。
私の見方では、彼は非常に人間味のあるキャラクターです。多くの物事に深い共感を抱いていますが、それは罪悪感や、彼がくぐり抜けてきたものの下に埋もれています。
でも、この体験に登場するすべてのキャラクターを見渡すと、彼こそがこの深い共感の感覚を持つ存在なんです。
たとえば、ディランが私たちが「ビッグヘッド」と呼ぶボス敵にとどめを刺すとき、彼はワイルドにふるまい、脅威を倒すための武器をその目に突き刺します。
ですが、彼が立ち上がって、さあ続けようという状態になったとき、ふと動きを止めて、この生き物の目を見る瞬間があるんです。
そのとき彼が見ているのは、自分が通じ合える何かです。結局のところそれは、怪物になってしまったひとりの人間でしかなく、まさに彼自身と同じなのです。だから彼は動きを止め、続けるのではなく、ただ飛び退く。それが彼の大きな部分を占めていると思います。
ショーン・ダリー氏(以下、ショーン氏):
共感だけでなく、「助けたい」という意志もそうだと思います。
彼のような境遇なら、世の中に嫌気がさし、ひどくすさんで、世界に怒りを向けるようになってもおかしくありません。
でも彼はそうする代わりに、それを引き受けて、物事を良くしたいと思っている。それは彼というキャラクターにとって非常に強い側面だと思います。
──巨大な頭のボスは非常に印象的でした。ほかにも、ああいったボスはいろいろと用意されているのでしょうか?
ミカエル氏:
ええ、クレイジーなものになりますよ。
ボスに関して重視したのは、すべてが唯一無二で、丁寧に設計されていることでした。
それぞれが独自の背景や、異なるメカニックを持っています。「見た目も感触も似たようなボスが100体います」というのではなく、数は少なくても、一体一体をメカニックの観点だけでなく、ビジュアルやアート、さらには物語の観点からも入念に設計しているんです。
小さくて素早いものもいれば、巨大なものもいますし、中には静止しているようなものもいます。ですが、それぞれがプレイヤーに対して異なる種類の挑戦を突きつけてきますよ。
──ディランは大人でありながら外の世界を知らないという複雑なキャラクターです。この設定は演技の際も意識していましたか?
ショーン氏:
その通りです。そこは難しいところのひとつでした。彼は大人ですが、非常に閉ざされた人生を送ってきて、ほとんど発達が止まったような状態にあります。
10歳のときにオールデスト・ハウスに入り、ついさっき初めて外に出てきたところですからね。ですから、オープニングで彼が壁の下から出てくるシーンは、20年ぶりに太陽を見る瞬間なんです。
そして、それが雰囲気全体に影響してきます。ずっとオールデスト・ハウスという超常的な世界で生きてきた人物が、今やマンハッタンという普通の世界に出てきているわけですから。いや、「普通」ではないかもしれませんね(笑)。
──ショーンさんにとって、ディランのどのようなセリフやシーンがお気に入りですか?
ショーン氏:
詳しくはまだ話せないのですが……(笑)。本当に良い場面がたくさんあるんです。
このゲームはまさに彼の旅路を追っていくもので、その旅全体が『CONTROL Resonant』をプレイする大きな部分を占めていますから。ネタバレせずにひとつだけ取り上げるのは難しいですね。ディランにまつわる楽しみは、本当にたくさんありますよ。
──その旅路をたどる中で、作中の彼の感情に影響を受けるようなことはありましたか?
ショーン氏:
ええ、もちろんです。前作で私たちは、彼が親の代わりにFBCという組織に育てられたというトラウマを知りました。今作の彼は、それと向き合っているんです。
トラウマ的な出来事をくぐり抜けてきた人々が、それによってどうなるのか。それが大人になった彼らにどう影響するのか。実際の人間の反応について、多くのリサーチをしました。
そして私は、そうした要素のいくつかを誠実にこのキャラクターへ持ち込みたいと思いました。彼を、身に起きたことのカリカチュア的な存在にするのではなく、本物の感情と向き合う本物の人間にしたかったんです。

──本作の激しさもありつつ心地よいサウンドがとても印象的でした。音響面ではどのようなアプローチを行ったのでしょうか?
ミカエル氏:
非常に複雑な領域に足を踏み入れることになりますね。サウンドは『CONTROL』の体験で大きな役割を果たします。何が重要で、何がそれほど重要でないかについて、プレイヤーにゲームとのつながりの感覚を与えるからです。
ですから、ときには「抑制」が重要になります。すべてに音が必要なわけではなく、取捨選択することで、その瞬間に明瞭さが生まれるんです。そうした原則が、私たちのサウンドデザインの大きな部分を占めています。
全体を表す1文のようなものがあります。オーディオだけでなく音楽についても言えるのですが、「easy to feel(感じ取りやすい)」というものです。これが意味するのは、不要なレイヤーや複雑さを避け、すべてにおいて純粋であるということですね。
──ほかのゲームにはない、『CONTROL Resonant』ならではの強みは何だと思いますか?
ミカエル氏:
そうですね、ほかの誰もやっていないことをやっている、という点でしょうか。非常に特徴的でユニークな世界観で、ほかのどんなものとも似ていません。
戦闘やゲームプレイも際立っていて、これもほかでは得られない体験だと思います。
近接アクションが、超常的な能力や、移動、シフトのメカニックとどう組み合わさっているか。その点で私たちは非常にユニークなものを持っていますし、とても誇りに思っています。同時期に出てくる多くのゲームの中でも、際立つだろうと考えています。
ショーン氏:
私たちはただ単に、史上最高のゲームを作りたいわけではないんです。これまで作られたことのない最高のゲームを作って、それをとてもユニークなものにしたい。そう考えています。
──シリーズを定義づける『CONTROL』らしさとは、どのような点にあるとお考えですか?
ミカエル氏:
それはかなりシンプルに言い表せますよ。「ありふれたものと、異質なものとの衝突」なんです。
その衝突の中で、私たちはほかのどんなものとも違う体験を生み出しています。それは作中で起きている惨事やそのかたちに表れていますし、キャラクターたちにも表れているのが見て取れるはずです。
──もし前作未プレイで、本作の購入を迷っている人がいたら、どのような言葉をかけたいですか?
ミカエル氏:
ディランは、多くの点で白紙の存在です。
私たちはまだ本当の彼を見たことがなく、ゲームは彼が昏睡状態から目覚めるところから始まります。彼は、状況に対して新参者である新しい主人公、という視点で設計しました。
彼には過去がありますが、それは旅路を進む中で自然と紐解かれていきます。つまり、プレイしていく中でいろいろなことを知っていける作りになっているんです。
さらに、ディランの周りには別の登場人物たちを配置して、プレイヤーが別の視点から物事を見て理解できるようにしました。
たとえば、ニューヨークの街路に出てすぐ「ゾーイ」というキャラクターに出会いますが、彼女は部外者です。ジェシー(前作主人公)が誰なのかも、ヒスが何なのかも知りません。だから彼女は疑問を抱いていて、プレイヤーと一緒に多くを学んでいきます。
ですから、誰でも飛び込んで、何が起きているのかを理解できるよう設計していますよ。
──今回の試遊には含まれない、プレイヤーが楽しみにできる要素のヒントを少しだけいただけますか?
ミカエル氏:
体験の中盤に、大きな驚きを用意しています。それはすばらしくもあり、同時に怖くもあるものになると思いますよ。
──最後に、本作を楽しみにしている日本のゲーマーに向けたメッセージをお願いできますか?
ミカエル氏:
私たちは日本のファンのみなさんが大好きです。
そして、『CONTROL』が提供するものが、みなさんにとって楽しく素晴らしい体験になることを心から願っていますし、その時間を楽しんでいただけたらと思っています。
ショーン氏:
みなさんがこのゲームを楽しんでくれることはもちろん、ディランの旅を一緒にたどることを、本当に楽しんでくれたらと願っています。
──ありがとうございました!


